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輪廻のクロノス〜記憶を継ぐ転生者〜  作者: 夏目颯真


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第2章 王宮の陰謀と魔導院 第3話「時の賢者の転生者」

「時道君は、クロノスの転生者かもしれない」

オルガの言葉が、部屋の空気を一変させた。


「転生者…?」

自分の口から漏れた言葉が、まるで他人のもののように聞こえる。頭の中で様々な記憶が交錯した。あの白い空間。クロノアという少女。そして「時間に関するスキルには、特別な意味がある」という言葉。

全てが繋がり始めていた。

「オルガ先生、それはどういう…」


リーシャが震える声で尋ねたが、オルガは手を上げて彼女を制した。

「詳しい説明は後だ。まずは、時道君の能力を目覚めさせる必要がある」


オルガは魔法陣の外に出るよう俺に指示した。魔法陣から出ると、体が急に重くなったような感覚がある。あの魔法陣の中では、何か特別な力が働いていたのだろうか。

「時道君、昨夜渡した本は読んだかね?」


「はい、少しだけ」


「よろしい。では、基本的な時空魔法を試してみよう」

オルガは小さな水晶球を取り出し、テーブルの上に置いた。

「これは『時の結晶』と呼ばれるもの。時空系の魔力に反応する特殊な水晶だ」


水晶球は透明で、中に微かな光が揺らめいている。

「手をかざして、『時よ、流れよ』と唱えてみなさい」


指示に従い、水晶球に手をかざす。

「時よ、流れよ」


最初は何も起こらなかったが、数秒後、水晶球が淡い青い光を放ち始めた。その光は徐々に強くなり、やがて部屋全体を青白い光で満たした。

「素晴らしい!」


オルガが歓声を上げた。リーシャとガルドも驚いた表情で見つめている。

「これは…私がやったんですか?」


「そうだ。時の結晶は、時空系の才能がなければ反応しない。しかも、初心者がこれほど強い反応を引き出すのは極めて珍しい」

水晶球の光が徐々に弱まり、やがて元の状態に戻った。

「次は少し難しい魔法を試してみよう。『クロノ・アクセル(時間認識拡大)』という魔法だ。時間認識を強化するのではなく、拡大する魔法だ。時間認識強化スキルを持つ時道君ならば、素質はあるだろう」


オルガは再び指示を出した。

「目を閉じて、周囲の時間の流れを感じなさい。そして『クロノ・アクセル』と唱えるんだ」


目を閉じ、集中する。これまでにも感じていた時間の流れ。それを意識的に捉えようとする。

「クロノ・アクセル(時間認識拡大)」


言葉を唱えた瞬間、不思議な感覚に包まれた。まるで世界の時間が緩やかになったかのように感じる。目を開けると、オルガの動きがわずかに遅く見える。リーシャの瞬きも、通常よりゆっくりと。

「成功したようだね」

オルガの声も少し低く聞こえる。


「これは…時間が遅くなっているんですか?」


「いいや、君の認識が速くなっているんだ。通常の人間の数倍の速さで情報を処理している状態だ。」


数秒後、その感覚は消え、世界は通常の速度に戻った。少し疲れを感じる。


「素晴らしい適性だ。通常、この魔法を習得するには数週間の訓練が必要なのに」

オルガは興奮した様子で言った。


「これが時の賢者の血を受け継いでいる証拠ですか?」

リーシャが尋ねた。


「ええ、間違いないでしょう」

オルガは深く頷いた。


「時道君、君はクロノスの転生者である可能性が非常に高い。君の魔力の波形、能力の適性、そして予知能力。全てが伝説の時の賢者と一致している」


その言葉に、胸の奥で何かが共鳴するのを感じた。まるで長い間忘れていた記憶が、少しずつ目覚めようとしているかのように。

「でも、なぜ私が…」


「それはまだわからない。しかし、千年に一度の『時の封印』が弱まる今年、君が現れたのは偶然ではないだろう」

ガルドが口を開いた。


「オルガ院長、もし彼が本当に時の賢者の転生者なら、闇の使徒たちの標的になるのでは?」


「その通りだ。だからこそ、彼の能力を早急に目覚めさせる必要がある」

オルガは俺に向き直った。


「時道君、これからの訓練は厳しいものになる。君の中に眠る力を引き出し、制御できるようにしなければならない。それには時間と忍耐が必要だ」


「わかりました」

覚悟を決めて答えた。この世界で生き抜くため、そしてリーシャを守るためには、自分の能力を最大限に引き出す必要がある。


「私も一緒に訓練します!」

リーシャが前に出た。

「私も時の賢者の血を引いているなら、力になれるはずです」


オルガは微笑んだ。

「その通りだ。二人で訓練すれば、より効果的だろう」


ガルドも頷いた。

「俺も護衛として付き添う。万が一の事態に備えて」


こうして、魔導院での特別訓練が始まることになった。


---


訓練は予想以上に厳しいものだった。


最初の一週間は基礎的な時空魔法の理論と実践。時間の流れを感じ取る訓練、過去の一瞬を「再生」する魔法、未来の可能性を「閲覧」する技術。どれも高度な集中力と精神力を要求される。


