紅茶
ドキドキしながら準備完了で艶元さんもドキドキしながらやってきた。
あぁ…この結果次第で運命が大きく変わるかもしれないんだ。
あと数分…
もうパソコンは、スタンバイオッケーだ。
数分後…この画面にオレたちの曲の評価が…
頑張ったからダメだったとき結構へこむだろうなー。
意外と自信作っていうか、映画に沿った曲なんだよなぁ。
いい曲なんだよなぁ。
プレゼンしたかったなぁ。
…
でも、こればっかりは自信作だとしても審査員の方々の心に刺さるものがなかったんだったらどうしようもないよな。
第三者になってみてわかることってあるもんだよな…。
客観的にみたらどうなんだろう?みたいな。
…
とにかくあと数分なんだけど、一分が過ぎるのがものすごく遅く感じる。
楽しいことをしているときは、あっという間なのに、こんな時は…とにかく六十秒がやたらと長く感じる。
まだ、一分も経ってない⁉︎みたいな…。
「なんかドキドキするね」
と言いながら艶元さんはアツアツの紅茶をすすった。
⁉︎
紅茶⁉︎
いつの間にーー‼︎
マネージャーさんは、動きがいつも機敏である。
オレの前にも紅茶が用意されていた。
…
気づかなかった。
紅茶に砂糖を入れて飲もうとカップを顔の前に近づけると…‼︎
こ、これは‼︎
思わずマネージャーさんをパッとみたオレ。
「わかるぅ?風味からしていつもと違うでしょ?」
とマネージャーさんがニンマリとした。
すると、艶元さんが
「あ〜、なるほど〜」
と言いながらまた紅茶を一口クピリと飲んだ。
そしてオレが、
「アップルティー好きなんですよ。」
と言いながらアップルティーを一口飲むと艶元さんが
「えっ⁉︎コーヒーか紅茶かってことじゃなかったんですね⁈」
と驚いていた。
…艶元さん。かわいいかよ⁉︎
まったく天然の艶元さんは、かわいくてすごく和む。
そんな艶元さんのおかげであっという間に発表のお時間…。
三人でパソコンの前へ…。
ドキドキドキドキ
…
そして、そして数ヶ月焦らされようやくそのときがやってきたのだった。
いざ‼︎
クリック‼︎
マウスからカチッと音がなった。
「「「えええっぇーーー‼︎」」」
思わず三人で顔を見合わせた。
続く。




