不思議
パソコンのとある文字がオレの目に一瞬にして飛び込んできた。
採用‼︎の文字だ‼︎
採用ーーー‼︎
さ…採用されていたーーっ‼︎
三人で顔を見合わせたあと、また三人同時にパソコンを覗き込んだ。
「ええ〜〜っ⁉︎」
オレは信じられなくて思わずえ〜っ?の連発多発中。
艶元さんは、
「夢じゃないよね?起きたらまだ発表前とかさ?」
とまたパソコンを覗き込んだ。
そして、写真を撮っていた。
マネージャーさんは、どこかに電話をかけに行った。
…
オレもまたパソコンを確認。
やっぱり…やっぱり何度見ても、えええええええ〜っだ。
その日は、もう脳内が興奮していてなかなか寝付けなかった。
次の日もまだ脳内は、整理不可能だった。
いつ、きちんと理解できるのだろうと思いつつ…いつのまにか映画上映日。
オレは艶元さんと映画を観に来ている。
ただのデートだ。
もうこの映画は、何回も観ているけどでも実際に映画館で観て何かをあじわいたかったのだ。
優越感に浸りたいみたいな?
艶元さんは、ポップコーン目当てらしい。
自分でそう言っていたし。
まぁ、よく食べる艶元さんは嫌いじゃない。
むしろ大好きだ。
オレはとにかく艶元さんが大好きなのだ。
だからどうした⁈と誰かにきかれても困る。
映画に集中しよう。
…
そして映画を観ていたんだけどー…
うわぁ〜、ヤベー…
オレたちの曲が流れ出した途端オレはゾワゾワぁ〜っと鳥肌がたった。
なんか不思議ー。
オレの声…そして艶元さんのギター、さらにオレと艶元さんのハモリ…。
と、鳥肌がとまりません…
ゾクゾクしっぱなしです。
もう鳥になるんじゃね⁉︎ってくらいオレのからだは、驚きと不思議体験の連発だ。
すげ〜し、感動だし…。
え〜…、やばいなー…不思議すぎるだろ…
オレの声だぞ⁉︎
映画館にオレのうたってる声が…
野原でストレス発散でうたってたあの頃のオレを思い出した。
…あの頃は、うたうのが自分へのストレス発散だったけど、今はまた違う感覚だ。
学園祭でバズったとき、癒されますとか気持ちが落ち着くとか色々コメントいただいたが、これはもう…自分でいうのもなんだが…癒しだ。
映画を観ながらこの曲を聴くと、なんかすんなり心にしみるわぁと実感。
オレと艶元さんって天才だわぁ。
って…艶元さん⁉︎
不意に隣を見ると…
続く。




