おてて
遊園地デート。
すでに電車から見えるさまざまなアトラクション。
テ、テンションが上がってくるのが自分でもよくわかる。
やっぱり絶叫系は外せない!
でも、初めから飛ばしすぎるのもダメだろう…。
艶元さんも出だしから張り切るタイプじゃ無さそうだしな。
とりあえずはじめは、心臓慣らしだ。
軽めの緩いアトラクションから攻めていくのが無難だろう。
入場チケットを購入していざ‼︎
入り口をくぐり抜けると黄色い声があちらこちらから聞こえる。
すれ違う人たちは、皆ウキウキ顔だ。
オレもウキウキ顔かな?
鏡ないし、そこらへんはわからないけど…でもやっぱり心が踊っていることは間違いない。
「艶元さん、なんか乗りたいのある?」
艶元さんは、さまざまなアトラクションを見上げて、
「あれがいいな!」
と指差した。
そこそこ絶叫系…
意外と飛ばすんだな…艶元さん。
ま、オレも絶叫系好きだしいっか。
「じゃ、行こっ」
オレはテンションが上がっていたので思わず艶元さんの手を握っていた。
行こって言ったとき…思わず握っちゃったけど…振り払われてないしいいよね⁉︎
それにデートだもん…いいんだよね⁉︎
内心ドキドキしながら手を繋ぎ続けた。
アトラクションに並んでる間も繋がれたてとて。
はわわぁ〜。
艶元さんの手細くて少し冷たい。
あー…、繋がってるわー。
待ち時間がこんなに幸せってアリかよ⁉︎
幸せすぎてあっという間に順番がまわってきた。
…
アトラクションに乗ったらもう手…離さなきゃだよな…。
仕方なく手をスッとさりげなく離してアトラクションに乗り込んだ。
あーあー…。
待ち時間がオレにとっての最高のアトラクションだったんじゃね⁉︎
なんてガッカリしていると艶元さんが
「ねぇ、こわいから手繋いでてもいい?」
なんて言ってきたじゃねーか‼︎
マジか!
最高か‼︎アトラクション‼︎
てなわけで、アトラクション中もおててを繋がせていただいた。
キャ〜って落ちる時は、ちょいギュッと握り、緩めのところでは包み込むように繋いだり、もう全集中はアトラクションではなく手にオレは全集中だった。
「はぁ〜…すごかったね」
と、お互いアトラクションを楽しんだわけだが、手は繋がれたままだった。
このまま一日繋いでてもいいっすよね⁉︎
ね?
てなわけで、おてて繋いだまま今度は鏡の国へと突入であります。
鏡の国でまさか…まさかのことになるなんて…
続く。




