お札
そんな選考待ちのなか、オレたちはお給料とやらをいただいた。
銀行に行き通帳を確認。
…え?
ええええええええぇぇ⁉︎
えっ⁉︎
こ、これは…
友達のバイト代を事前に聞いていたから、この金額をみてオレは驚愕した。
友達の何倍だよ⁉︎
気配も感じないのに後ろをキョロキョロ…い、いいんですか?
こんなにいただいてもいいんですか⁉︎
オロオロ…ワタワタすること数分。
とりあえず諭吉さん一人を大事にお財布にしまった。
諭吉さん。
なんだか、オレの財布に諭吉さんが入っているなんてなんだかお財布が高級感あふれるものに感じるじゃないか、なんてほっこりした。
この諭吉さんで親の大好きなヤキトリさんでも購入しようか。
ねぎまがいいな。
ここは、贅沢に塩とタレどっちも買って帰ろう。
妹のゆいは、苺大福が大好きだからそれもデザートで購入しよう。
あ、モンブランもいいな。
というわけであっという間に諭吉さんが樋口さんと野口さんになりました。
安定の野口さん。
野口さんがたくさん増えました。
数名の野口さんをお財布にしまい、ヤキトリと苺大福をテーブルにのせた。
「うわぁ〜、ヤキトリに苺大福だぁ。なんならモンブランのおまけ付きだぁ〜」
と妹は、とても喜んでくれた。
もちろん両親もありがとう。とほっこり顔をしていた。
みんなの喜ぶ顔がオレの心をどんどんホクホクにしてくれる。
素晴らしい‼︎
ありがとう。
諭吉さん、樋口さん、野口さん。
三名の皆様に感謝しながら、オレは家族と美味しい夕食を堪能いたしました。
艶元さんは、初のお給料で何購入したんだろうな。
明日聞いてみよっと。
お腹も心もホクホク。
そして、今日母さんが布団を干してくれていたのでからだもホクホクだった。
ぐっすり眠った朝は、からだがスッキリしたぁ〜と言わんばかりの軽さ。
今、五十メートル走ったら新記録が出るんじゃないかって思う。
うん。思うだけ。
そして、空はどんより曇り空だけどオレの晴れ晴れしい心の状態で傘を持ち登校。
傘を忘れてびしょ濡れで帰ると母さんがとってもオコになるからな。
それだけは、避けたので傘は必須アイテムだ。
で、朝昇降口で艶元さんに会った。
「おはよ」
と挨拶すると艶元さんが
「あ〜、おはよう」
と女神みたいな美しい笑顔でオレにこたえてくれたじゃないか。
はぁ〜、朝から幸せ♡
もう今すぐにでも抱きつきたいわ。
オレたちが肉まんの具だったらよかったのに。
ギュウギュウにくっつけるし、皮に包まれてるから人の目気にしなくていいし。
ま、くわれたらおしまいか。
続く。




