第三十話
私事だけど、某提督サイトのコッソリと自分の作品を消せれる人いるかな?
自分が言うとややこしくなるし、もう自分は彼処にSSは書き込まない予定だから自分の痕跡は消したいんだよなぁ……
聯合艦隊司令長官に就任した近藤がまず最初に命令をしたのはラバウル防空だった。
「ラバウルは完全に守勢の方針でいく。そこは理解してもらいたい」
「分かりました」
就任後、近藤は直ぐに二式大艇でラバウルに飛び、南東方面艦隊司令長官の草鹿中将とそう協議し準備出来次第、ブーゲンヴィル島等からも撤退する事となった。そして5月1日に近藤は内地に戻り、柱島泊地に停泊していた重巡『高雄』を聯合艦隊旗艦とし『高雄』に長官旗が掲げられたのである。
「お久しぶりです長官」
「よぅ白石。済まないなGF参謀長にさせてな。どうも参謀長となるとお前しか浮かばなくてな」
「ハハハ、それは事後処理要員でしょう」
「ハハハ」
白石の言葉に近藤も苦笑する。なお、その他にも参謀達も続々と『高雄』に到着したのである。
聯合艦隊司令部
司令長官 近藤信竹大将
参謀長 白石少将
参謀副長 福留中将
参謀副長 草鹿少将
首席参謀 奥宮中佐
航空甲参謀 樋端中佐(療養中)
航空乙参謀 吉岡少佐
防空参謀 千早中佐
等々の面々であったが、着任早々不機嫌だったのは福留中将であった。第一回目の会議は5月2日に行われその中で福留中将は近藤に具申をした。
「長官にお尋ねしたいッ。何故私が参謀副長なのであるかです」
「おや、不服かね?」
「そうではありません!! 階級を考えれば私が参謀長なのではありませんか!!」
「不満なら不満と言えば良いじゃないか……」
怒る福留に近藤はお茶を啜る。
「寧ろ参謀副長は適任だぞ? 司令部を2つに分けるつもりだからな」
「司令部を2つに……ですか?」
「あぁ。『海軍甲事件』もあるからな。後方にいる司令部と前線に出向く司令部と分ける事にしている。福留と草鹿は後方に構えて海軍省や軍令部との調整を担当してもらう。特に福留は軍令部第一部長をつい最近までしていたからある程度の顔は効くだろ?」
「は、はい。それは勿論ですが……」
「だからお前らに任せているわけ。了解した?」
「成る程、それなら納得出来ます」
(コイツ、単純だなぁ……)
近藤は納得する福留を見ながらバレないように溜め息を吐く。近藤からして福留は手元に置く必要があると判断していた。史実の参謀長の書類紛失もあるが台湾沖航空戦の事もあるので近藤の目の範囲にいさせるつもりだった。なお、草鹿は福留のブレーキ役である。
「各艦隊司令長官は明日集まる。それまでは前任者との引き継ぎの時間とする」
取り敢えずの司令部の顔合わせは終了し翌日にはGF司令部と各艦隊司令長官が『高雄』に集合したのである。
「交代等で忙しいと思うが……集まってもらったのは他でもない」
近藤はそう各艦隊司令長官を見渡す。各艦隊司令長官は以下の通りであった。
第一艦隊司令長官
宇垣纏中将
第二艦隊司令長官
南雲忠一中将
第一機動艦隊司令長官
山口多聞中将
第二機動部隊司令長官
角田覚治中将
第一航空艦隊司令長官
小沢治三郎中将
海上護衛総隊司令長官
野村直邦大将
「君達は特に決戦部隊として運用される事になる。但し角田は少々違うがな」
「違うというのは?」
「角田の仕事場はインド洋が主になるからだ。まぁそれは一つずつ説明しよう」
近藤はそう言って予め複製した大学ノートを各人に渡す。
「これは……」
「陸軍のは関係無いから抜いているが……『S情報』だよ」
「なッ!?」
「こ、これが……」
宇垣や小沢らは驚愕の表情をしつつ1枚1枚項目を捲り中身を見るのであるが近藤はまた別の書類を出した。
「その『S情報』を元に米軍への作戦を思案した。それがこの5つの作戦案だ」
近藤はそう言って複製した5つの計画書を各人に渡していく。
「順に追って説明する。まずは『トラック諸島迎撃作戦』だ。これは米軍の本格的な反攻作戦を元に大雑把に作成した物だ」
「……成る程。ギルバート・マーシャル諸島方面に米軍が反攻すると……?」
「いや、それとニューギニア方面でも動くと予想している」
