ぬくぬくとして、心地よい部屋
私の好きな作家さんの影響を多大に受けた作品になっていると思います。
この方の短編集を読んだことがある方には、分かるかと…。
不快に感じた方がいらっしゃったらすみません。
ぼくは空太。ぼくは美空ちゃんと一緒にいるのが好き。でも、その大好きな美空ちゃんはさいきん元気がないんだ。
美空ちゃんはいじっぱり。
それは誰よりぼくが知ってるから。美空ちゃんをなぐさめるのは、ぼくなんだ。
美空ちゃんが悲しむのはかなしいけど、ぼくはその役がうれしい。だって…誰よりも美空ちゃんを分かってあげられるのは、ぼくなんだよ?
いつもぼくたちは一緒にいるから、たまにはドジをわざとやって笑わしてあげたりもするんだ。
だって美空ちゃんが笑ってる顔が一番好きなんだもん。ぼくは美空ちゃんが買ってくれたボールが好き。ひなたぼっこが好き。氷が好き、桃が好き。
でも、そんなぼくにも嫌いなものができた。―――美空ちゃんに会いに来る奴だ。
そいつは以前ぼくと美空ちゃんの部屋にきて突然抱き上げたかと思うと、ぼくの足もとを見て「オスか」と言って笑っていた。
まったく失礼な奴なんだ。
でもそんな事で怒ったりなんか、ぼくはしない。ぼくは心の広い男だからね。
何より美空ちゃんはそいつが来るとうれしそうに笑うんだ。
だけどいつだって…美空ちゃんはそいつが帰ると下をむく。
そいつにもらった指輪を見つめながら。そいつが好きな色の服を着て。
『美空ちゃんぼくがいるよ』
「クー君、おなかすいた?」
『うん、すいたけど美空ちゃんは笑顔のほうがいいよ』
「私もすいちゃった。クー君は一緒にご飯を食べてくれる?」
『うん。一緒に食べよう。美空ちゃんの料理も好きだよ』
「クー君の好きな桃もむいてあげるからね」
『うん。食べたいな。でもね、ぼくは桃より美空ちゃんが好きだよ』
そこで美空ちゃんが唐突に話すのをやめた。
「……クー君ありがとね」
美空ちゃんはいつだってぼくの話を聞いてないようで、ちゃんと聞いてくれているんだ。だからぼくは何度でも彼女に話しかける。そいつは美空ちゃんを、いつもかなしい顔にする。そいつはいつも、美空ちゃんを優しい顔にする。
美空ちゃんは、普段のようにご飯の仕上げをしようと、料理を開始した。
そいつが食べるはずだった分は冷凍して。そいつが友達と食べるご飯なんか、足元にも及ばないおいしくて栄養のあるご飯を。
美空ちゃんはいじっぱり。いつだって一人でがまんしてる。
―――だから、美空ちゃんをなぐさめるのはぼくなんだ。
わ、わかったでしょうか?
この作者さんの作品を読んだ直後に描いたものなので、ずいぶん昔の作品なのですが…。
おまけに、私の中の空太のイメージは中型犬です。
ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。