「時の流れを感じろ。それに身を委ねるのではなく、観察者として捉えるんだ」


オルガの指導の下、日々訓練を重ねた。リーシャも一緒に訓練を受けているが、彼女の才能は「精神系」に特化しているため、アプローチが少し異なる。


「リーシャ様は『感知』と『予知』の才能が高い。時空系と組み合わせれば、強力な能力になるだろう」


二週間目に入ると、より実践的な訓練が始まった。


「今日は『クロノ・フリーズ(時間停止)』という魔法の基礎を学ぶ」


オルガが説明する。

「完全な時間停止は高度な魔法だが、極めて短時間なら初心者でも可能だ」


特殊な魔法陣の中で、一秒未満の「時間停止」を試みる。最初は全く成功しなかったが、三日目にして、ようやく0.1秒ほどの停止に成功した。

「よくやった!これは大きな進歩だ」

オルガは満足そうに頷いた。

訓練の合間には、オルガから「時の賢者」についての詳しい話を聞いた。

「クロノスは千年前、この世界に現れた伝説の魔導士だ。彼の出自は謎に包まれているが、時空を自在に操る力を持ち、当時世界を脅かしていた『闇の王』と戦った」


「闇の王とは何者だったのですか?」


「それもまた謎だ。伝説によれば、闇の王は『時間の破壊者』とも呼ばれ、世界の時間軸を歪めようとしていたという」


「時間軸を歪める?」


「そう。過去と未来を混ぜ合わせ、世界を混沌に陥れようとしていたのだ」

オルガは古い書物を開いた。そこには、黒いローブを着た人物と、金色の光に包まれた人物が対峙する絵が描かれていた。

「クロノスは闇の王との最終決戦で、自らの命を犠牲にして『時の封印』を作り出した。闇の王を時間の狭間に閉じ込めたのだ」


「しかし、その封印は千年で弱まる…」


「その通り。そして、その千年が今年で満ちる」


リーシャが不安そうに尋ねた。

「もし封印が解かれたら、闇の王は復活するのですか?」


「可能性はある。だからこそ、時の賢者の血を引く者たちが重要なのだ。封印を強化することができるのは、彼らだけなのだから」


三週間目に入ると、俺の能力は飛躍的に向上した。「時間認識強化」のスキルレベルも1から3へと上昇。これにより、より長時間の未来予測が可能になった。

「素晴らしい進歩だ」

オルガは驚いた様子だ。

「通常、スキルレベルが上がるには数ヶ月、時には数年かかるのに」


「それだけ適性があるということですか?」


「ええ、そして…」

オルガは少し言葉を選ぶように間を置いた。

「君の中に眠る記憶が、少しずつ目覚めているのかもしれない」


「記憶…クロノスの?」


「そう。転生者は前世の記憶を持たないことが多いが、特定の条件下では思い出すことがある」


その言葉に、最近見る奇妙な夢を思い出した。見知らぬ場所、見知らぬ人々。そして、どこか懐かしい感覚。

「実は、最近変な夢を見るんです」


「どんな夢だい?」


「高い塔の上から世界を見下ろしている夢。周りには見知らぬ人々がいて、でも不思議と懐かしく感じるんです」


オルガの目が輝いた。

「それは恐らく『時の塔』の夢だ!クロノスが作ったとされる伝説の塔だよ」


「実在するのですか?」


「伝説では、時の塔は『時間の狭間』にあるとされている。通常の空間には存在しないが、特定の条件下でアクセスできるという」


リーシャも興味深そうに聞いていた。

「私も夢で塔を見たことがあります。高くて、螺旋状の階段があって…」


「君も見たのか?」


オルガは驚いた様子で尋ねた。

「はい、でもはっきりとは覚えていません」


「これは重要な手がかりだ。二人とも同じ場所の夢を見るということは…」

その時、魔導院の警報が鳴り響いた。

「侵入者だ!」

ガルドが即座に剣を抜いた。

「オルガ院長、二人を安全な場所へ!」


オルガは素早く行動した。

「こちらだ!」


三人は魔導院の奥へと急いだ。廊下を走りながら、窓の外を見ると、黒いローブを着た集団が魔導院に向かって進んでいるのが見えた。


「闇の使徒だ!」

ガルドが叫んだ。


「なぜ今…」

オルガは焦りの色を隠せない。

「時道君の能力が目覚め始めたことを感知したのかもしれない」


一行は魔導院の地下へと続く階段を駆け下りた。そこには特別な防御魔法が施された部屋があった。


「ここなら安全だ」

オルガが扉を開け、中に入った。部屋の中央には大きな魔法陣が描かれ、壁には様々な魔法の道具が並んでいる。

「ガルド、上の様子を見てきてくれ」


「わかった」

ガルドは一度頷き、部屋を出て行った。


「二人とも、ここで待機するんだ。私は防御魔法を強化する」

オルガは魔法陣の前に立ち、呪文を唱え始めた。リーシャは不安そうに俺の袖を掴んだ。


「大丈夫ですか?」


「ええ、きっと」

そう答えたものの、心の中は不安でいっぱいだった。訓練は始まったばかりで、まだ自分の力を十分に制御できない。もし闇の使徒と戦うことになったら…


その時、頭の中で何かが閃いた。

「リーシャ、予知能力を使えますか?」


「え?」


