『『快快速速名名古古屋屋行行ききはは永永遠遠にに………』』
快速 名古屋なごや↔中津川なかつがわ行き
多治見駅
午前6時57分発
1番線から、
快速名古屋行き
発車致します。
扉が閉まります。
陽射しが舞い降りてきた多治見((たじみ))駅でした。
鳩((はと))の群れが静かに散らばった朝だった。
通勤ラッシュに見舞われ、まだ7時前だと言うのに、私が当駅から
仕事時間として働かなきゃならない。
それも、6時57分と言う休日ダイヤだ。
私は平日ダイヤに働くことが無い。
それでも給料は、みんなの50倍以上なんです。
何ででしょうかね。
そりゃそうだ。
1日の平均乗車数、私に乗ってくる人たちって3000人
超えるのでしょ。
だったら切符買ってくる乗客さんって凄く私に支払っていくのね。
1日だけでもこんなに給料がいいと言うのは、美味しくて仕方が
無いのですよね。
笑っちゃう話だよね。
そんな朝日を見ながら、仕事をするのだって、日常茶飯事なことだから、
慣((な))れたものでした。
導((みちび))き出される雲隠((くもがく))れの世界で、
隧道((トンネル))の影で私が働き続けること。
それが立派に思えた社会サラリーマンの姿だったようだ。
これだけ働けば、1年に約1億以上は稼((かせ))げてるだろうしね。
もう私って社長クラスなんだから。
笑っちゃう話だよね。
しかも休日ダイヤだけ、私は働いてるんだよね。
ある意味、すごい稼ぎ様子だと自分でも思ってしまう。
海に潜((もぐ))る潜水艦((せんすいかん))と同じ気持ちです。
指指((さ))した方向にだけ進むことが許される、
川の流れをゆっくりと見渡すのです。
だから私の仕事時間が、朝日が昇る頃に始まり、
朝日が沈む頃まで続けると言うことです。
頑張り屋さん??
快速ライナーと呼ばれた私が、頑張り屋さん??
ありえなーい!!!!
私の就業時間が、22時33分で終わるのもヒドイものだ。
何で私って土日だけそんなに働いてるのかも、意味が
わからない。
でも、金が欲しくて、運行してるのでしょ。
わかってる、自分ではわかってる。
人の約に立ちたいから、また走ってしまう。
だから頑張ってしまう私。
14時間以上も働いてる私って凄いじゃん!!!!
自分で認めてしまう。
頑張り屋さんの快速ライナー
親しみ始める愛称にも、また笑えてしまう。
百足((むかで))の数を数えたら、レールだけが
流れる足の数になって、百足競争((きょうそう))みたいに
脚払((あしばら))って、二人三脚((ににんさんきゃく))の涙が
光ってしまうってこと。
ちょっと大袈裟な表現をしてしまった。
支((ささ))えてる兄弟が10人になっても、前足が絡((から))み合って
ゆくだけで、もどかしくなってしまう。
それでも仕事を続けようとする私ってすごい。
兄弟のチカラで、引っ張り合うのも大切だと思いました。
誰かが立つことも無いのに、ホームの上で立つことも
知らないのに、跪((ひざまず))いてしまう私だった。
でも、私自身に対しても、悲しくならないほうがいいのかな。
被疑((ひぎ))を感じないほうがいいのかな。
好き嫌いって誰でもあるのに、好きになれない自分がいます。
だからキライな人の前では、止まれないホームだって
あるのに、私だって止まりたい気持ちは永遠に繋がっていた。
だけどそれは仕方が無いことなのでしょうね。
キライな人を繋げるっておかしい話ですよね。
私なんていないほうがいいに決まってる。
近寄らない権利((けんり))って私が選択できるものなのよ。
理解できるでしょ??
だって私でも理想ってあるものなのよ。
好きになれないホームだって存在するのです。
だからそれが仕事なの。
わかって。
定光寺((じょうこうじ))なんて笑っていられないのよ。
悲しくなるだけなのでしょ。
守護霊((しゅごれい))が憑((つ))いてくる場所があるから、
私がそこに止まるのが不安になるのです。
夜も眠れなくなるほど、怖くなるのです。
そこにあるはずも無い神社があるのです。
””玉野御獄神社((たまのおんたけじんじゃ))””って仕事にならない。
呪((のろ))われてるのですよ。
そんなの私が知ってどうなるのよ。
私、霊の噂、知ってるんだよ。
何でそんな場所にホームがあるのよ。
本当に信じられると思いますか??
