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第四十四話







「直ちにジャップの空母を攻撃だ!! 奴等を叩きのめせ!!」


 旗艦『ニュージャージー』にてハルゼーはそう吠えていた。この時、第38任務部隊こと第三艦隊は以下の部隊で編成されていた。






 第1群(TASK GROUP 38.1)

 司令官:ジョン・S・マケイン中将

 旗艦『ホーネット2』

 空母部隊

 『ホーネット』『ワスプ』『ハンコック』『ランドルフ』

 軽空母『モンテレー』

 第5巡洋隊

 『チェスター』『ソルトレイクシティ』『ペンサコラ』

 第6巡洋隊

 『ウィチタ』

 第10巡洋隊

 『ボストン』

 軽巡洋艦

 『サンディエゴ』『オークランド』

 第46駆逐戦隊

 駆逐艦12隻

 第12駆逐戦隊

 駆逐艦3隻

 第4駆逐戦隊

 駆逐艦6隻


 第2群(TASK GROUP 38.2)

 司令官:ジェラルド・F・ボーガン少将

 旗艦『ベニントン』

 空母部隊

 『ベニントン』『シャングリラ』『タイコンデロガ』

 軽空母『インディペンデンス』

 第7戦隊

 『ニュージャージー』(ハルゼー大将座乗)『アイオワ』

 第14巡洋隊

 『ヴィンセンス』『マイアミ』『ビロクシー』

 第18巡洋隊

 『アラスカ』

 第52駆逐戦隊

 駆逐艦4隻

 第50駆逐戦隊

 駆逐艦5隻

 第104駆逐隊

 駆逐艦5隻

 第106駆逐隊

 駆逐艦4隻


 第3群(TASK GROUP 38.3)

 司令官:フレデリック・C・シャーマン少将

 旗艦『エセックス』

 空母部隊

 『レキシントン2』(ミッチャー中将座乗)『エセックス』『ボノム・リシャール』

軽空母『プリンストン』『ラングレー』

 第8戦隊

 『マサチューセッツ』

 第9戦隊

 『サウスダコタ』

 第13巡洋隊

 『サンタフェ』『モービル』『リノ』『バーミングハム』

 第50駆逐戦隊

 駆逐艦5隻

 第55駆逐戦隊

 駆逐艦5隻

 第110駆逐隊

 駆逐艦4隻


 第4群(TASK GROUP 38.4)

 司令官:ラルフ・E・デヴィソン少将

 旗艦

 空母部隊

 『フランクリン』『エンタープライズ』

 軽空母『ベロー・ウッド』

 戦艦『ワシントン』(司令官:ウィリス・A・リー中将)『アラバマ』

 第6巡洋隊

 『ニューオーリンズ』『ビロクシ』

 第6駆逐戦隊

 駆逐艦4隻

 第12駆逐隊

 駆逐艦4隻

 第24駆逐隊

 駆逐艦3隻



 第三艦隊ーー元第五艦隊はマリアナ沖海戦で正規空母である『イントレピッド』『ヨークタウン2』『バンカーヒル』に軽空母『カボット』『カウペンス』『サン・ジャシント』を喪失していたがそれを補う形で『ランドルフ』『ベニントン』『シャングリラ』『ボノム・リシャール』を早期に就役させ戦列に加えていたので戦力の低下はある程度は防いでいたのである。


「しかし閣下。シブヤン海にいる日本艦隊への攻撃は……」

「あぁ? んなもんキンケイドの第七艦隊で足りるだろ」

「いえ、キンケイド中将の第七艦隊は戦力を低下させています。敵航空部隊の攻撃で旧式戦艦4隻が事実上喪失していますので」

「チッ。なら戦艦は置いていく。リー中将に連絡しろ。戦艦を主力の水上部隊を編成してサマール島方面に向かえと。俺らは『アラスカ』に移乗しそのままオザワの機動部隊を撃破するぞ!!」


 ハルゼーにそこまで言われたらカーニー参謀長も従うしかない。直ちにハルゼーら司令部は『ニュージャージー』から『アラスカ』に移乗しリー中将は戦艦とその護衛艦艇の第34任務部隊を編成しサマール島方面に急行するのである。無論、ハルゼーも北上し小沢の機動部隊に向かうのであった。

 ハルゼーの機動部隊は接近してくる小沢の機動部隊に対し攻撃隊を発艦させた。その数、戦闘機98機、艦爆86機、艦攻76機であり空母を優先にしたハルゼーの読みは正しかったーーそれは相手が攻撃をしてくる場合であった。

 彼等攻撃隊が小沢機動部隊の手前約20キロの地点で迎撃を受けた。戦闘機によってだがその数は100機はあったのである。


『馬鹿な!! ジャップの奴等、戦闘機が多いぞ!!』

『左翼から火が出ている!! 落ちる、落ちる、落ちる!!』

『後ろにジークだ!! 誰か助けてくれ!!』


 迎撃をしたのは小沢機動部隊から発艦した『烈風』と零戦隊の合わせて210機であった。迎撃隊はその数を活かしてF6F隊を攻撃隊から引き離して攻撃隊を追い詰めていくのである。それでも攻撃隊はその包囲網を突破し小沢機動部隊に襲い掛かったのである。


