表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

あつまれ!さんれんじゃあ

みんなのしあわせをまもるため、がんばれせいぎのサンレンジャー(さんれんじゃあ)!

あくのクラインジャー(くらいんじゃあ)にはまけないぞ!

 はるとくんはみんなとおなじくらいのとしのげんきなおとこのこ。

 ある、はるとくんがかえりみちをあるいていると、

めのまえにふしぎなひかりがひろがりました。

 「うわ、まぶしい!」

 とてもまぶしいひかりのなかから

 とてもかわいいおひめさまがあらわれました。

 ひめも、みんなとおないどしくらいかな。

「わたしはおはなのくにののばらひめ。いま、

くらやみ戦隊せんたいクラインジャー(くらいんじゃあ)が

みんなのしあわせと平和へいわをこわそうとねらっています。

 そこでわたしは、でんせつのヒーロー、ひまわりのせんしをさがすためにきました。」

「ひまわりのせんし?」

「はい。ひまわりのせんしはクラインジャー(くらいんじゃあ)にもまけない、

おひさまのちからをもつせんしです。

 きっとこのあたりにいるはずなのですが。あなたも、さがすのをてつだってくれませんか。」

「いいけど、なにかてがかりはあるの?」

「ひまわりのせんしは、おはながすきなとてもやさしい少年しょうねんです。」

 それをいてはるとくんは、ぴんときました。

「それならきっと、なつきくんだね!」

「こころあたりがあるのですか?」

「うん!なつきくんはぼくのともだちだよ。

 ぼくは、なつきくんのともだちのはると。

 なつきくんはいまならきっと花壇かだんのおせわをしているころだよ!

 いっしょにいこう!」

 そのときです。

「まてえ!」

 うしろからさけびごえがして、はるとくんたちはふりむきました。

 するとそこに

からだじゅうまっくろなふくとヘルメット(へるめっと)のひとたちが、

たくさんあらわれました。 

「われわれはくらやみ戦隊せんたいクラインジャー(くらいんじゃあ)。

 のばらひめ、さてはひまわりの戦士せんしをさがしだすつもりだな!?

 そうはいかんぞ!」

 たいへんです。のばらひめとはるとくんたちは、

ひまわりの戦士せんしかもしれないなつきくんをつけるまえに、

クラインジャー(くらいんじゃあ)につかってしまったのです。

「こうなったら。はるとくん。ここはわたしがたたかいますから、

いそいでなつきくんにこのメダル(めだる)をわたしてくだい。」

のばらひめは、ひまわりのがかかれたメダル(めだる)を

はるとくんにわたしました。

「たたかうって、どうするの?」

「わたしには、このばらのメダルがあります。見ててくださいね。」

 ひめは、じぶんのメダルをたかくもちあげて、さけびました。

「へんしん!サン(さん)・のばら!」

 のばらひめはあっというまに

しろとピンク(ぴんく)のヘルメット(へるめっと)と

ふくをきた戦士せんし、サン・のばらになりました。

「うわ、かっこいい!」

 サン・のばらはもうひとつメダル(めだる)をしました。

「これは、はるとくんのぶんのメダル(めだる)。これを、わたしのようにして

サン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ)!とさけんでみてください。」

 はるとくんは、メダル(めだる)をうけとりました。メダル(めだる)には、

げんきなチューリップ(ちゅーりっぷ) のかれています。

「わかった!ぼく、やってみるよ!」

 はるとくんは、さっきののばら姫とおなじように

メダル(めだる)をたかくもちあげて、

さけびました。

「へんしん!サン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ!)」

 はるとくんのからだにふしぎなちからがわいてきて、

あっというまにあか戦士せんしサン・チューリップにへんしんしました。

「はるとくん、メダル(めだる)をなつきくんにとどけて!」

「うん!でものばらひめはだいじょうぶなの?」

「わたしは、がんばります!」

 そのこたえをきいたはるとくん、つまりサン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ)は

サン(さん)・のばらのをつかんでひっぱりました。

「いっしょにいこう!」

 ふたりはいそいでなつきくんのいる花壇かだんにむかってはしりだしました。

「おのれ、まてえええ!」

 ふたりのへんしんにびっくりしていたクラインジャー(くらいんじゃあ)は、

いっせいにおいかけはじめました。

(うわ、すごいはやさだ!)