きっと、呪われるのよね
だからほんとに止まりたくないのです。
私の気持ちもわかってよ。
だから、定光寺さんには、生理的に受け付けられないのです。
だから定光寺さんには、通過させておきます。
ごめんなさいって謝っておきます。
成仏させてね。
チーンッ!!!!ΩΩ\ζζ°°))
考え方を踏み躙((ふみにじ))られる古虎渓((ここけい))って
私がなんか悪いことでもしたの??
私をそんな高いところに止まらせて、恐喝((きょうかつ))でも
してるつもり??
私、古虎渓さんに誹謗差別((ひぼうさべつ))されてるのよ。
理解できるの??
人間のすることじゃないってば。
ひとつ屋根があるだけで、
高所恐怖症((こうしょきょうふしょう))に襲来((しゅうらい))
させてるつもりなのかしら??
駅にワイヤー吊((つ))るしていたとしても、私は数メートル
下の川にだけは流されたくないわ。
落とされるなんてごめんだし、そんなの、イヤだからね。
ベーだσσ((´┰``==))
神領さん、私、あなたを裏切ってしまうのよ。
でも、普通列車さんが有り難いことにシュークリームを
買ってくれるのよ。
でも、私ってお金が足りなくってシュークリームさえも
買えないのかもしれないのです。
普通列車さんにばかり頼って買って来て貰うのだけは
申し訳ないけれども、私、キミの存在をずっと知らなかったのよ。
シュークレールの店、いつか行きたいと思ってた。
いつか止まりたいって思ってた。
でも、あなたを見過ごして、気づいたら、
勝川((かちがわ))だったんですよ。
わーんヽ((´ДД``;;))ノって嘆((なげ))きたいの。
新守山さんって名古屋市なのに、私があなたを
見ると切なくなるのです。
だから泣いてばかり帰っていくのです。
何も答えてくれないのは知ってるの。
ただおとなしいだけの名古屋なんて名古屋じゃないのよ。
悲しいけど、差別じゃないのですよ。
工場が爆発したら、責任取れる??
何もしてくれない癖に、勝手なところにいないでよ。
工場のそばに、私を止めさせないで下さい。
だから私、火の傍は嫌いなのよ。
火災になるのは、悲しくさせるだけなのよ。
わかってないんだから。
もう人たちを泣かせないで下さい。
早く勝川((かちがわ))に行きたい。
さよならー((ヾ((´・ωω・``))
私って私って何だか切なくなるときがあるのよね。
高蔵寺((こうぞうじ))で何かが始まるのよ。
私とさようならする人もいるけれども、
おはようって挨拶して入ってくる人もいるのです。
だから別れもあり、出会いもあり、不思議な場所なのよ。
ここ大好きになれるのはそういうことよ。
愛知環状鉄道((あいちかんじょうてつどう))で
瀬戸((せと))行きに手を振るのですよ。
それで気持ちいいのですよ。
途中で降りる人を笑っていられるのよ。
途中で路線を変える人を好きになれるのよ。
不思議でしょ。
でも、私から瀬戸へ行く人たちと別れるのが正直言って
辛くなるの。
でも、いつまでも別れを惜しんでちゃダメって、
そう思ったんだ。
あなたたちがここまで乗ってくれたの。
それに感謝してるから。
だから””ありがとう””って言いたい。
そして、駅前に立ち並ぶ商店街((しょうてんがい))があり、
””オーシャンプラザ””に私は常に愛されてしまっていた。
ラッキープラザ、””オーシャン””ってちょっとかっこいいこと
言いました。
ザ・モール 春日井((かすがい))にようこそ!!
春日井さん、あなたの周りには、でかいショッピング
センターがあるのよ。
結構、市民の人たちが愛されている、公共((こうきょう))の
スーパーなのよ。
何でも揃ってる品物って最高の気分よ。
誰だってここを知らない人が多いはずなのに、
乗降((じょうこう))する人が多いのも不思議だね。
だって、私が感じてる周辺だもの。
何かがあると信じていました。
私の止まる場所が不思議な泉なのね。
エッヘン((@@^▽^@@))
私たちって運命の糸ってことです。
糸を引いて生きています。
ただ、次発のセントラルライナーだけ、私が許せなくなるだけ。
310円も支払って、あなたは動くつもり??
それでも人間がすることなの??
