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第二十三話






 日本海軍はガダルカナル島への派遣が決定した第二師団への支援の為に第八艦隊は動き出す。第八艦隊は重火器輸送の為に輸送隊とその支援の為に飛行場砲撃を計画した。


「艦艇は此方からも出そう」


 山本はそう言い、第八艦隊には第五戦隊(『妙高』『羽黒』)第四水雷戦隊の増強をしたのである。そしてある艦隊も支援の為にトラック諸島を出撃したのである。



 支援隊


 第五戦隊

 『妙高』『羽黒』 

 第六戦隊

 『青葉』『衣笠』『古鷹』

 第十三戦隊

 『石狩』

 第二駆逐隊

 『村雨』『夕立』『春雨』『五月雨』



 輸送隊


 第『一号』型輸送艦4隻

 『一号』『二号』『三号』『四号』

 第四水雷戦隊

 『由良』

 第九駆逐隊

 『朝雲』『夏雲』『峯雲』

 第二十七駆逐隊

 『有明』『夕暮』『白露』『時雨』




 なお、支援隊司令官は第五戦隊の大森少将ではなく五藤少将が担っている。これは五藤の方が海兵を先に出ているしソロモンでは五藤がよく知っていたからである。

 しかし、第五戦隊には最新鋭の水上電探が搭載されていた。そして彼等はサボ島沖で激突したのである。










「そうか、六戦隊司令の五藤少将がな……」

「はい、艦橋に飛び込んだ不発弾により……」


 10月13日、近藤はトラック諸島でサボ島沖海戦の詳細の報告を受けていた。10月11日2000、輸送部隊はガダルカナル島のタサファロング泊地に到達、2020から物資の揚陸を開始した。一方、外南洋部隊の命令により支援部隊は飛行場砲撃の準備を整え、サボ島の沖合に進撃していた。


「水上電探に感有り!!」


 そう叫んだのは『妙高』の電探員だった。五戦隊は内地にいた事で六戦隊が搭載している22号水上電探より改良型の改四(出力10kw)を搭載していた事もあり支援隊は距離27000メートルでスコット少将の第64.2任務部隊を発見したのである。


「五戦隊は先に三式弾にて飛行場を砲撃、然る後に六戦隊を支援せよ!! 六戦隊と十三戦隊はこのまま敵艦隊に向かう!! 二駆は駆逐艦を半分ずつに分けて両隊を支援し突撃!!」


 五藤少将は即決した。輸送隊は既に揚陸開始の報が来ていたので探知した艦艇は敵艦隊と判断したのだ。また、万が一に備えて五戦隊は三式弾を装填し六戦隊は徹甲弾を装填していた。だからこそ五藤少将は分けたのである。大森少将もその意図を察し、五戦隊は速度を上げて飛行場に接近し三式弾を発射し飛行場を砲撃すると六戦隊を支援するために急行するのである。

 六戦隊等は第64.2任務部隊と交戦、先に仕掛けたのは六戦隊側であった。


「探照灯、照射!!」


 六戦隊旗艦『青葉』は距離1万にて探照灯を照射、浮かび上がった甲巡『サンフランシスコ』に目掛けて砲撃を開始した。


「SHIT!? 待ち伏せだったか!!」


 スコット少将はそう舌打ちをしつつ戦闘開始を発令、第64.2任務部隊も砲撃を開始した。しかし、先手を打った六戦隊側が有利だった。

 甲巡『サンフランシスコ』は僅か二斉射目で命中弾を多数受けて炎上した。スコット少将は退避させようとしたが突撃してきた駆逐艦『夕立』による酸素魚雷3本が命中、『サンフランシスコ』は横転してしまい乗員の殆どが戦死し一部がガダルカナル島に漂着する程であった。続けて『ソルトレイクシティ』に命中弾を与えたが探照灯を照射する『青葉』に砲撃が集中しこのうちの1発が艦橋に命中、不発弾であったが『青葉』艦橋の要員を殺傷するには十分な威力でありその砲弾の破片は五藤少将の左肩と右足を奪い取るには十分であった。

 唯一無傷だった久宗艦長は砲塔被弾のために弾薬庫に緊急注水させつつ離脱させた。『青葉』離脱を確認した『古鷹』かの荒木大佐は戦闘を継続し『ソルトレイクシティ』に探照灯を照射しつつ砲弾を叩き込み『ソルトレイクシティ』は炎上した。

 更に『ヘレナ』にも砲撃を叩き込みをしたが『ヘレナ』は煙幕を張って逃走した。その為、駆逐艦に砲撃を集中し駆逐艦『ラフィー』『ダンカン』が被弾炎上したのである。そこへ飛行場砲撃を急いで終わらせた五戦隊が合流したのである。

 『古鷹』からの発光信号で事情を知った大森少将は指揮権を継承し、被弾炎上している『ラフィー』『ダンカン』にトドメを刺した。

 更に輸送隊の揚陸は成功したので大森少将は輸送隊を先に帰らせつつ、支援隊はサボ島を周回し再度ガダルカナル泊地に突入した。

 水上電探に敵艦隊がいない事を確認してから三式弾を装填し飛行場へ砲撃を始めたのである。この砲撃で飛行場は数時間の使用不能であったが揚陸は成功し全艦の離脱にも成功したので作戦自体は成功に終わった。

