声
歌い終わると…
えっ⁉︎
艶元さん⁉︎
な、泣いてる⁉︎
どうしたの⁇
ってか、マネージャーさんも目がうるんでるよ?
「あのー…、二人とも…」
とオレが困っていると
「「すごい‼︎」」
とマネージャーさんも艶元さんも同時に言った。
え?
「すごい?」
と聞くとマネージャーさんが
「感情こもってていいよー」
と褒めてくれた。
そして艶元さんなんか、
「声がすき〜。半音上がるところとかもう最高にキュンキュンしちゃった」
と言ってくれた。
「そうそう、声は人それぞれ違うからねー」
とマネージャーさんがいうと艶元さんは、
「わかります、楽器じゃ出せない音ってほんとにすごいですよね。わたし瀬野くんの声がほんと透き通る感じで大好きなんです‼︎」
なんて言われた。
な、なんか恥ずかしいなぁ。
なんて照れていると艶元さんが
「わたし、実は…」
と神妙な面持ちで何を言い出すのかと思えば、
「実は…昨日気づいたのですがわたし…きっと…瀬野くんのおかげで気づけたことがあるんです。」
と視線を床に落とした。
えっ⁉︎
何⁉︎艶元さん…
何に気づいたわけ⁉︎
待って…
え…
こわいこわい…
もしかして、オレの声が好きでオレ自体がそんなに好きじゃなかったとか⁉︎
えっ⁉︎
今からオレフラれる⁉︎
と心から動揺していると、
「わたし…声フェチかも♡」
といいニッコリした。
「あー‼︎わかる‼︎」
とマネージャーさんも共感しだしたよ?
えと…
つまりは…
やっぱり…
と落ち込んでいると、
「あー、すべてが素敵な彼氏でわたし…幸せすぎます。こんなに幸せでいいのですか?」
とマネージャーさんに聞いていた。
ホッ。
あーよかったー…
声のみとか言われてフラれるかと思ったよー。
と安心した。
とホッとしていたらマネージャーさんが、
「若いっていいわぁねぇ」
と言いながらお茶をすすった。
お茶⁉︎
いつのまに‼︎
とびっくりした。
魔法使いかよ⁉︎
それともマジシャンかよ⁉︎ってくらいいつ用意したのかわからないくらいの早技だった。
しかも、アツアツのお茶がいつのまにかオレたちの前にも用意されていた。
マネージャーさんすごっ…。
なんて驚いていたら艶元さんも、えっ⁉︎お茶⁉︎いつのまに⁉︎みたいな表情をしていた。
そして、三人でお茶をすすりながら曲の最終チェック。
というよりか…もう音楽鑑賞だ。
手直し不用だが、何度もリピートされる音楽。
…な、なんか恥ずかしくね⁉︎
いまさらだけど、オレが歌ってんだよね…
そんなに何回もきかれたら恥ずいってー。
で、ついに…
ついに…
続く。




