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第20話 まぁこいつに同類認定されないなら、ましろはロリでいいな!

「旦那さまはわしのことロリだと思うじゃろう!? ちゃんとロリ爆乳じゃと!」


「そりゃ、まぁ――童顔で小柄だったらロリ判定じゃねぇの? とは俺も思ってるけど」


 若干ましろの勢いに気圧されつつ、


「実際、ロリ爆乳だって認識ではあるぞ、俺は……」


「ハァ!? それはつまり自分がロリコンだって認めるってこと!?」


「いやそういう話になんのコレ!?」


 でも確かに――ましろを立派なロリ爆乳だと宣言する、イコール自分はロリコンですよと公言する……なのでは?


〔さすがに認めるのはまずい、まずいよな?〕


 俺の理性がそう判断を下しかけたところで――


「冷静になって鏑木くん! 鏑木くんはロリコンじゃない! なぜなら! ましろちゃんはロリじゃないから! 必然的に鏑木くんもロリコンではなくなるの! さぁ、私を見習って、ちゃんとしたロリショタの定義を――」


「まぁこいつに同類認定されないなら、ましろはロリでいいな」


「鏑木くん!?」


 ロリコンかどうかはともかく、ましろをロリだと思っているのは事実なのだ。


「だ、旦那さまー! さすがじゃ旦那さま! わしは旦那さまにとってのロリ爆乳! それでいいんじゃ! それだけで満足なんじゃー!」


 ましろは感動の面持ちで抱きついてくる――うおぉぉぉやわらけぇ! あったけぇ! と思いつつ……コレそんな話かな? と俺の心が冷静に語りかけてくる!


 でもまぁ、ましろが喜んでるし、別にいいんじゃないか?


「つーか本当に委員長はロリのなんなんだよ……。ロリっつーか、ロリショタ専門家?」


「専門家というほどではないかしら。ただ、他人より少し詳しいだけで――」


 委員長は乱れた髪を直すように髪をかきあげた。


「『少し詳しい』レベルの人間が言っていいセリフじゃなかっただろ……。どう見てもヤバい人だったよ。人によってはその場でおまわりさん呼んでるよ」


「そんな、なぜ!?」


 本気で驚いている様子だった。嘘だろ、こいつ……。


「というかさ、翔太ってまだ小学生だぞ? 十年後、委員長の言うショタ体型とは似ても似つかない身長一九〇オーバーのヘビー級ボクサーみたいな体つきになってたらどうするんだよ?」


 ふぅ、と委員長は実に嘆かわしそうにため息をつき、首を横に振る。


「鏑木くん……十年も経てば、人間関係もそれなりに変化しているものよ? それに恋愛感情は、一般的に三年から四年程度しか続かないと――」


「いやなに堂々と『自分好みに成長しなかったら捨てます』宣言してんだよ!? 完全にクズの発言なんだがそれ!? 大事な弟子をそんなふざけた女と一緒にできるわけねーだろ!? おい、翔太! この女は絶対にダメだぞ!」


 しかし翔太は意に反して、


「んー、僕はむしろありかなって思いましたけど」


「いや嘘だろ!? だってこいつ――!」


 俺が委員長を指差すと、翔太は苦笑いを浮かべた。


「だからこそ、ですよ。一般にハーレムを作ろうなんて非難されるでしょうけど、こういう人なら粗雑な扱いをしても良心がとがめないかなって」


「なるほど。そういう考え方もあるのか」


 俺は思わずうなずいた。


「まぁ名前的にはぴったりだしな。結婚したら尾根(おね)翔太(しょうた)になるわけだし……」


「鏑木くんたちも十分ひどい発言してるんだけど!? というかなんで私の家に婿入りする前提なの!? イヤなんだけど夫の名前が尾根翔太って! 普通に私が赤崎葵になればいいでしょ!?」


「娘の名前は(ゆかり)ちゃんかのう?」


「息子の場合はどうするんだ?」


紫郎(しろう)くんとか……女の子の場合、紫苑(しおん)ちゃんとかのほうが今どきっぽいかのう?」


「なんでふたりが私の子供の名前決めてるの!?」


 委員長から抗議の声が上がった。俺は苦笑いで鼻を鳴らす。


「まぁ確かに委員長好みの男に育つかわからないし、正直子供の名前とか早計もいいところだよな」


「そういう意味じゃなくてぇ! いやでもわかんないじゃん、そもそも! もしかしたら合法ショタに成長するかもしれないでしょうが!」


 一応、と翔太が口をはさんだ。


「父親のことは覚えてませんけど、母親は小柄で、母方の親類もみんな小柄ですから、背はあんまり伸びそうにないですね」


 翔太は微苦笑をこぼす。


「それに不老長生の術には若返りの術だって含まれるわけですし、なんだったら今くらいの体をずっと維持し続けるという選択肢も――」


「え!? それって永遠の十歳児ってこと!?」


 委員長は爆速で食いついた。


「僕は十二歳ですけど……そうですね。練習して身につければ、いずれは体を若返らせて、子供の体のまま生きるというふうにもできますけど」


「素晴らしい、翔太くん。あなたは人類の至宝だわ」


 いきなりなんかわけわかんないこと言ってる……。


「そういうことなら、私も翔太くんがハーレムを作るのに協力しようじゃないの」


「急な心変わりが普通に怖ぇんだけど!?」


 マジでなんなんだよ、こいつ。俺の弟子に何をするつもりなんだ……?