「今、この状況がどうなるか、見えませんか?」


リーシャは少し考え、目を閉じた。

「試してみます」


彼女は深く呼吸し、集中した。数秒後、彼女の体が微かに光り始めた。

「見えます…闇の使徒たちが魔導院に侵入して…でも、彼らの目的は…」


突然、リーシャの表情が変わった。

「私たちじゃない!彼らは何か別のものを探している!」


「別のもの?」


「『時の鍵』…そう呼んでいます」

オルガが振り返った。


「時の鍵?それは…」


その言葉が終わる前に、大きな爆発音が聞こえた。魔導院が揺れる。

「上で何かが起きている!」

オルガは魔法陣から離れ、扉に向かった。

「二人はここに残れ。絶対に出てはいけない」

そう言って、オルガは部屋を出て行った。

残された俺とリーシャは、不安な表情で見つめ合った。

「時の鍵って何でしょう?」


「わからない。でも、闇の使徒がそれを求めているなら、重要なものに違いない」

部屋の中は静かだが、上階からは時折、戦闘の音が聞こえてくる。

「このまま待っているべきでしょうか?」


リーシャの問いに、俺は迷った。オルガの指示に従うべきか、それとも上に行って状況を確認すべきか。


慎重に考えた末、俺は決断した。

「ここにいましょう。オルガ院長とガルドさんを信じるべきです」


リーシャは頷いた。

「そうですね。でも…」

彼女の言葉が途切れたとき、部屋の温度が急に下がった。壁に取り付けられたランプの炎が揺れ、やがて青白い色に変わった。


「何が…」

部屋の中央にある魔法陣が、突然輝き始めた。青白い光が渦を巻き、空間が歪むように見える。

「リーシャ、下がって!」


俺は彼女を後ろに引いた。魔法陣の光はますます強くなり、やがてその中心から人影が現れ始めた。

最初は輪郭だけだったが、徐々に実体化していく。白いローブを着た少女の姿。銀色の長い髪と、不思議な紫色の瞳。

「あなたは…」

思わず声が漏れた。あの少女は、転生の際に出会ったクロノアだ。


「久しぶりね、時道」

クロノアは微笑んだ。

「あなたを見つけるのに苦労したわ」


「どうして…ここに?」


「時間がないの。闇の使徒たちが『時の鍵』を探しているでしょう?」


「あなたは知っているんですか?」

クロノアは頷いた。

「時の鍵は、時の塔への入り口を開くための道具よ」

クロノアは続けた。彼女の声は穏やかだが、その目には切迫感が宿っていた。


「時の塔?」


「時間の狭間に存在する場所。クロノス…つまり時の賢者が作り出した塔よ。そこには時間を操る力の秘密が眠っている」


リーシャも驚いた様子で前に出た。

「すみません、あなたは…一体何者ですか?」


クロノアはリーシャを見て微笑んだ。

「私はクロノア。時の守護者の末裔よ。リーシャ・フローレンス、あなたも時の賢者の血を引いているわね」


「私も?」


「そう。だからこそ、闇の使徒はあなたを狙っている」

クロノアの言葉に、部屋の温度がさらに下がったように感じた。上階からの戦闘音はますます激しくなっている。

「闇の使徒が魔導院を襲撃したのは、時の鍵を奪うためなの」

クロノアは小さな金色の鍵を取り出した。それは普通の鍵というよりは、複雑な模様が刻まれた装飾品のようだった。

「この鍵は、時の塔への入り口を開く。彼らはこれを使って、時の封印を解こうとしている」


「時の封印?」


「闇の王を閉じ込めている封印よ。千年前、クロノスが自らの命と引き換えに作り出したもの」


その言葉に、何かが頭の奥で共鳴するのを感じた。まるで忘れていた記憶が呼び覚まされるかのように。

「私たちはここにいられないわ。闇の使徒たちはすぐに気づくから」

クロノアは魔法陣の中心に立った。


「二人とも、こちらへ」


リーシャと俺は躊躇いながらも魔法陣の中に入った。

「どこへ行くの?」

リーシャが不安そうに尋ねた。


「安全な場所よ。そこで詳しく説明するわ」

クロノアが何か呪文を唱えると、魔法陣が再び輝き始めた。青白い光が三人を包み込み、部屋の景色が歪み始める。


「時の流れに身を委ねて」

クロノアの声が遠くから聞こえてくるように感じた。そして、世界が光に溶けていった。


---


目を開けると、そこは見たことのない場所だった。


広大な円形の部屋。壁一面に時計や天文図が描かれ、天井からは星々が瞬いているように見える。中央には大きな水晶のような球体が浮かんでいる。


「ここは…」


「時の間よ。時の塔の一部」

クロノアが説明した。


「魔導院から…瞬間移動したの?」

リーシャが驚いた様子で周囲を見回している。


「正確には、時間の狭間に移動したの。ここは通常の空間とは別の次元にある」

クロノアは中央の水晶球に近づいた。


「さあ、時間がないわ。二人とも聞いて」

彼女の表情は真剣だった。

「千年前、クロノスという時の賢者が闇の王と戦った。闇の王は時間を歪め、世界を混沌に陥れようとしていた。クロノスはそれを阻止するため、自らの命を犠牲にして『時の封印』を作り出した」


