第5話:ゆるぎなき忠誠心!!王宮の危機を救えピッケル
一方、宮殿の中では...。
マリー:兵士さんどいて!、お兄ちゃん〇せない!!。
王宮兵士:大問題になりますから絶対にダメです。
自身の兄(オストリアン帝国皇帝)を〇そうとするマリーと、阻止しようとする兵士でもめていた。
ピッケル:もうマリー様のことは放っておきましょう、シャルフ様。
シャルフ:そうだね。でも王妃とはいえ、フラヌス国王を手にかけたのは、許されないんじゃないか。何かしらの罰を与えた方がよくないかい?。
ピッケル:いえ、やめておきましょう。マリー様はオストリアン帝国の王女です。もし手を出せば最悪オストリアン帝国と全面戦争です。それに....。
シャルフ:それに?。
ピッケル:これは私の勘なのですが、処刑すればタイムスリップをして我々に復讐しに来たり、追放すれば「令嬢追放ものですわ~♡」と言って大喜びするような気がするのです。
シャルフ:何それ怖い。
ピッケル:さらに言うと、先ほど偵察に行ってきた兵士の話を聞いたところ、「マリー様がルロイ16世様を〇した」という情報が革命軍にも伝わったようで、目標を失った革命軍は大混乱に陥っているとのことです。
シャルフ:それじゃあ、今僕らが生きていられるのも、マリーさんが僕の兄上を〇したおかげだっていうのかい?。
ピッケル:結果的にそうなりますね。もしそうしていなければ、我々はとっくに王宮に乗り込んだ革命軍に〇されていたでしょう。
シャルフ:そ、そうなのか。とはいえこのままではジリ貧だよね。革命軍を追い払ういい方法は何かないかな。
ピッケル:私に考えがあります。「三部会」を開催しましょう。
三部会。それはフラヌス王国における3つの身分「聖職者」「貴族」「平民」の代表者が集まり、政治的な議論を行う会議である。
しかしながら、「国王が全て決めるから、他の身分の意見は不要」との理屈によって、なんと約170年も開催されていない。
その会議を行うというのである、つまりこれは「国王は革命軍の意見を聞くつもりがある」という意思表明である。
シャルフ:なるほど、三部会を開催することで、「意見は聞いてあげるよ」というポーズをとるというわけだね。
ピッケル:はい、彼らの不満をやわらげるのには十分でしょう。相手側も混乱しているので、この条件で交渉できる余地はあります。
シャルフ:しかしながら、誰が三部会開催を伝えるんだい?。
ピッケル:そこらの兵士では信じてもらえないでしょう。比較的身分の高いものが伝える必要があります。しかしながら、シャルフ様は次期国王となられるお方。マリー様は論外。私が行きましょう。
シャルフ:...。生きて戻ってこれない可能性があるのは承知の上だよね?。
ピッケル:もちろんです。残された時間は多くありません。すぐにでも行ってまいります。
マリー:あらピッケル、少しは時間があるのでしょう?。少し私の部屋によっていらっしゃいな。
いきなり声をかけられたピッケルはマリーの方を見る。床には気絶した王宮兵士が転がっていた、どうやらマリーが勝ったらしい。
ピッケル:マリー様のお誘いであれば、断れませぬな。少しだけですよ。
ピッケルはマリーの後をついていった。相変わらず見た目"だけ"は優雅で気品に満ち溢れている。
マリー:さて、ピッケルそこに座りなさい。
部屋に入ったピッケルはマリーと向かい合い椅子に腰かける。すると侍女が2つのティーカップを置いてきた。
ピッケル:マリー様。紅茶が2つあるようですが。
マリー:好きな方を選んでくださいまし。あなたから向かって左の紅茶は普通の紅茶ですわ。
ピッケル:右の方は?。
マリー:もう生きては帰ってこれない可能性があるのでしょう?。精神的につらいと思い、High☆になれるおク〇リを入れておきましたわ。
ピッケル:.....。
マリー:もちろん右を選び...