 サン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ)にへんしんしたはるとくんは、

じぶんたちのあしのはやさにびっくりしました。

いえもでんちゅうも、まわりのけしきがどんどんうしろにふっとんでゆきます。

「まてえええ!!」

 クラインジャー(くらいんじゃあ)もなかなかのはやさでおいかけますが、

ふたりにおいつくことはできません。

「のばらひめは、だいじょうぶ?」

 あんまりはやくはしれるので、はるとくんはしんぱいになって

ひめにそういてみました。

「へいきです、だってわたしもいまはサン(さん)・のばらなんですから!」

 ふたりはクラインジャー(くらいんじゃあ)たちをひきはなして、あっというまに

なつきくんのいる花壇かだんにつきました。

「いた!のばら姫、あれがなつきくんだよ!」

 なつきくんはちょうど花壇かだんのおはなに

じょうろでおみずをあげているところでした。

「あのこが、でんせつのひまわりの戦士せんしなのですね!」

 なつきくんは、かっこいいヘルメット(へるめっと)とふくのふたりの戦士せんし

きゅうにやってきて、びっくりしています。

「うわあ、なんだい、きみたちは。」

「なつきくん、ぼくだよ、はるとだよ。きみも、ぼくたちとたたかって!」

「なつきくん、わたしはおはなのくにの、のばらひめ

 あなたにあうためにきました。」

「は、はるとくん?それにおひめさま?やだよ、たたかうなんて、こわいよう!」

 やさしいなつきくんは、たたかいなんていやなのです。

「なつきくん、ゆうきをだして。ぼくだってこわいのはいやだけど、

いませかいをまもれるのはきみだけなんだ。だから、ぼくたちといっしょに、

みんなのしあわせをまもって!」

「みんなのしあわせを?」

 なつきくんのめに、ひかりがわきました。そのときです。

「ふはははは、ついにおいついたぞ!」

おおぜいのクラインジャー(くらいんじゃあ)たちが、3にんのまえにあらわれました。

 なんだかさっきよりもっとおおぜいにふえてるみたい。

「なつきくん、これがきみのひまわりのメダル(めだる)だよ。」

 サン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ)になったはるとくんが

なつきくんにメダル(めだる)をわたしました。

「へんしんしたくなったら、このメダル(めだる)をたかくもちあげて、

サン(さん)・ひまわり!とさけぶんだよ。」

「へんしん…。」

「きみだけにこわいおもいはさせない。ていて。」

 あかいヒーローのサン・チューリップは、

おおぜいのクラインジャー(くらいんじゃあ)のまえにいさましくたちました。

「のばらひめは、なつきくんがへんしんするまでまもってあげて。」

「わかりました。はるとくん、きをつけてね。」

 はるとくんは、のばらひめにちからづよくうなずきました。

「わるものめ、おまえたちなんかにまけないぞ。」

「ふははは、なまいきなこぞうめ、ひとひねりにしてやる。みんな、かかれ!」

 サン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ)とおおぜいのクラインジャー(くらいんじゃあ)たちは

おたがいにはしりだして、1たいおおぜいのだいけっせんがはじまりました。

「サン・パンチ(さん・ぱんち)!サン・キック(さん・きっく)!」

 サン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ)がわざをくりだすたびに、

なんにんものクラインジャー(くらいんじゃあ)たちがふっとんでゆきます。

「うひゃあ、つよいぞ。」

 しかし、えらそうなやつがなかまたちにこえをかけました。

「へこたれるな、おれたちをほんとうにたおせるのはひまわりのせんしだけだ!」

 たしかに、いくらたたかってもきりがないので、

いくらつよいサン・チューリップ(さん・ちゅーりっぷ)でも

あっというまにへとへとです。

「なつきくん、どうかゆうきをだして。

このままでは、はるとくんもいつかやられてしまいます。」

 のばら姫のおねがいに、やさしいなつきくんもこころめました。

「わかったよ、ていて。」

 なつきくんはひまわりのメダル(めだる)をたかくもちあげて、さけびました。

「へんしん!サン(さん)・ひまわり!!」

 まぶしいひかりがあふれて、みんながおもわずをつむり、

もういちどをあけると。

 なつきくんは、金色きんいろにかがやくヘルメット(へるめっと)とふくをきた、

でんせつの戦士せんしサン(さん)・ひまわりになっていました。

「ついにあらわれたな、でんせつのひまわりの戦士せんしめ!!