クロノアの話に、二人は静かに聞き入った。

「しかし、封印は完全ではなかった。千年に一度、封印が弱まる時期がある。そして、その千年が今年で満ちる」


「オルガ先生も同じことを言っていました」

リーシャが小さな声で言った。


「そう。オルガは知っているのよ。彼女も時の守護者の一人だから」


「時の守護者?」


「時の封印を守り、闇の王の復活を防ぐために代々続いてきた秘密結社よ」

クロノアは水晶球に手をかざした。球体の中に映像が浮かび上がる。黒いローブを着た人々が、地下の部屋で儀式を行っている光景だ。


「これが闇の使徒。彼らは闇の王の復活を望んでいる。そのためには、時の賢者の血を引く者の力が必要なの」

映像の中で、魔法陣の中心にリーシャが立たされている。


「これは…」


リーシャの顔から血の気が引いた。

「私の見た夢と同じ…」


「そう、これは可能性の一つの未来。闇の使徒があなたを捕らえ、血を使って封印を解こうとしている」


クロノアの言葉に、俺は拳を握りしめた。

「それを阻止するにはどうすればいい?」


「あなたは時の賢者クロノスの転生者なのよ。その力が完全に目覚めれば封印を強化することができる。」

その言葉に、頭の中で何かがカチッとかみ合った気がした。夢で見た光景、不思議な既視感、そして時間に対する特別な感覚。全てが繋がり始めていた。


しかしなぜ、転生するときに教えてくれなかったのか。もっと早くから教えてもらえていればという気持ちもある。

きっと理由があるのだろうけど…。


「どうやって力を目覚めさせるの?」

リーシャが尋ねた。


「時の試練を乗り越えなければならない」

クロノアは水晶球から手を離した。


「時の塔には五つの階がある。各階には試練が待っている。全ての試練を乗り越え、塔の頂上に到達すれば、時の力が完全に目覚める」


「五つの試練…」


「でも、時間がないわ。闇の使徒はすでに動き始めている。彼らは三日後、『時の祭典』の夜に儀式を行おうとしている」


「時の祭典?」


「千年に一度、全ての星が特別な配列を形成する夜。その時、時間の壁が最も薄くなる」


クロノアは二人を見つめた。

「二人とも、選択をしなければならない。試練に挑むか、それとも…」


その時、部屋全体が揺れ始めた。水晶球の中の映像が乱れる。

「何が起きているの?」


「闇の使徒が時の間を見つけたわ!」

クロノアは慌てた様子で言った。

「ここにはもういられない。二人を元の世界に戻すわ」


「でも、試練は?」


「時の塔への入り口は、王宮の地下深くにある。『時の祭典』の前に見つけなければ」

クロノアは急いで魔法陣を描き始めた。

「これを持って」

彼女は時の鍵を俺に手渡した。

「これがあれば、時の塔への入り口を開けられる。でも、闇の使徒に見つからないように気をつけて」


魔法陣が完成し、光り始めた。

「時道、あなたの中に眠る力を信じて。リーシャ、あなたの直感を信じて」


クロノアの姿が徐々に透明になっていく。

「私たちはまた会うわ。時の塔で…」


彼女の声が遠ざかり、世界が再び光に包まれた。


---


目を覚ますと、二人は魔導院の地下室に戻っていた。しかし、部屋の様子は先ほどとは違っていた。魔法陣は消え、壁には焦げ跡がある。

「戻ってきたの?」

リーシャが混乱した様子で周囲を見回した。


「どれくらい時間が経ったんだろう…」


扉が開き、ガルドが駆け込んできた。

「ここにいたのか!心配したぞ!」


「ガルドさん!何があったんですか?」


「闇の使徒の襲撃だ。オルガ院長と魔導士たちが撃退したが、かなりの被害が出た」

ガルドは二人を見て安堵の表情を浮かべた。

「二人とも無事で良かった。突然姿を消すから、さらわれたのかと思ったぞ」


「どれくらい時間が経ったの?」


「お前たちが消えてから約一時間だ」

一時間…時の間での出来事は、現実世界ではわずかな時間だったようだ。


「オルガ院長は?」


「上で負傷者の治療をしている。すぐに報告しに行こう」


三人は地下室を出て、上階へと向かった。廊下には戦闘の痕跡が残り、魔導士たちが修復作業を行っていた。

中央ホールに到着すると、オルガが負傷した魔導士の治療を終えたところだった。彼女は二人を見ると、安堵の表情を浮かべた。


