漫画
ふと、二番目のいい話…は?
と思っていたら艶元さんが、
「あ、そういえばマネージャーさん。もう一ついいお話あるんじゃなかったですか?もしかして、栗が丸々入ってるって言うのが二個目のいいお話でした?」
と栗をモグモグした。
あー…そういうこと。
とオレも納得しつつあった。
するとマネージャーさんが、
「あっ、そうそう!メインはそっちだった」
と立ち上がった。
そしてたくさんの漫画がオレたちにそれぞれ渡された。
おぉ、今大人気の漫画じゃん。
「えっ、この漫画読んでいいんっすか?」
と喜ぶオレ。
艶元さんも、
「わぁ〜、わたしお試し読みまでしか読めてなかったんで嬉しいです。チャージしたいけどどうしようって一週間悩んでたんですよ」と。
え…
お試し読みまてでストップするなんて、なんて艶元さんらしい。
お金があるからってすぐに使わないで倹約家なところ、魅力的だ。
てか、なんで漫画⁈
と喜びつつも違和感…
と不思議がっていたらマネージャーさんが
「実は、この漫画テレビ放送決定したんですよ。で、ぜひお二人に新曲をとのお誘いが来ました‼︎」
と万年の笑みのマネージャーさん。
「えっ?映画みたいに選ばれるとかじゃなくてですか?」
と聞くと、
「そうなんですよ。今回は、ほぼ決定オファーなんです‼︎おめでとうございます‼︎」
と言われた。
あ…、もしかして今こそモンブランケーキ出すのがよかったんじゃね⁉︎
てか‼︎
アニメの曲をオレたちが⁉︎
えっ…⁉︎
すごくね⁉︎
えぇええっ⁉︎
脳内テンパリ…
一人テンパっていると艶元さんは、
「この本大事に読まさせていただきます。」
と両手で胸に抱えた。
そんなに読みたかったんだ…。
大事そうに抱える艶元さんを見て、マネージャーさんが
「その本は差し上げますとのことだったのでご自由に気になるところは付箋なり書き込みして曲つくりに励んでくださいね。」
と付箋とノートとペンを渡された。
おぉ、なるほど。
と納得していると艶元さんは、びっくりした顔で、
「い、いただいていいのですか⁉︎」
とマネージャーさんに聞いていた。
「はい。どうぞ」
とニッコリするマネージャーさん。
そして喜ぶ艶元さん。
か、かわいい…。
本もらっただけでそんなに健気に喜ぶなんてかわいいよ。
と、本をもらってホクホク顔の艶元さんを見てオレも心がホクホクになった。
続く。




