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肩揉み

 艶元さんは、遠慮したけどこんな鎧をずっとまとっていたらいつか大変なことになるに決まっている。

 なのでオレは、

「艶元さん…オレ今まで全然気がつかなくてごめん。少しだけオレの気がすむまで時間ください。」

 とお願いして肩を揉ませていただいた。

 

 マジですごいな…

 頭痛とかないのかな?と聞くと、実は頭痛持ちで薬は必ず持ち歩いていると言うじゃないか…。

 

 …オレ彼氏なのに全然ダメじゃん。

 

 ダメダメの恩返しに、念入りにマッサージを全力でした。

 

 すると少し凝りがほぐれてきた。

 

「あー、いいわぁ♡」

 と艶元さんがいうといきなりドアがバタンとあいた。

 

 で、

「おい‼︎二人ともーー‼︎」

 とマネージャーさんが入ってきた。

 

「「え?」」

 と振り向くとマネージャーさんは、

「あー…、なるほどね」

 と何か勘違いした様子だった。

 

 そして、申し訳なさそうに

「勘違いしました…」

 とドアをしめようとした。

 

 なのでオレはすかさずマネージャーさんに

「あの、オレは艶元さんが大切だからその…そういうことは、ちゃんと自分が自立して艶元さんを守れるようになるまでは…そういうことしないって決めてて…でも、イチャイチャくらいなら…みたいな…」

 と言っている途中に気づいた。

 

 艶元さんが目の前にいるのに…オレってばいきなり何の宣言し出したんだ…と恥ずかしくなった。

 

 するとマネージャーさんが

「うん、良い心がけだ‼︎」

 と親指をビシッと立てた。

 

 そして、ドアをしめて出ようとするマネージャーさんがドアの隙間から

「うちは旦那さまを、こうツリーさんと呼びます。そして娘をメリーフと呼びわたしはみちこサンと呼ばれております。みんな、木と葉っぱと太陽が呼び名に入っているのですよ♡」

 とドヤ顔した。

 

 で

 

 …

 

 パタンとドアがしまった。

 

 

 …

 

 

 てか、オレさっき艶元さんの前で変な宣言しちゃったんだよな。

 

 えと、空気が…

 

「あの…艶元さん…」

 とオレが言葉に困っていると

「瀬野くん、ちゃんと考えてくれてありがとう!」

 と艶元さんがオレに抱きついた。

 

 おぉう♡

 いきなりのご褒美。

 

 オレは艶元さんを抱きしめて

「オレ、もっと頑張るからね」

 と言った。

 

 すると、

「もう、肩凝りほぐれたから大丈夫だよ」

 と言われた。

 

 …そっちの頑張るからね、じゃなかったが、まぁ…よしとしよう。

 

 というわけで、やっぱり艶元さんの鋼の鎧をまとわさないように握力を鍛えてこれからどんどん艶元さんの鎧を、マッサージではがそうと夜な夜な筋トレに励むのでした。

 

 続く。

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