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迷宮3

 迷宮に潜った俺は、少し中で実験をした後でニートの鍛冶屋に移動すると、必要と思われる物を発注して町作りに戻った。


 そして発注したものが出来上がると、俺は仕事がほとんど無くなったガラシャを連れて再び迷宮に潜っていった。


「お兄ちゃん。迷宮で何するの?」

「ちょっと調べもの・・というか実験かな?」

「4階層を調べるとか?」


 それも興味があるけど、ちょっと違う。


「すぐにわかるよ」


 第1階層は軽く食糧を確保するだけで流して、俺とガラシャは第2階層にたどり着いた。


「ここで実験するの?」

「そうだよ。ちょっと見てな。」


 俺はそう言うと土魔法を使って砂漠の砂を原料に薄い石板を造り出す。


「わぁー真っ白だね。何で外と違うの?」


 ガラシャの言うとおり、外で作った石材はもう少しくすんだ色をしている。

 今作ったのは純白とはいかないけど、それでもかなり白い。


「成分が違うんだよ。たぶんだけど、ここの砂はケイ素がかなり濃いんじゃないかな?」

「ケイ素?」


 まぁ知らないよな。


「実験はここからだぞ」


 俺は収納からデカい鉄板を取り出した。

 これは鍛冶屋に発注して作って貰ったもので、表面はまっ平。

 縦横2メートルくらいある特注品だ。


「お兄ちゃん?・・どうするの?」

「ちょっと手伝ってくれ」


 俺はガラシャに手伝ってもらって作った薄い石板を鉄板の上に寝かせる。


「よし。離れてろよ。」


 俺はガラシャが離れたのを確認すると、鉄板ごと石板を火魔法で加熱する。

 鉄板の下は整地してあるから鉄板が熱垂れすることはないと思う。

 たぶん。

 鉄板が真っ赤になった頃、俺は火を止めて今度は氷魔法で冷却する。


「さて、どうかな?」


 ガラシャは訳がわからないらしく暇そうにしていたが、終わったとわかると結果を覗きこんでくる。


「お兄ちゃん。それ・・ガラス!?」

「そうだよ。でも、思ったよりも色が付いてるな・・」


 ちょっと濁ってるし、少し黄色い。

 まぁ何もかもそんなに上手くはいかないか。


 ちなみにガラシャがわかっただけあって、この世界にもガラスはある。

 それも無色透明なやつが。


 ゴーレムの中にグラスゴーレムっていうレアなやつがいるらしくて、そいつを溶かして固めるだけで出来るんだよ。

 簡単だろ?

 ただ、人が自力で作ることは出来ないこともあって、かなりの高級品だ。

 使えるのは王宮とか貴族の家くらいなんだってさ。


 だからここで作れたら良いと思ったんだけど、ちょっと出来が悪いよなぁ・・。


「凄い!これならみんな欲しがるよ!」

「そうか?出来がイマイチだと思うけど・・」

「そんなことないよ!」


 そんなことないって。

 そういえば、昔のガラスも透明に出来ないからわざと色んな色をつけて使ってたらしいし。

 透明にするのは確か何かを混ぜるんだったか・・

 石灰と・・鉛?じゃないよな・・サイダー?

 うーん、わからん・・例え名前がわかってもこの世界のどれがそれだかわからん。

 まぁ、砂の不純物が多いからたぶん無理だろ。

 色を着けた方が早いよな。

 とりあえず、帰って色々と試してみようかね。


 ということで砂も大量に持ち帰ることにする。

 帰ってみんなの前で手から砂を出す姿を想像すると、想像の中で何故か俺はオレンジの服を着てアフロになっていた。

 これがわかるやつもこの世界にはいないんだよなぁ。


 俺達はついでだからと3階層まで潜ってアイアンゴーレムを倒してから迷宮を出た。

 どうせ中で寄り道しても外では時間なんて経ってないからね。


 屋敷に帰った俺は、ガラシャと今後のことを少し話し合った。

 まず新しい町の名前だ。

 いつまでも迷宮の町とか新しい町なんて呼ぶのはめんどくさい。

 そこで名前を考えたんだけど、俺の出した名前はことごとく却下された。

 ニートは会社名みたいなものだから却下。

 ライクスは紛らわしいから却下。

 ロイは俺の名前だから却下。


 却下の嵐に投げやりになった俺が「じゃあメイズで」って言ったらそれで決まってしまった。

 メイズって確か迷路みたいな意味だっけ?

 まぁ誰もわからないから良いけどさ。


 後は運営だ。

 輸送を竜種だけに頼る訳にはいかないけど、うちの宿や孤児院、鍛冶屋で扱う物については自分達で運びたい。

 余ったものは売ればいいけど、それをメイズで売るには商人を呼ばなくちゃ売れない。

 呼ぶ前に迷宮でとれる品物の種類と量を把握しなくちゃならない。


 それに実際に商人を呼ぶなら受け入れ態勢を整えなくちゃいけないが、それはいつにするか。


 俺達は色んなことを話し合ってから寝室に入った。

 明日からは何をするかね。

 メイズの大きさは足りるかな?

 迷宮の深さによってはもっと拡大しないとな。


 ガラス製作は鍛冶屋の新人数名がやってくれることになったから、俺はアドバイスというか、簡単な方針を伝えるだけだった。


 ニートグループは今までやってきた宿に手を出すとか、店を増やすなんていう小さな進歩ではなく、町作りというとんでもないことに手をつけている。

 新しいことは何だって大変だけど、少なくとも自分の領内に食糧が取れる迷宮があればいつか飢饉とかがあっても多少は安心だ。


 役人の人不足も深刻なんだけど、建物が完成したらポメラニア領内の街から何人か役人を連れてこなくちゃダメだろうな。

 宿と倉庫が完成したら迷宮の方はコーラドールのみんなも手伝ってくれるらしいし、双子狼にも依頼している。

 迷宮のレベルが少し高いだけあって店の従業員を中に入れる訳にはいかないけど、冒険者とかに依頼を出せば迷宮が無くなって困ってる連中がかなり集まってくるはずだ。


 後は取れた品物を俺やガラシャが転移で持っていかなくても他の大陸に竜種で持って行くべきか、それともあっちはあっちで迷宮を育てるか・・

 いや、それは無理か。

 エンマーク大陸は冒険者のレベルも低いし、死者が大量に出そうだからなぁ。


 あっ飲食店もやるか?

 いや、すでに宿の一階でやってるから宿自体を増やせば・・

 いや、やっちゃおうか。

 泊まらない商人や冒険者の食べる場所も必要だし、食材の宣伝になるからね。

 材料はある。

 店員もたぶんどうにかなるだろ。

 きっと。

 おそらく。

 どうせ誰かがやるんだから、自分達でやらなきゃ損だよな。


 と、迷宮の活かし方を考えていたら、いつの間にか俺は夢の中に落ちていた。

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