「そんな怖い顔をしないで、鏑木くん。私はね……ただ、素晴らしい宝を独り占めするのはよくない――公共の利益のため、あえて自分自身の欲望を抑えようという私の崇高な志に敬意を表してもらいたいわけよ」


 いやマジで何いってんのこの人?


「いい、鏑木くん? 合法ショタはね……厳密にはショタじゃないの。なぜなら、ショタとは子供のことだから。合法な時点で、見た目がショタなだけで肉体的には子供ではない。立派な成人、ここまでいい?」


「この話、俺ら聞かないとダメか?」


「けどね……翔太くんは違う! 肉体を子供のままにできるということは!」


 ダメだー、こいつ全然聞いてねー……。


「それは本物のショタということよ! 合法ショタのように見た目を誤魔化しているだけじゃない! 肉体をショタのままに! 年齢は合法に! つまり、本来なら絶対にあり得ないはずの理想を体現することが可能、ということ! そんな素晴らしい人類の至宝を……! 私一人が独占するのははたして正しいことなの……? いいえ、断じて否だわ! 大切なものはみんなでシェアすべき……それが私の結論なわけ!」


「ああ、うん、なるほど……」


「え!? 旦那さま……!? わしは今の発言、微塵も理解できなかったのじゃが!?」


「いや変態の思考は常人にはわからないってことがわかっただけだ」


 なるほど! と、ましろはポンと手を叩いた。


「それならわしにもわかるのじゃ!」


「ちょっとふたりともひどくない!?」


「いや、っていうかさ……そもそもなんで翔太をそんなに気に入ったのかも謎なんだが。何が委員長の琴線に触れたんだよ」


「まぁどっかの誰かと違って、私のこと助けてくれたしね。っていうかどっかの誰かさんのせいで地味に死にかけたからね、私」


 俺を見ながらめっちゃ言うのだった。すごい根に持たれてる!


「い、いやマジでヤバそうならちゃんと――というか助けに入ったじゃん! 委員長に関しては五体満足で帰還してるだろ!?」


「そうですよ。ある意味、安全なショーみたいなものだったんですから、そこまで怒ることはないと思います」


 翔太が俺をかばってくれた。


「それ翔太くんが言うの!? もっと早くに鏑木くんが来てくれてたら……!」


「少なくとも踏みつけ喰らった時点で、ちゃんと守ってもらいましたし」


 でなきゃアレで死んでましたねたぶん、と翔太が言う。サラマンダーが目を丸くする。


「え? そうだったのですか? わたしはてっきり……」


「神さまはこっそり障壁で僕をガードしてくれてたんだよ。だから頭の傷は大したことなかったし、気を失ったのは安心感でこう……緊張の糸が途切れちゃって」


 翔太は少しばかり気恥ずかしそうに、


「意識、手放しちゃったんだよね……。もう大丈夫って思ったら、うっかり」


「なんだ、そうだったのですか。わたしはショータさんが致命傷を負ったのかと……」


「心配させてごめんね」


 と、翔太は微笑んだ。


「いえ、わたしのほうこそ、もっと冷静に戦況をみきわめるべきでした。おたがい、ちゃんと反省しないといけません、ね?」


 と、サラマンダーも微笑む。


「なんか、このふたりに私が入り込む余地、なくない?」


「逆になぜ変態が入り込めると思ったのか……?」


「いや夢見たっていいじゃん!? 恰好いい男の子にさっそうと助けられて、恋に落ちるとか女の子なら期待してもいいじゃん! ねぇ、ましろちゃん!?」


「それはわかるのじゃ」


 ましろはうなずく。


「わしも旦那さまに助けられたのがきっかけだったからのう。ああいうのは本当に運命の出会い感があってすごいのじゃ!」


「あ、ましろちゃんもそうなんだ――」


 そこまで言ったところで、委員長がいぶかしげに訊く。


「っていうかさ、そもそもどういう出会いだったの? ましろちゃんも私みたいにハメられたってこと? それ鏑木くんに騙されてない?」


「俺のイメージがひどすぎないか!? そんなことしてないから!」


「むぅ? なんじゃなんじゃ? 気になるのか? 気になるのかのう?」


 めちゃくちゃワクワクした口調でましろが言った。


「気になるのは事実だし、ましろちゃんもものすごく語りたそうだから聞くね」


「うむ! 仕方ないのじゃ! そこまで言われては語らざるを得まい! あれは今から――」


 と言って、ましろは俺との出会いを語り始めた。

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