「無事だったか!どこにいたんだい?」


「それが…」

リーシャが説明しようとしたが、俺は彼女の腕を軽く握った。ここではすべてを話すべきではないだろう。

「魔法陣が作動して、別の部屋に転移してしまったようです」


オルガは疑わしげな表情をしたが、それ以上は追及しなかった。


「とにかく無事で何よりだ。闇の使徒は時の鍵を探していたようだが、見つけられなかったようだ」


オルガの言葉に、俺はポケットの中の鍵の存在を感じた。クロノアから託された時の鍵。

「オルガ先生、『時の祭典』についてご存知ですか?」


リーシャの質問に、オルガは驚いた表情をした。

「なぜそれを?」


「夢で見たんです」

リーシャは嘘をついた。クロノアのことはまだ秘密にしておくべきだろう。


「時の祭典は三日後だ。千年に一度、全ての星が特別な配列を形成する夜。時間の壁が最も薄くなるとされている」


「その夜に何か起こるのでしょうか?」


「伝説によれば、その夜に時の封印が最も弱くなる。闇の王が復活する可能性があるとされている」

オルガは深刻な表情で続けた。

「闇の使徒はその夜に何かを企んでいるに違いない。特に、時の賢者の血を引く者たちを狙っているだろう」


彼女はリーシャを見た。

「リーシャ様、当分の間は王宮から出ないでください。そして、常に警備を付けることを」


「わかりました」


「時道君も気をつけるんだ。君もまた、彼らの標的かもしれない」

オルガの言葉に頷いた。

「魔導院での訓練は、状況が落ち着くまで延期しよう。今は安全が第一だ」


その後、三人は王宮へと戻った。道中、リーシャと俺は小声で話し合った。

「クロノアのことは、まだ誰にも言わない方がいいと思う」


「うん、私もそう思う。でも、時の塔への入り口を探さなきゃ」


「王宮の地下深くにあるって言ってたね」


「王宮の地下には古い迷宮のような場所があるわ。昔、探検したことがあるの」

リーシャの言葉に希望が湧いた。

「それなら、明日から探し始めよう」


「うん!」


王宮に戻ると、国王からの召喚があった。リーシャと俺は謁見の間へと向かった。

国王レイモンド三世は心配そうな表情で二人を迎えた。

「無事で良かった。魔導院の襲撃の知らせを聞いて心配していた」


「ありがとうございます、父上」


「何があったのか、詳しく聞かせてくれ」

リーシャは魔導院での出来事を説明したが、クロノアとの出会いや時の間については触れなかった。


「闇の使徒が再び動き始めたか…」

国王は深く考え込んだ。


「リーシャ、当分の間は王宮から出ないように。そして、常に佐倉殿かガルドを側に置くように」


「はい、父上」


「佐倉殿、娘を頼む」


「はい、陛下。命に代えてもお守りします」

国王との会見を終え、二人は王宮の廊下を歩いていた。


「時道さん、今夜、私の部屋で話し合いましょう。これからどうするか」


「わかりました」


その日の残りは、通常の公務をこなしながら過ごした。夕食後、リーシャの部屋に集まることになった。

リーシャの部屋は広く、優雅に装飾されていた。中央には大きなテーブルがあり、そこに地図が広げられていた。

「これが王宮の見取り図よ。地下への入り口はここと、ここ」

リーシャが二箇所を指さした。

「この先にある地下迷宮は、王国の歴史と同じくらい古いと言われているわ」


「クロノアが言っていた時の塔への入り口は、その中にあるのかもしれないね」


「うん。でも、地下迷宮は広大で複雑。簡単には見つからないかも」


「時の鍵があれば、入り口を見つけられるかもしれない」

ポケットから鍵を取り出す。金色に輝く小さな鍵。複雑な模様が刻まれている。

「これを使えば…」

その時、ノックの音がした。二人は慌てて鍵を隠した。

「どうぞ」


ドアが開き、アトラスが入ってきた。

「失礼します。リーシャ様、明日の予定の確認です」


アトラスが去った後、二人は再び話し合いを続けた。

「明日の夜、地下迷宮を探索しましょう。日中は目立ちすぎるから」


「わかった。でも、警備の目を避ける必要があるね」


「大丈夫。私は王宮の裏道を知っているわ」

リーシャは自信満々に言った。


「それじゃあ、明日の夜に」

部屋を出る前に、リーシャが俺を呼び止めた。


「時道さん…本当に私たちで大丈夫かしら?」