「宇垣や日吉に電文を送ったな?」

「はっ、問題ありません」

「宜しい。ならハルゼーをもっと此方に引き付けよう。引き続き無電を発せよ!! 意味は不明で良い!! 奴等を釣り出せ!!」

「はッ!!」


 小沢機動部隊は執拗に意味不明な電文を全包囲に向けて発するのである。受信した近藤らは小沢がハルゼーの釣り上げる事に成功したと確信し、レイテ湾へと急ぐのであった。

 また、この頃には第二航空艦隊も奇襲戦法として薄暮攻撃をハルゼーの第三艦隊に開始していた。零戦80機、彗星30機、九九式艦爆30機の戦爆連合は江間保少佐を指揮官としつつ1730には第三艦隊上空に到着、零戦隊が着艦作業を切り上げたF6Fと空戦しつつ艦爆隊は急降下を開始した。この攻撃で彗星11機、九九式艦爆19機を喪失するが軽空母『プリンストン』『ラングレー』の2隻を大破させ後に誘爆により2隻とも撃沈に成功するのである。

 そして近藤らの直卒隊と西村中将の第三部隊はスリガオ海峡に接近していたのである。


「此処までは順調な航海だったな」

「全部順調で終わりたいものですな」


 『高雄』の艦橋にて近藤の言葉に吉岡参謀はそう呟く。そこへ通信兵が艦橋に入ってきた。


「第634空より電文。第634空はスリガオ海峡の航空偵察及びレイテ湾の上陸船団への攻撃を実施し輸送船2隻、魚雷艇19艇を撃沈しレイテ湾の上陸船団と護衛艦隊の情報を送ってきました」

「そうか、それは有り難いな」

「……戦艦は2隻、何れも『コロラド』級との事です」

「40サンチ砲か……『扶桑』と『山城』にはちと荷が重いか……」

「構うな。夜戦になれば此方のモノだ」

「長官」


 近藤は白石らに笑みを浮かべるのであった。そして10月24日2130、西村中将の第三部隊を先頭にスリガオ海峡を突入を開始する。支援として第634空の『瑞雲』11機もスリガオ海峡に接近しておりレイテ湾側の海峡に向けて吊光弾を投下した。


「オイオイ、魚雷艇がいやがるぜ」

『奴等を優先的に叩くぞッ』


 『瑞雲』11機は吊光弾の他にも60キロ爆弾と20ミリ機銃を搭載していたので魚雷艇狩りとして20ミリ機銃を魚雷艇に叩きまくったのである。この攻撃で魚雷艇7艇が撃沈され魚雷艇隊は撤退するのである。

 また、『山城』の22号水上電探改四がスリガオ海峡の湾口付近にて待ち構えている敵艦艇(駆逐艦)を探知、西村中将は先にこの艦艇群を叩く事にしたのである。


「砲撃開始ィ!!」


 先に砲撃を開始したのは第二十一戦隊の『那智』『足柄』であった。彼女達は33号水上電探を搭載しており命中精度は史実よりも高かった。これはソロモン作戦中に米艦艇を鹵獲した時に接収したGFCS MK.37やSGレーダーの解析を下に開発されており、それによって精度は高かったのだ。この砲撃により湾口に待機していた駆逐戦隊は瞬く間に撃破、敗走する事になる。


「思っていたよりもジャップはやるようだな……」


 報告を聞いたオルデンドルフ少将は苦虫を潰したような表情をする。彼は昼間の第二航空艦隊の航空攻撃により戦艦3隻を撃沈され1隻大破後退という戦果を上げてしまい残っている『メリーランド』『ウェストバージニア』で迎撃するしかなかったのだ。

 それでもオルデンドルフ少将は向かってくる第三部隊に対し横隊の丁字戦法で迎え撃つのであった。

 0240、第三部隊は接近してくる駆逐艦を砲撃で追い払い、時折飛来する634空の『瑞雲』隊の掃討により敵駆逐艦と魚雷艇は完全に行動を制限されていたのである。

 その為、第三部隊と直卒隊はほぼ被害を受ける事なくスリガオ海峡の航行に成功しつつあった。だが、オルデンドルフ少将の部隊も黙ってはいなかった。


「ファイヤー!!」


 『メリーランド』『ウェストバージニア』は射程距離に入り次第、レーダー射撃での射撃を開始したのだ。この第一斉射で『山城』の右舷を航行していた『扶桑』に命中弾が出て『扶桑』は瞬く間に炎上したのである。


「クソッ!! 敵の位置は!?」

「凡そ1万3千!! 海峡の出口に丁字で布陣しています!!」

「日本海海戦を汚すな馬鹿野郎!! 反撃しろ!!」


 西村中将はそう激怒しつつ反撃を指令する。『山城』は直ちに反撃を開始し、33号水上電探を下に砲撃するのである。なお二斉射目で『ウェストバージニア』に命中弾を与えたがそこまでの炎上はしなかった。


「一水戦は突撃するぞ!! 全艦突撃!!」


 それを見た第一水雷戦隊司令官の木村少将は『阿賀野』を先頭に突撃を開始したのである。

 突撃中、『朝雲』が吹き飛んで撃沈されるがそれでも一水戦の艦艇は酸素魚雷の有効射程距離に接近し酸素魚雷を発射したのである。






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