ピッケル:左をいただきます!!。いただかせてください!!。
電光石火のごとくピッケルは紅茶を飲みほした。フッとため息をつく。
ピッケル:マリー様。これだけは伝えておきたいことがあります。私は財務大臣としてこの国の財政を見てまいりました。現在のフラヌス王国の財政が悪化したのは、ルロイ16世様、マリー様が統治される以前からのことです。ルロイ16世様、マリー様はむしろ今までの国王様達よりも贅沢はせず、何とか財政を持たせようとしてこられました。
ピッケル自身も不思議に感じたが、ついつい本音を話していた。それはマリーに隠し事をしても無駄だと感じたのか、あるいはマリーに何か期待することがあったのか、それはピッケル自身にもわからなかった。
ピッケル:あなたとルロイ16世様はフラヌス王国の財政を危機に陥れ、圧政をしいた人物として革命軍には憎まれているのでしょう。しかしながら、私にはわかるのです。お二人だけに責任があるというわけではないという事を。
マリー:ピッケル、あまり先代の王様達を悪く言うべきではなくってよ。
ピッケル:申し訳ありません。つい熱くなってしまいました。
マリー:でもありがとう。あなたの忠誠心はよくわかりましたわ。このような忠臣を持てて私は幸せものね。
マリーは優雅にほほ笑む。相変わらず見た目"だけ"は美しい。ピッケルもついドキリとさせられた。
ピッケル:さて、そろそろ行ってまいります。もし運がよければまたお会いしましょう。
そう言うとピッケルは部屋を出て行った。しばらくの沈黙の後、マリーは口を開く。
マリー:双眼鏡を持ってきてくださるかしら。
侍女:よろしいのですか。見たくないものを見ることになる可能性がありますが。
マリー:かまいませんわ。忠臣の行く末を見届けるのが主としての務めですもの。
侍女:マリー様、あなたにも人間らしい心が...いや、じゃあなんで国王様を〇してしまったんですか。
マリー:ヤンデレ令嬢ですからね。当然のことですわ!!。おーっほっほっほっほっほ!。
ピッケルは王宮の外に出る扉の前に立っていた。生きて帰れるかは分からない。
護衛兵:ピッケル様。心の準備はよろしいでしょうか。
ピッケル:ああ、かまわない。行こうか。
護衛兵:開門!!、開門!!。ピッケル様が出られるぞ!!。道を開けよ。
王宮の外には革命軍の兵士達が待ち構えていた。伝え聞いていた通り、困惑の表情を浮かべている。
ピッケル:革命軍の皆様方、しばし戦いをやめていただきたい。王宮からの伝令を伝えるため、財務大臣ピッケルが参った。指導者の方々のもとに案内していただけないだろうか。
フラヌス王国の財務大臣ピッケル。その名は平民の間でも有名であった。自身の利権しか考えぬ大臣が多い中で珍しく公平な判断力を持った人物であり、平民の利益にも配慮がある人物だと評価されていた。その人物が自ら出てきたのである。にわかに革命軍は沸き立つ。
革命軍幹部:おお、あなたがかの高名なピッケル様でしょうか。まさかわざわざ出てきてくださるとは、是非ともご案内いたしましょう。
まずは第一段階は突破した。しかし、問題はここからである。もし革命軍指導者の機嫌をそこねれば、その場で〇されてしまうだろう。
ピッケル:(...この後が正念場か...)
ピッケルは革命軍幹部の後をついて歩いていく。しかし、不思議と緊張感はなかった。
革命軍幹部:さあ、着きましたよピッケル様。この方々がわれら革命軍の指導者の方々です。
ピッケルが案内されたその先で見たものは......
ピエール:えへへ、みんな、なかよし。なかなおりっ。
カートン:うれしいでちゅねぇ~ピエール君♡。ほら、ミラブーのおじちゃんもギューしてくれてまちゅよぉ~。
ミラブー:どうして俺がこんな事をしなくちゃならんのだ...はやく正気に戻ってくれピエール...。
成人男性3人が熱く抱き合う姿であった。
ピッケル:あ、あの皆さんは何をなさっているのでしょうか。
ミラブー:い、いやぁあああああああああ。俺を見ないでくれぇえええええええええ。
マリー:(...やりましたわねピッケル、もう何も心配はないようね...。いや何で革命軍の方は野郎どもが抱き合ってんのかしら。)
何とか危機は脱出できたのか?次回に続く。