みんな、まだうまれたてのいまのうちにみんなでたおしてしまえ!!」

 えらそうなやつがなかまたちにめいれいすると、

おおぜいのクラインジャー(くらいんじゃあ)が

こんどはサン(さん)・ひまわりとなったなつきくんにおそいかかりました。

 なつきくんはうでをばってんにんで、それをいきおいよくひろげると

あたたかい、つよいかぜがふいて、ちかくのクラインジャー(くらいんじゃあ)たちは

ふきとばされてしまいました。

「うわあああ!!」

 それをみたはるとくんものばら姫もかんしんするばかりです。

「さすが、伝説でんせつのヒーロー(ひーろー)だ!すごいぞなつきくん!」

「ついにヒーローをみつけました!これでもうだいじょうぶ」

 サン・ひまわりのなつきくんが、そんなふたりにこえをかけます。

「はるとくん、のばら姫、いっしょに!」

「うん!ぼくはゆうきのせんし、サン・チューリップ(さんちゅーりっぷ)!」

「わたしは、あいのせんし、サン・のばら!」

「そしてぼくは、おひさまのせんし、サン・ひまわり!」

 3にんは、こえをそろえてさけびました。

「おひさま戦隊せんたい、サンレンジャー(さんれんじゃあ)!!」

「おのれええええ~!!」

 クラインジャー(くらいんじゃあ)たちがくやしそうです。

「ようし、こっちもまけずにのるぞ!おれはクラインジャー・ぶらっく!」

「おれは、クラインジャー・しゃどー!」

「おれはクラインジャー・だーく!」

 おおぜいのクラインジャーたちが、ひとりずつのります。

 でも、おおぜいなので、なかなかおわりません。

 あたりはもうすっかりゆうやけのあかいおそらです。

 ここで、サン・のばらがふたりに、クラインジャー(くらいんじゃあ)の

おそろしいひみつをはなしました。

「くらやみ戦隊せんたいクラインジャー(くらいんじゃあ)は、

よるになるとつよさがまして、もっとつよくてごわくなるのです。」

 それをきいてふたりもきがつきました。

「そうか、このままじかんかせぎをして、よるになるまでねばるつもりだな!」

「そうはさせるか!おい、クラインジャーたち!もうまってあげられないぞ!」

 ふたりはクラインジャー(くらいんじゃあ)たちにそうしらせました。

「ふふふ、われわれは200にんくらいいるのだ、

このままのりおわるまでまて!」

 ふたりとも、そうしてあげたいのはやまやまでしたが、

みんなのしあわせと平和へいわのほうがだいじです。

「そうしてあげたいけど、もう時間じかんぎれだ!」 

 3にんは決意けついをかためて、ひっさつわざのたいせいにならびました。

 からだのまえでうでをばってんにんでちからをためます。

「うむむむむ…」

 3にんのからだにエネルギー(えねるぎー)がたまって、じゅんびがととのいました。

 いきをあわせて、ばってんにんでいたりょううでをひろげ、さけびます。

「サンレンジャー・ビーム(さんれんじゃー・びーむ)!!!」

 今まででいちばんまぶしい(ひかり)がはっしゃされて、

まわりはまひるのようにあかるくなりました。

「ぐわ、これはたまらん!!」

 おおぜいのクラインジャーたちは、ほうほうのていで、

ひとりのこらずにげてゆきました。

「おのれサンレンジャー(さんれんじゃー)!きょうのところはここまでだが、

このつぎはみんなのしあわせをうばってやるからなあ!」

 とてもゆるせないまけおしみのことばが、さいごにのこされました。

「ふう、ったぞ。」

 3にんがヘルメットをぬぐと、サンレンジャー(さんれんじゃあ)のすがたではなくなって

いつものふくにもどりました。 3にんのにはメダルがあります。

「ふたりとも、ゆうきをだしてたたかってくれて、ほんとうにありがとう。」

 のばら姫がふたりのゆうきをたたえ、おれいをいいました。

「ぼくたちこそ。のばら姫は、ぼくたちをたすけにきてくれたんだよね。」

「はい。クラインジャー(くらいんじゃあ)は、みなさんからも、おはなのくにからも、

しあわせをうばってしまおうとたくらんでいます。

 きっとまたあらわれてきますが、そのときはまた

ゆうきをだしてたちむかってくれますか?」

「もちろんだよ!のばら姫も、どうかよろしくね。」

「はい!」

 そして3にんは、それぞれのおうちにかえりました。

「またね。」

 こうして、サンレンジャー(さんれんじゃあ)のたたかいがはじまりました。 

 みんなのしあわせと平和へいわをまもるため、がんばれ!まけるな!

おひさま戦隊せんたいサンレンジャー(さん・れんじゃあ)!!!

じかいのおはなしは!

はるとくんとなつきくんのくみに、あたらしいおともだちが!

「はじめまして。のばらです。」 

次回「しゅつどう!サンレンジャーロボ!」を、おたのしみに!


ーおとなのみなさまへー

 これは、「もしも51番目のスーパー戦隊が、自由に企画できるとしたら」という、

ある種の提案書です。

 いっぺん、とことんシンプルに、そして子どもたちの等身大まで

てらいなくぐーんと近づいてみるのもいいんじゃないかな。という発想です。

 子どもたち、というのは、本当に小さい子たちで、要は戦隊版あんぱんまんといったところ。

 今の50番目の戦隊が戦いを終えて、いつか再び新たなスーパー戦隊が現れるとき

 そのあいだや、それと並行したどこかの時間のどこかの町角や公園で

 勇気あるちいさな戦士たちが、この世界の平和を守っているのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