 しかし、帰還途中に五藤少将は出血多量で息を引き取り戦死したのである。なお、六戦隊は半壊したので十三戦隊の『石狩』が編入され『衣笠』『古鷹』『石狩』の三隻態勢となる。(『加古』は航空攻撃でそれ以前に被弾し内地に帰還)

 そして13日夜半、第二機動部隊から離脱しガダルカナル島に向けて南下していた戦艦『長門』『陸奥』と一個水雷戦隊がガダルカナル泊地に突入。『長波』以下の水雷戦隊が魚雷艇を蹴散らす中で二戦艦は二度目の飛行場砲撃を敢行したのである。


「今度も遠慮するな!! 撃ちまくれェ!!」


 二戦艦は徹甲弾、三式弾、零式通常弾を合わせて約1000発程飛行場に叩き込む事に成功する。(半数を不発弾にさせ除去遅延させる)更には発艦した零式観測機が完成したばかりの第二飛行場(戦闘機用)も発見しこれを通報、二戦艦は再度砲撃をし両飛行場を少なくとも3日間は使用不能にさせたのである。

 更に翌日(14日)夜半に『鳥海』を旗艦とする第八艦隊がガダルカナル泊地に突入した。『鳥海』『衣笠』『古鷹』『石狩』の甲巡4隻は飛行場に約2000発の砲弾を叩き込む。そして15日夜半に高速輸送船6隻と戦車3個中隊を積載した二等輸送艦7隻がタサファロンガ岬にて揚陸、弾薬や物資は飛行場からの航空攻撃前に何とかガダルカナルのジャングルに隠蔽する事に成功するのである。

 これらの揚陸作戦で陸軍が想定した兵力(兵員約二万、火砲200門以上、一個戦車連隊)には程遠い揚陸であったがそれでも兵員約二万、改造三八式野砲16門、九一式十サンチ榴弾砲12門、九六式十五サンチ榴弾砲24門、九二式十サンチ加農砲8門、九七式中戦車36両、九五式軽戦車12両の揚陸に成功している。

 またこれまでの戦訓により九七式曲射歩兵砲が大量に揚陸されておりその数は陸戦隊のと合わせて100門近くであり砲弾も大量に揚陸され配備されているのである。

 そして陸軍の総攻撃に合わせて海軍もガダルカナル島及びその近海に遊弋すると思われる敵機動部隊を撃破するために近藤の第二機動部隊がトラック諸島から出撃するのであった。


(問題は陸軍の総攻撃の時間だが……)


 トラック諸島を南下中、近藤は旗艦『加賀』の艦橋でそう思う。史実でも川口少将が罷免されたりして指揮系統や通信系統がバラバラになりそのままバラバラで突撃する羽目になったのだ。その結果は惨敗である。


「陸軍の総攻撃前より先に機動部隊で飛行場攻撃を仕掛ける」

「ですな。飛行場を叩いた方が陸さんも安心するでしょう」


 近藤の案に白石らも頷きガダルカナル飛行場への航空攻撃は決まったのである。なお、第二機動部隊の陣容は以下の通りであった。



 第二機動部隊

 司令長官 近藤信竹中将

 参謀長 白石少将

 主席参謀 千早正隆少佐

 航空参謀 吉岡少佐

 旗艦『加賀』(修理中)


 第五航空戦隊

 『加賀』

 【零戦27機 彗星27機 天山27機 二式艦偵3機】

 『雲龍』

 【零戦24機 九九式艦爆18機 九七式艦攻18機】

 第六航空戦隊

 『葛城』

 【零戦24機 九九式艦爆18機 九七式艦攻18機】

 『龍鳳』

 【零戦24機 二式艦偵6機】

 第一戦隊第二小隊

 『長門』『陸奥』

 第二戦隊第二小隊

 『伊勢』『日向』

 第七戦隊第二小隊

 『鈴谷』『熊野』

 第一護衛戦隊

 『五十鈴』『名取』

 第七駆逐隊

 『朧』『潮』『漣』『曙』

 第十七駆逐隊

 『浦風』『谷風』『磯風』『浜風』

 第六十一駆逐隊

 『秋月』『照月』




 第二機動部隊は10月13日付で空母『葛城』を加えていた。『葛城』は10月1日に就役したばかりの最新鋭空母であり早期投入をしては難ありではないかとGF司令部でも揉めたが山本の「投入するのは決定事項である」という鶴の一声により第二機動部隊編入になったのである。ちなみに『葛城』は史実だと機関の予算不足で32ノットであったが、この『葛城』は予算不足は無く34ノットの高速を出せるのである。

 また、『龍鳳』を完全な防空空母とし零戦と二式艦偵で編成し索敵能力を高めるのである。

 第二機動部隊は10月23日までにガダルカナル島近海に侵入し黎明での航空攻撃を実施した。この攻撃には高度10メートルの低空飛行でガダルカナル島まで接近しレーダーの探知を掻い潜っての攻撃であり完全に奇襲攻撃となったのである。


「やった!! 海軍さんがやったぞ!!」


 ジャングルから戦況を見ていた第二師団の将兵達は歓喜の声を挙げるのである。そして敵機動部隊もガダルカナル島に接近していたのである。






御意見や御感想等お待ちしていますm(__)m

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― 新着の感想 ―
葛城は史実では飛行甲板に直撃弾受けてたが唯一の空母の生き残りてかつ稼働状態であったから復員船として多数を帰国させた、
プロローグとはかなり艦隊編成が変わってませんか⁉︎ 隼鷹型2隻はずっとインド洋なのかな?
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