大曽根((おおぞね))止まらず、鶴舞((つるまい))止まらず、
そんなあなたを信じられないの。
だから私を置いて、走らないでよ。
あなただけがキライ。
310円を支払ってまでも、名古屋まで行かせて
欲しくないのよ。
だから私の前後を走らないで下さい。
ウザイから、私を避けて通ってね。
そういう差別をする車両なのよ。
だからあなたがいつも最大、66両とか、33両とかしか、
編成できないのよ。
ざまーみろってんだ。
私がいっぱいつなげているから、あなたがたくさんも
つなげられないのよ。
あなたは人に愛されずに、どこにも止まれないんだよ。
高蔵寺((こうぞうじ))はいいんだよ。
あなたの好きなモリコロパークだけ興味があるんだからね。
勝川((かちがわ))でも止まってよ。
最近の勝川をバカにするなよ。
ビルが立ち並び、昔より綺麗になって美しくなって、
周辺が大きくなっていくの。
成長してるのよ、勝川だってさ。
それを見下して、通り過ぎるあなたはなに??
セントラルライナーだけにライバルを持ちたくないのよ。
あなたと戦う私も私だけどね。
私はいっぱいの人に愛されて春日井市をあとにするんだよ。
自慢話((じまんばなし))に土産((みやげ))を大曽根((おおぞね))さんに
持ち帰るのだよ。
渡してあげる感謝の気持ちを忘れていないのです。
セントラルライナーさんにはわからないはず。
中日ドラゴンズさんを応援したい人だっています。
それを見過ごしていくのも可哀想((かわいそう))になる。
だってドラファンにとっては土産話((みやげばなし))って
大切にするんだよね。
それが地元ファンに愛されるたからものなんだ。
私の故郷((ふるさと))、鶴舞((つるまい))だけは
止まりたかったのです。
どうしても地下鉄鶴舞線で帰りたいんです。
帰らせてください。
私のわがままなのかな
でも車に乗れないのなら仕方が無いのよ。
会社で働いたお金の全部を、アパートに支払った。
そのアパート代って馬鹿にならないのよ。
だから売ったりすることもできない。
悲しいでしょ。
まだそのローンが残ってると言うのに、私を
帰させないつもり??
それは酷((ひど))い話なんじゃない??
だから私が鶴舞公園((つるまいこうえん))だけは
あとにするのよ((^ωω^))。
家に帰ったら、また明日でも、始発の快速名古屋行きに
乗るから、待ってて。
約束するから。
じゃあねバイバイ!!
千種((ちくさ))に会うと、思うことがありました。
考えてしまうことがありました。
でも、後ろめたさで、頑張る自分をもっと延長したい。
私、土日挟((はさ))んで、みんなを運んでばかりで、
これじゃあ、1日44本の私が疲れるはずだね。
どこかで休みたいです。
でもそんなこと言ってられないじゃない。
あっ、そうだ、次の総合金山((かなやま))で、
ひとまず、みんなを下ろしてあげましょう。
それから私はひと呼吸おくことにする。
そしたら楽になれるのかもねっ。
急げぇー、金山。
そして、名古屋で孤独になってしまうのは、
何故だろう??
折り返し、私は、また快速中津川行きへと戻ってしまう。
帰る場所は、名古屋のはずなのに、中津川さんに
会うために、また東へと走らせるのであった。
ああ、私って何でこんなに切なく、44本の快速列車を
1日に何本も走らせているのだろう。
でも、平日には休みをたくさんもらえる。
48本も走ってる平日に比べると、私ってまだいいのかな。
平日ダイヤさんは、すごいんだよ。
私の250倍稼いでるのです。
すごいよ、やっぱり平日ダイヤさんが、快速列車の
社長さんです。
素晴らしい!!!!
それに比べ、セントラルライナーのやる気がないこと。
私はまたこいつに恨みを晴らすのであった。
また困った悩みが増えてしまったようだ。
普通列車さんのほうが、たくさん乗ってると思うのも、
不安になる。
普通列車さんにも、負けたくないけれども、
でもサラリーマン同士で金の争いなんてしたくない。
私の東海旅客鉄道の中央線の上りに、無職なんていないと
思ってた。
だが、働いていない列車がただひとつだけあった。
貨物列車は、人を乗せない裏切り者です。
だから走らないでください。
私たちの大切なレールの上を走らないでください。
働いていない人間に、走らせて欲しくないから。
貨物列車はどこへ行くの??
私は名古屋に向けて、また働いてしまうのも、
事実なことであった。
(終わり)
1982年5月、岐阜の生まれ。上原碧桜。
短編小説、詩などをWordで作成し、小説のファイルとして作成し続けている。
パソコンと、私生活を合わせたものが、短編小説として登場します。