ハモって
艶元さんの歌声がオレの脳内で絶賛三万回再生中に、マネージャーさんがいきなり
「お二人が重なったらすごくないですか⁉︎」
と言い出した。
えっ⁉︎
か、重なる⁉︎
ん?
んんんンンンンんんんんっ⁇
何、重なるって…
オレも艶元さんもフリーズを起こした。
うん。
そりゃ、そうなりますよね…
マネージャーさんは、いきなりどうなさったのでございますか?
と、無言のままマネージャーさんをじっとみた。
すると、
「ちょっと、さっきのサビの部分ハモッてみてもらえます?」
と言いながらマネージャーさんがハイ‼︎という感じで手をパッと前にだした。
あー、声が重なるね…と思っていたら、
指をチクタクとさせだしたマネージャーさん。
「いち、にー、にーいちさんしー」
と、リズムを取り出した。
えっ⁈
リズム取りずれー…
一からニは、わかるよ。
でもさ、ニからまた一で…いきなり三、四って…
いつが始まり⁉︎
なんて困っていると、
「はい‼︎」
とチクタクしていた指がいきなりこちらに向けられた。
…
もう数字関係なくない?
もう、ハイだけでいいんじゃ…
なんて思いながらもサビをハモッた。
「ポップコーンの雪を〜、あの日君と肩をよせあい窓からみたよね、弾けるあの瞬間をスローモーションにして何度もみたよね。そして、オレたちはスローモーションよりも時が遅くなったよね〜」
ハモリ‼︎
おぉう。
スゲー‼︎
自分でいうのもなんだけどさ、いいハモリなんですけどー。
曲も穏やかメロディだし、ポップコーンも映画のシーンに出てくるし、雪のあのシーンも思い出させる歌詞。
もう最高じゃん。
と、ひとり感動。
と…思いきや、マネージャーさんが一番感動していた。
「すごいです‼︎お二人がハモッたらいいかもなんて閃いたのですが…まさか…まさかこんなに素晴らしいハモリになるなんて…誰が、一体だれが予想したでしょうかっ⁉︎」
と、大興奮だった。
なんか、リポーターか!ってくらいの演説をしながら感動していた。
エアーマイクもギュッと握りしめてましたね…
マネージャーさん…なんかすごいなと圧巻されてしまった。
まぁ、でもそんなに褒められたら悪い気はしないよね。
とりあえず今日はサビもできたし、お開きにしましょうとなった。
まだ製作日は、たくさんあるのだけれども意外と早く曲が完成しそうだ。
家に帰り残りのポップコーンを頬張った。
ポリポリ、モグモグ。
美味しいけど、喉乾くね。
にしても…艶元さんポップコーン食べるペース早かったなー。
なんか小動物みたいで可愛かったわーと、思い出しては、ニタニタするオレなのでありました。
続く。