「な、ニューギニア方面にもですか!?」
「あぁ。中部太平洋は米海軍が、ニューギニア方面は米陸軍が主体になるだろうな」
「成る程……しかし、何故二方面からで?」
「米陸軍は単純だ。総司令のマッカーサーがフィリピンに帰りたいからだ」
近藤はそう言って太平洋の地図に戦車と艦艇の模型を置いて艦艇の模型をマーシャル・ギルバートに、戦車の模型をニューギニアに置いた。
「マッカーサーはニューギニア方面からビアク島を前進基地としつつフィリピンを狙うだろうな。フィリピンを取ればマッカーサーは自分の王国にも帰れるし内地と南方の輸送路を抑える事にもなるしな」
「成る程」
「話が少しズレたな。米海軍は中部太平洋から侵攻してくると予測してギルバート・マーシャルの両諸島に配備した陸戦隊等は全て撤収させもぬけの殻とする」
「守勢しないので?」
「珊瑚で出来た島等守る必要は無い。そんな島は向こうにくれてやればいい」
南雲の問いに近藤は肩を竦めて言うと小沢は苦笑するのである。
「米海軍は両諸島を占領した後、トラック諸島を攻撃して基地機能と航空戦力を破壊した後にマリアナ諸島に侵攻してサイパン島を占領するだろう。『トラック諸島迎撃作戦』はその時だ。トラック諸島を攻撃される時の航空隊で防空する為だ」
「防空ですか?」
「そうだ。防空で敵航空機のパイロットの損耗を図るつもりだ」
「成る程。しかし何故米海軍はマリアナを目指すのですか?」
「『S情報』の新型爆撃機の項目を見てくれ。自ずと分かる」
近藤の言葉に小沢達が『S情報』を捲り新型爆撃機の項目を見ると呻ったのである。
「むぅ……」
「B-17よりも長い43mの全幅とは……」
「問題なのはマリアナから出撃したら本土の殆どが爆撃圏内に入るという事です。これは問題です!!」
「そうだ山口。だからこそマリアナを死守する必要がある。『トラック諸島迎撃作戦』はその布石だ。まぁまだ全部は外案しか煮詰まってない」
「フム……では『トラック諸島迎撃作戦』の後はマリアナ防衛の『あ号作戦』になるわけですな」
「あぁ。そして次が『捷号作戦』となる。これは主にフィリピン防衛になる」
「フィリピン防衛ですか。先程のマッカーサーの陸軍が主になるようですか?」
「あぁ。『S情報』では20万の兵力を前衛にフィリピンに上陸する腹だろうと思われている」
「しかしそうなると南方航路を抑えられるのは厄介ですな。燃料の備蓄もありますし……」
「それについては問題無い」
そう言ったのは海上護衛総隊司令長官の野村大将であった。尚、野村長官は近藤とは同期であったりする。
「燃料の備蓄については何とか三年分の燃料である1600万キロリットルが内地、トラック諸島には半年分に想定する300万キロリットルがある。近藤が開戦前に戦時標準船の下地を作っていてくれたおかげだ」
「開戦前には輸送船とタンカーを6隻くらいしか揃えれなかったけどな」
「それにインド洋の海賊行為も効いている。あれが無ければ油は1年と少ししか無かった」
野村は苦笑しながら出されたお茶を啜る。
「野村、無茶だとは思うが3000万キロリットルくらいまでの備蓄はしてもらいたい」
「努力はするがフネが足りんぞ」
「此方からも期限付だがフネを出す。1個水雷戦隊と新設予定の第三十一戦隊だ」
「ほぅ、あれをか」
第三十一戦隊は史実より早い5月10日に新設が予定されている。兵力は旗艦『由良』を筆頭に『鬼怒』『長良』『多摩』、『松』型駆逐艦で編成された第四十三駆逐隊(『松』『竹』『梅』『桃』)に第四十五駆逐隊(『槙』『桐』『榧』『蔦』)第五十二駆逐隊(『桑』『檜』『杉』『樫』)海防艦の第21海防隊(『笠戸』『干珠』『満珠』『三宅』)と第22海防隊(『生名』『屋久』『竹生』『志賀』)で編成される事になっており対潜水艦戦闘を専門に行う対潜機動部隊として期待されていたのである。
「成る程。それなら何とかやってみよう」
「頼む。あぁ、そろそろ昼だな。メシでも喰おうじゃないか」
近藤はそう言い、会議は一先ずは休息となるのであった。
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