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迷宮1

「そこにいます」

「了解」


 オリンに言われた場所をイズナが叩くと、大量の砂が舞った。


 今俺達がいるのは迷宮の第2階層だ。

 階段のような通路を抜けて見えてきた2階層目は全体が1つのホールになっている広場タイプだったようで、見渡す限り砂に覆われている。

 ホールの大きさは恐らくサッカー場が数個入るくらいかな?

 天井も日本の一般的な家が建てられるくらいの高さがある。

 デカイよね。

 遠くに見える壁や天井がおそらく土で出来ていることから、一階層目と同じ洞窟に見えなくもない・・

 ないか?


 とりあえず、この階に出る魔物はサンドゴーレムばっかりだった。

 でも、その辺に生えてるサボテンだかアロエだかよく分からない植物が薬になるらしい。

 火傷に効くとか・・アロエかな?


 アロエならビタミンが豊富なはずだからジュースにして売ろうかな。

 黒豚の焼肉屋でアロエジュース。

 うん。

 いけそう。


 食べることも出来るっていうからちょっと千切って食べてみたけど、ジュースにしても俺が前の世界で飲んだことがある100パーセントアロエジュースより飲みやすそうだ。

あとは美容液なんてどうだろう?

 確かアロエは鮮度が大事だから、丸ごと引っこ抜いて現地で加工かな?


 と、俺が商売の話を考えていたら先頭を歩くオリンの足元からサンドゴーレムが現れた。

 サンドゴーレムはオリンの足を掴もうと腕を伸ばしてくる。

 オリンが腰に下げた剣を抜いてまだ半分砂の中にいるサンドゴーレムを叩くと、サンドゴーレムは砂に戻って消えていった。


「鬱陶しいな」

「まぁ何もしなければ砂に引きずり込まれるから、即死系の罠みたいなものなんでしょ」


 俺のつぶやきにカリーナが返してきた。


 たぶんそーゆーことなんだろうな。

 まぁそれさえ無ければこの階層は直射日光のないただの砂漠だ。

 スッゴく楽だわ。


 アロエを多めに収納にしまうと、俺達は3階層目に進んだ。


「いやー、当たり当たり!育てるのはここに決まりだな!」

「良かったね!お兄ちゃん!」


 俺達は3階層を踏破して入り口まで戻ってきた。

 結局3階層目はゴーレムの巣になっていた。

 たまに出るストーンゴーレムは要らないけど、アイアンゴーレムは倒せば比較的良質な鉄が手に入る。

 うちのメインである鍛冶屋にとっては必需品だ。


 3階層までで食糧と鉄、おまけに何かの薬の材料になるアロエモドキが手に入る。

 これ以上は望めない迷宮だったのだ。

 俺とガラシャは大満足で喜んでいるのだが、ドラゴンクロウのメンバーはそうでもないようだ。

 代表してオリンが俺に質問をしてくる。


「あの、ロイさん。本当にこの迷宮を育てるんですか?」

「ん?そのつもりだけど、何か問題か?」


 この迷宮は森の中にある。

 最初は草原の方が町を作る時に拡張しやすいと思っていたけど、よく考えたら建物を建てるのに木があった方が便利だよね。

 ここは街道にも近いし、木を伐採しちゃえば道を作るのは楽だろう。


 何よりも、迷宮でとれる物はうちで必要としてる物が多い。

 まるで育てるためにあるような迷宮じゃないか。


「迷宮としては広さも申し分ないし、街道も近い。採れるものだって優秀だぞ?何が問題なんだ?」

「広すぎます。それに深すぎる。できたての迷宮とは思えません。」


 出来たばかりの迷宮はほとんどが1、2階層止まりだ。

 それに比べて俺たちが潜った迷宮は3階層まで行ってもまだ先があった。

 広さもあるし、魔物の強さも考えるとおかしいらしい。


「そうか。じゃあ古いんじゃないか?そこって大事なの?」

「いや、まぁ、そこまででは・・」


 ドラゴンクロウは前の迷宮での失態の後、コーラドール・・というかそれぞれの親に、迷宮では変化や異常を見逃すなとしつこく言われて神経質になっている。

 まぁ最初からこうだったら迷宮を消さずに済んだと思うけどね。


 この迷宮は最初に俺が領内を探した時には見付けられなかった。

 だからきっと出来たてなんだと思ってたけど、まぁここまで言うなら古いんだろう。

 そこまで徹底的に探した訳じゃないし、見逃しくらいあるさ。


「とりあえずここにするよ。パンクしてもらっちゃ困るから、ドラゴンクロウはしばらくは潜って貰おうと思う。よろしくな!」

「・・はい」


 オリンは心配そうだけど、まぁ大丈夫だろ。


「じゃあよろしく!」


 そう言って俺はドラゴンクロウを再び迷宮に送り出した。

 輸送で品物が痛まないか試す意味もあるので、俺はとりあえず鉄以外は運ばない。

 迷宮に入ってもすぐに戻ってくるドラゴンクロウが運んでくる食糧とかと合わせて、俺が引っこ抜いてきたアロエも一緒に竜種にコンテナで運んで貰う。

 一応コンテナには屋敷の食糧保管庫みたいに氷魔法がかけられるようになってるから、たぶん大丈夫なはずだけど、宿で加工したあと孤児院に運ぶことを考えたらここで加工して凍らせた後で運んだ方が良いかもしれない。

 まぁそれは迷宮の周りの施設が整ってから考えないとな。


 まずやるべきなのは迷宮周りの木の伐採だ。

 とりあえずドラゴンクロウが休める小屋を建てるのにもスペースが必要だし、どうせ木は切り出してもすぐには使えないからね。

 灰汁抜きに一年、材料の形に小さく切ったとしても天然乾燥だと一年以上かかるんだっけ?

 それだと流石に長すぎるけど、魔法でどうにかできるかな?


「お兄ちゃん。私は大工さんを呼んでくるよ?」

「あぁ頼む」


 流石にガラシャは言わなくても流れがわかってるな。

 助かる。


 ガラシャが転移で連れてきた元大工の奴隷と話してどこに何を建てるか、どこを道にするかを話し合う。

 馬車が沢山通るだろうから街道から迷宮に向かう大通りは特に広めに、迷宮の近くは休憩所、というか大きな宿を建ててしまうことにする。

 倉庫も大量に作るので木はいくらあっても良さそうだ。

 石造りの建物は防犯的には良いんだけど、作るのが手間なので今回は木造ばっかりになる。

 精々その辺に転がってる岩で作れそうな一棟か二棟かな?


 育てるまでもなく最初から大きめの迷宮だったせいで計画を前倒しすることになってしまった。

 最初から町のつもりで計画を立てる。


 街道までの道は部外者が入り込むことも考えてしばらくは繋がないことにして、途中まで作っておく。

 といっても、木を伐採したところを迷宮周りの地面と合わせて整地魔法で平らにするだけなんだけどね。


 出来れば全面石畳の道にしたいけど、しばらくはお預けかな?

 石は建物に使う分でも足りないくらいだし。


 まぁ石畳の道なんて首都だって表通りくらいなんだけどさ。


 最初は小屋と倉庫だけ作ろうと思ってたので、今は大工が全く足りない。


 飲食店もやりたいし、宿の建物を時々補修することも考えたらお抱えの大工がいてもいいかな?

 石造りと木造では技術も全然違うから最低二人。

 町を作るんだし、出来れば棟梁クラスがいいなぁ。

 また奴隷市場か?

 いやいや、棟梁って奴隷にならないよな・・。


 それにしても、結局俺の仕事は人集めなんだな。


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