おせちもいいけどカレーもね! ……いや、トップバリュの激安カレールウって実際どうなのよ!?
皆様こんにちは! シサマという者です。
2024年も、ガチのマジであとわずか。
私もこのまま、大人しく来年まで消えといたろうかとも思いましたが、創作活動が停滞してしまったこの1年にまだ未練があり、ついつい最後っ屁を放ってしまいました。
最後っ「屁」なのに食品エッセイかよ!
年末年始といえば、ほんの40年ほど昔(笑)、バーモンドカレーのテレビCMで近藤真彦さんが「おせちもいいけどカレーもね!」とアピールしていましたね。
今では後輩の東山紀之さんから名指しで批判されるほど、旧ジャニーズ事務所の重鎮タレントとしての自覚や責任感が皆無だったらしいマッチ。←「マッチ」もはや死語?
しかしながら、地方回りではその率直さと愛想の良さで周囲を惹きつけ、私の住む北海道釧路市にもマッチファンの水産会社社長が経営する、近藤真彦応援バーがあります。
まるで演歌歌手の後援会みたいですが、絶滅寸前の昭和ビジネス生き証人として、マッチの人生はこれからもカーレーサーの様に都会を疾走しながら、地方でのピット・インで燃料を補給するのでしょう。
……さて、色々な人からお叱りを受けない様にいらん文章力を駆使しましたが(笑)、つまりはマッチをダシにして年末年始にカレーを題材にしたエッセイを投稿する正当性を説いたまででございます。
私はこの1年、とあるカレールウを継続的に食べ続け、その実験の結論が物価高に苦しむ現代の日本人に役立つと確信。
今ここに、私の持てる知見や洞察を全て注ぎ込む強い決意と覚悟を持って来ました。←スポーツ選手移籍会見?
タイトルにもある様に、テーマはズバリ、「トップバリュの激安カレールウって実際どうなのよ!?」
日本は元来燃料系の天然資源に乏しく、加えてバブル景気にうつつを抜かして多国から食料を買い、自国産業を育てようとしなかった政府の姿勢。
更に目先の便利さを享受する余り、問題意識を先送りにしてきた我々国民の問題……。
現在の物価高は今後も収まりそうになく、仮にロシアとウクライナの戦争がなかったとしても、日本という国がいずれは経験しなければならなかった現実と言えるでしょう。
そんな中、毎日の食卓に於いても、『ハウス ジャワカレー』の様なちょっと高級路線のカレールウが定価一箱400円を突破し、いつの間にか味よりマウント道具として語られてしまう「意識高い系」カレールウに変貌。
正直、カレールウの単価と消費頻度を考慮すれば、育ち盛りのお子様のいる家庭でない限り、たかだかカレールウでそこまで経済的困窮はしません。
しかしながら物価高は、安くて美味しいものがあるならば目先のショボい節約もしたい、むしろ安くて美味しいものを探してみたい……という、ある意味ポジティブな感情すら匂わせる苦労に人々を向かわせるのです。
『トップバリュ 香りと旨みの焙煎仕立てカレー』は、他のカレールウより少しばかり内容量の少ない8皿分150g。
しかしながら1箱98円(税込106円)と、有名メーカーであるエスビー食品のグループ企業で製造されているにもかかわらず、先述のジャワカレーに比べると3分の1以下の価格でした。
ハンバーガーや牛丼が安かった20年前であっても、そうそう見なかった低価格。
事実として、15年ほど昔に初めて世に出た時は味や品質に疑いが持たれ、運動部の子どもや介護施設のお年寄りに振る舞われる程度で頭打ちになる売上だったそうです。
現在、ネットでの感想を調べてみると、トップバリュの激安カレールウの評価は
美味しい……約30%
まずくはないが価格なり……約30%
まずい……約40%
……と、ネットユーザーからはやや不評である事がうかがえますが、物価高が続く間にそれだけ多くの方々が試食したという証明にもなります。
ただ裏を返せば、約30%のネットユーザーが、「まずくはないカレールウなら、98円で提供出来るのが当たり前」という価値観で物価高と戦っているという現実が見えてきました。
政府の要人には、職場の人手不足や少子化の真の原因が何処にあるのか、こういった所も見て欲しいと思いますね。
ここで私自身の評価を下しましょう。
私が食べたトップバリュの激安カレールウは『中辛』と『辛口』のふたつでしたが、はっきり言って美味しかったです。
私自身、カレーなら何でも美味しく食べられるタイプの人間で、カレールウの味よりもご飯の炊き方とかの方が気になるからかも知れませんが(笑)、今年の春に試し買いして以来、8ヶ月間トップバリュの『中辛』か『辛口』しかカレールウは使っていません。
ただ、私は初回の試食経験で理解したこのカレールウの問題点を回避するため、とあるふたつのルールだけは厳守しています。
①手早く作る、カレールウを入れたら煮込まない
②作った当日に食べ切る、一晩置いたカレーにはしない
……このふたつのルールです。
『トップバリュ 香りと旨みの焙煎仕立てカレー』は、その商品名が余計な期待を煽ったためか(笑)、ネットには「香りが弱い、甘くて味が薄い」といった不満が頻出しています。
まあ当たり前ですよね。
この価格では、少なくともジャワカレーの3分の1しかコストがかけられない訳ですから、まずはカレーらしい体裁を整えなければなりません。
香り成分と辛さに強い影響力を持つスパイスの種類を減らし、味の厚みに強い影響力を持つ肉や野菜のエキスは、各々が入れてくれる具材にお任せしたいのでしょう。
トップバリュの激安カレールウは、他社のカレールウには余り見られない「豊富なフルーツペースト」を用いて低価格ながら個性を出しており、私はそこを高評価しました。
とは言うものの、土台となる辛さや香りが足りない状況では、フルーツペーストが単純な甘さに繋がっていると判断されても仕方ありません。
私自身も、『中辛』や『辛口』は好きですが、『甘口』まで食べたくなるかと訊かれたら、それはないと言いますね。
このカレールウの問題点は、フルーツペーストで甘さが保証されているため、カレールウを入れてから煮込んでしまうと辛さより甘さが目立ってしまう点。
そして、恐らくはコストカットのために使用している原材料「とうもろこしでん粉」が、素早くとろみを出せる一方で、作り置きや熟成に向かないという点でしょう。
私は初めてこのカレールウでカレーを作った時、最初の一杯は美味しかったのですが、翌朝も残りのカレーを食べようとした時、とろみがキツすぎてあんかけご飯みたいになってしまっていた事を思い出します。
そろそろ結論を出しましょう。
『トップバリュ 香りと旨みの焙煎仕立てカレー』はその低価格から判断して、良くも悪くも「貧乏暇無し」の庶民のために開発されたものであります。
仕事から帰宅、或いは買い物から帰宅して、すぐに作れてすぐに美味しいカレー、これがこの商品のコンセプトです。
パッケージの右上に「電子レンジで1皿分から作れます」という表記があるのも、溶けやすさのアピールと、カレーライスに限定しない調理法(うどんのだしに入れてカレーうどん、少量のお湯で溶いてドライカレーソースなど)のアピールもしているのでしょう。
カレーにこだわりのある人(しっかり下ごしらえをする、じっくり煮込んで素材の旨みを引き出すなど)には向きませんが、手早く自分の分だけカレーを作れればいい人、別途カレー粉や好きなスパイスを加えられる環境にある人にとっては、試してみて損のない商品であると思います。
それでは最後にもう一度。
おせちもいいけどカレーもね!