マネージャーさん
ひと休みしたら、だいぶ乗り物酔いも落ち着いた。
何も乗ってないのに乗り物酔い…
こんなんで乗り物酔いしてたら先が思いやられてしまう。
もう少し筋トレして鍛えねば‼︎
と筋肉が関係しているのか、わからないが意気込んでいるとマネージャーさんがドアの前で
「ノック、ノック」
と言ってきた。
…普通にドアコンコンってしてくれたらいいのに。
その口頭ノックになんの違和感も持たない艶元さんが、
「はぁーい」
と返事をした。
すると、片目だけこちらを除きオレと艶元さんがいることを確認すると
「お邪魔しまーす」
と小声で入ってきた。
…警戒心強い猫かよ⁉︎
ってくらい恐る恐る入り、あるくマネージャーさん。
えと…
なぜ忍び足…?
と思っていたらマネージャーさんがいきなり親指をピーンと立てて、
「スッバラシイよ‼︎アナタタチテンサイかよ⁉︎」
となぜか片言で言った。
しかも、忍び足からのいきなりのテンションで、オレと艶元さんは一瞬ビクッとなった。
「あぁ、若者たち…驚かせてごめんね」
とマネージャーさんは、いつも通りに戻った。
「「はぁ…。」」
オレと艶元さんは、一応返事したものの…マネージャーさんに圧巻されて若干、心がフリーズを起こしていた。
そんなオレたちを気にせずマネージャーさんは、オレたちの目の前に座り
あぁ、このソファ座り心地いいわあぁ的な顔をしたかと思うと、
「この調子でいける⁉︎」
と聞いてきた。
…えと。
「はい、わたしは大丈夫ですけど…」
艶元さんがオレの顔をチラリとみた。
「あ、オレも大丈夫っす!」
と復活をアピールした。
そして、また作業開始してたんだけど…
「定時になりましたので失礼致します。」
とマネージャーさんがぺこりとお辞儀をした。
「「お疲れ様でした」」
とオレたちがぺこり返しをすると、またぺこりとして帰っていった。
マネージャーさんは、時間ぴったりにいつもお帰りになる。
ある意味感心してしまう。
そして、オレたちもきりがいいところでいつも終わりにする。
そんなある日、定時過ぎてもまだ残業していたマネージャーさん。
「あれ?マネージャーさん定時過ぎてますけど大丈夫ですか?」
と聞くと、
「はい!本日は、旦那さまが娘ちゃんお迎えに行ってくれてるので大丈夫ですっ」
とかわいいポーズで返事してくださった。
あ…娘さんいたのか。
てか、結婚してたのはびっくりだ。
なんて思っていると艶元さんが、
「素敵な旦那さま〜」
とうっとりした。
するといきなりマネージャーさんが
「旦那様は、木です‼︎子どもは葉っぱ。そしてわたしは、それを照らす太陽です‼︎」
と言い出した。
「え?」
とオレが言うと、
「木は軸です‼︎軸がしっかりしていないと葉っぱは、育ちません‼︎そして太陽がないと軸は、大きくなれません‼︎そこで、問題です‼︎これは、どう言う意味かわかります?」
とマネージャーさんがオレを見た。
…
続く。