彼女の目には不安が浮かんでいた。


「大丈夫だよ、リーシャ。俺たちは一緒だ。それに…」

俺はポケットの中の鍵を握りしめた。


「俺の中に眠る力を信じてみるよ。クロノアが言ったように」

リーシャは微笑んだ。

「うん。私も自分の直感を信じてみる」


「おやすみ、リーシャ」


「おやすみ、時道さん」

自室に戻り、窓から夜空を見上げた。三日後の「時の祭典」。その夜までに時の塔を見つけ、試練を乗り越えなければならない。


「クロノスの転生者か…」

その言葉の意味を考えながら、俺は静かに目を閉じた。明日からの冒険に備えて、しっかりと休息を取る必要がある。


そして、夢の中で俺は再び時の塔を見た。高くそびえる螺旋状の塔。その頂上には強い光が輝いている。塔の各階には不思議な扉があり、それぞれに異なる模様が刻まれていた。


「時の試練…」

夢の中で誰かの声が聞こえた。クロノアだろうか、それとも別の誰か。


「過去を見つめ、現在を知り、未来を選べ」

その声が響く中、塔は徐々に光に包まれていった。そして、目が覚めた。

窓から朝日が差し込んでいる。新しい一日の始まりだ。


「時の塔への入り口を見つけなければ」

そう思いながら、今日の準備を始めた。


---


一日は通常の職務で過ぎていった。リーシャの側近として公務に付き添い、時折彼女と目配せしながら、夜の探索に向けた準備を進めた。


夕食後、リーシャの部屋で最終確認をした。

「地下への入り口は、東の塔の裏にある隠し通路を使うわ」

リーシャは小声で説明した。


「警備の交代時間は?」


「午後十時と午前二時。十時の交代直後が最適よ」


「わかった。では、その時間に」

部屋を出る前に、リーシャが小さな袋を渡してくれた。

「これ、魔法のランプよ。地下は暗いから」


「ありがとう」

自室に戻り、探索の準備を整えた。ポケットには時の鍵を忍ばせ、簡単な応急処置の道具も用意した。

時計の針が午後十時を指す頃、俺はリーシャの部屋の前で待機していた。彼女は黒いマントを羽織り、出てきた。

「行きましょう」


二人は静かに廊下を進み、東の塔へと向かった。リーシャの案内で、塔の裏にある小さな扉を見つけた。


「ここよ」

リーシャが扉を開けると、狭い階段が下へと続いていた。魔法のランプを灯し、二人は慎重に階段を降りていった。


階段を下りきると、そこは古い石造りの通路だった。壁には苔が生え、空気は湿っている。

「ここが地下迷宮の入り口」

リーシャが説明した。

「昔、この迷宮を探検したことがあるの。でも、深くまでは行けなかった」


「どこから探せばいいだろう?」


「わからないわ。でも…」

リーシャは目を閉じた。

「直感を信じるのよね」

彼女は静かに前進し始めた。俺も後に続く。

地下迷宮は予想以上に広く複雑だった。分岐点が多く、同じような通路が延々と続いている。時折、古い彫刻や碑文が壁に刻まれているのが見える。

「これは古代語ね」

リーシャが壁の碑文を指さした。


「読めるの?」


「少しだけ。『時の流れに身を委ねよ』…そんな意味かしら」

さらに進むと、大きな円形の広間に出た。中央には石の台座があり、周囲には七つの通路が伸びている。


「どの道を選べばいいんだろう」

迷っていると、ポケットの中の時の鍵が温かくなるのを感じた。取り出すと、鍵は微かに光を放っていた。


「鍵が反応している」

鍵を掲げると、七つの通路のうち、最も西側の通路に向かって光が強くなった。


「あっちよ」

二人はその通路へと進んだ。鍵の導きに従って進むうちに、迷宮の奥深くへと入っていった。空気はますます冷たくなり、壁の模様も複雑になっていく。

やがて、行き止まりに到達した。そこには大きな石の扉があり、中央に鍵穴らしきものがあった。


「ここかもしれない」

時の鍵を鍵穴に近づけると、鍵は自ら浮かび上がり、鍵穴にぴったりとはまった。すると、扉全体が青白い光に包まれ、ゆっくりと開き始めた。

「開いた…」

扉の向こうには、さらに階段が下へと続いていた。二人は息を呑みながら、階段を降りていった。


階段の先には、広大な円形の空間が広がっていた。床には複雑な魔法陣が描かれ、中央には小さな祭壇がある。そして祭壇の上には、水晶でできた小さな塔の模型が置かれていた。

