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1:シーナの夢

 あるところに、シーナという少女がいました。金色のロングヘアー、透き通った青い瞳、雪のように白く透明な肌。誰が見てもその少女はかわいらしく、その上困っている人をほおって置けないたちでしたので、誰からも好かれる理想の女の子でした。

 そんなシーナには、幼いころから胸に秘めたひとつの夢がありました。

「歌手になって、私の歌でみんなを幸せにしたい!」


 シーナには、“声”という生まれ持った才能がありました。始めて言葉をしゃべったその日から、シーナの声は聞く人を魅了し、シーナの歌は泣いている子供たちや仕事で疲れた大人たちに元気を与えていました。

 その輝く美声は瞬く間に評判になり、シーナは村中の人気者になりました。はじけるように元気よく歌うと人々は笑顔で踊りだし、しっとりと語りかけるように歌うと人々は目を閉じ涙を流しました。

 人々の心を動かす力を持つ“歌”を、いつしかシーナは大好きになりました。


 ですが、それは到底かなわぬ夢でした。歌手になるには遠くの都会へ行かなければなりません。シーナの家はとても貧乏で、その日暮らしていくのもやっとの状態だったので、そんなお金は出せるわけがありません。いそがしい両親の代わりに弟や妹の面倒を見ているのもシーナだったので、その弟や妹をほったらかしにも出来ません。

 シーナにとって、「歌手になる」という夢は夜空に輝く星のように手の届かないものだったのです。


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