「これが…時の塔への入り口?」

リーシャが小声で言った。

「でも、どうやって入るの?」


俺は祭壇に近づき、水晶の塔を観察した。塔の模型は精巧に作られており、実際の建物のミニチュアのようだ。

「触れてみようか」

慎重に手を伸ばし、水晶の塔に触れた瞬間、強い光が部屋全体を包み込んだ。

「何が…」

床の魔法陣が輝き始め、空間が歪むように感じる。リーシャが俺の腕をつかんだ。

「時道さん!」

光が強くなり、二人の視界が真っ白になった。そして、意識が遠のいていった。


---


目を覚ますと、そこは見たことのない場所だった。


青い空が広がり、足元には白い雲。そして目の前には、夢で見た通りの塔がそびえ立っている。螺旋状に伸びる巨大な塔。その頂上からは強い光が放たれていた。


「ここが…時の塔?」


リーシャも目を覚まし、驚いた表情で周囲を見回している。

「信じられない…本当に来たのね」

塔の入り口には大きな扉があり、その上には古代語で何かが刻まれていた。

「『時の試練を受けよ、過去を見つめ、現在を知り、未来を選べ』」

リーシャが読み上げた。


「クロノアが言っていた五つの試練がここにあるんだね」


「うん。でも、三日後には時の祭典。それまでに全ての試練を乗り越えなければ」

二人は決意を新たに、塔の扉に向かった。扉は二人が近づくと、自動的に開いた。


「入りましょう」


塔の内部は、外観からは想像できないほど広かった。中央には螺旋階段が上へと伸び、各階には異なる扉がある。

「最初の試練はどこだろう」

その時、空中に光が現れ、クロノアの姿が浮かび上がった。

「よく来たわね、時道、リーシャ」


「クロノア!」


「これから五つの試練に挑むことになるわ。各階には異なる試練が待っている。全ての試練を乗り越え、塔の頂上に到達すれば、時の力が完全に目覚める」

クロノアの姿は透明で、まるでホログラムのようだ。

「最初の試練は『過去の記憶』。時道の前世の記憶を取り戻す試練よ」


「前世の記憶…」


「二人とも、気をつけて。試練は危険を伴うこともある。でも、二人なら乗り越えられるはず」

クロノアの姿が消え、最初の階の扉が開いた。


「行きましょう」


二人は第一の試練へと足を踏み入れた。


扉の向こうは、まるで異なる世界だった。古代の都市の風景。空には二つの月が浮かび、街には見たことのない建物が立ち並んでいる。


「ここは…」


「千年前の世界かもしれないわ」


二人が街を歩いていると、周囲の人々は二人に気づかないようだった。まるで幽霊のように、この世界に存在していないかのようだ。

「観察者として見ているだけみたいだね」


街の中心部に向かうと、大きな宮殿が見えてきた。宮殿の前には多くの人が集まっており、何かの儀式が行われているようだった。

「あれは…」


宮殿の階段の上に立つ人物に、俺は見覚えがあった。金色の髪と青い瞳。白い長衣を身にまとい、手には杖を持っている。

「クロノス…」


その名前が自然と口から漏れた。

「あれが時の賢者?」

リーシャも驚いた様子で見つめている。

クロノスの隣には、黒い長衣を着た人物が立っていた。顔は見えないが、強い存在感を放っている。


「あれは闇の王かもしれない」


場面が変わり、二人は宮殿の内部にいた。大きな会議室のような場所で、クロノスと数人の人物が議論している。


「時間の歪みが強くなっている。このままでは世界の均衡が崩れる」


クロノスの声が聞こえてきた。

「封印の準備はどうだ?」


「まだです。『時の鍵』の完成には時間がかかります」

若い学者のような人物が答えた。


場面がさらに変わり、激しい戦闘の光景が広がった。クロノスと闇の王が対峙している。空間が歪み、時間が乱れているようだった。

「これ以上、時間を歪めることは許さない!」


クロノスが叫んだ。

「愚か者め。時間を支配することが、真なる力だ」


闇の王の声は不気味に響いた。

二人の戦いは凄まじく、空間そのものが引き裂かれるようだった。やがて、クロノスは特別な魔法陣を展開し始めた。


「時の封印…」

クロノスの体が光に包まれ、その光が闇の王に向かって伸びていく。闇の王は抵抗するが、徐々に封印の中に閉じ込められていった。

「私の封印は千年しか持たないが、その時には次の時の賢者が現れるだろう」


クロノスの最後の言葉が響き、場面が消えた。

二人は再び時の塔の中にいた。第一階の試練の部屋だ。

「これが…クロノスの記憶」


頭の中で何かが目覚めるのを感じた。断片的な記憶。感情。使命感。全てが少しずつ繋がり始めている。

「時道さん、大丈夫?」

リーシャが心配そうに尋ねた。


「ああ、大丈夫。少し、記憶が戻ってきた気がする」

部屋の中央に光が現れ、次の階への階段が浮かび上がった。

「第一の試練をクリアしたようね」


「うん。次は何だろう」

二人は階段を上り、第二の試練へと向かった。


第二階の扉には「現在の選択」と刻まれていた。

「現在の選択…」


扉が開き、二人は中に入った。

そこは王宮の謁見の間のような場所だった。しかし、実際の王宮とは少し異なる。

「これは幻影?」


謁見の間には国王レイモンドと数人の貴族、そしてリーシャの姿があった。彼らは激しく議論しているようだった。

「帝国との同盟は必要だ!このままでは我が国は滅びる!」

ある貴族が主張している。


「しかし、帝国は信用できません。彼らは我が国を吸収しようとしているのです」

リーシャが反論した。


「では、どうすれば良いというのだ?」

国王が問うた。


突然、場面が変わり、二人は選択を迫られた。三つの道が示されている。


「帝国との同盟を結ぶ」

「七王国同盟と手を組む」

「中立を保ち、独自の道を進む」


「これは…選択を求められているの?」

リーシャが困惑した様子で言った。


「そうみたいだね。でも、どれが正解なんだろう」


三つの選択肢の先には、それぞれ異なる未来の光景が見えた。帝国との同盟を選べば平和は訪れるが、王国の独立性は失われる。七王国同盟を選べば戦争が起こるが、最終的には勝利する。中立を保てば、一時的な平和の後に危機が訪れる。


「どれも完璧な選択はないわ」


「そうだね。でも、これは試練だ。正解があるはずだ」


二人は慎重に考えた。

「時道さん、あなたならどうする?」


「俺なら…」

三つの選択肢を見比べながら考える。そして、ある考えが浮かんだ。


「待って、これは『現在の選択』だよね?」


「そうね」


「もしかしたら、示されている選択肢だけが全てじゃないのかもしれない」

俺は三つの道から離れ、別の方向へと歩き始めた。


「時道さん?」


「リーシャ、来て。自分の道を作るんだ」

リーシャは少し躊躇ったが、俺についてきた。二人が新しい方向へ進むと、光が現れ、新たな道が形成された。


「『自らの道を切り開く』…これが試練の真の意味だったのね」


新しい道の先には、王国が繁栄する光景が見えた。帝国とも七王国同盟とも対等に交渉し、独自の立場を確立している姿だ。

「正解だったようね」


部屋が光に包まれ、二人は再び時の塔の中にいた。第二階の試練の部屋だ。

「二つ目の試練もクリアしたね」


「うん。次は第三の試練ね」


階段を上り、第三階へと向かった。扉には「未来の可能性」と刻まれていた。

「未来の可能性…」


扉が開き、二人は中に入った。

そこは広大な空間で、無数の光の筋が交差していた。まるで星空のようだが、それぞれの光は異なる未来の可能性を示しているようだった。


「これは全て可能性の未来?」


リーシャが驚いた様子で周囲を見回した。

「そうみたいだね。無数の選択肢と、その結果だ」

光の筋の一つに触れると、そこに映像が浮かび上がった。平和な王国の姿。別の光に触れると、戦争で荒廃した世界。さらに別の光では、闇の王が復活し、世界を支配している光景。

「どれが本当の未来なの?」


「全てが可能性だ。どの未来になるかは、現在の選択次第なんだろう」

部屋の中央に大きな水晶球が現れた。

「『望む未来を選べ』」


水晶球から声が聞こえてきた。

「望む未来…」


二人は無数の可能性の中から、一つの未来を選ばなければならないようだ。

「どれを選べばいいの?」


リーシャが不安そうに尋ねた。

「慎重に考えよう。全ての可能性を見てから決めよう」


二人は様々な未来の可能性を見て回った。平和な世界、繁栄する王国、闇の王の復活を阻止した世界…様々な可能性がある。

二人は立ち止まり、慎重に選ぶことにした。

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