ご協力に感謝
校長先生…いや、ジャムさんは
「あなたたちは、まだ学生でもあります。なので…」
とまでおっしゃると、ゆっくりと左右の手を握り一人恋人繋ぎ状態のまま、その手をアゴにのせた。
ポヨンとアゴのお肉が揺れ、そのお肉をみんな凝視した。
かと思うと、その手を静かに下に下ろしてこう続けた。
「どうでしょう。学生の間は、プライベートも大切なのでこの際…」
と言い出してまたアゴに手を…
ポヨンとまたお肉が揺れた。
この際…何?
何言われる⁉︎
ポヨンと揺れるアゴを気にしつつ、オレはゴクリと息をのんだ。
やっぱりジャムさんは、反対意見?
校長先生に反対されたらやっぱりそれは…
とドキドキしていたら、
「この際、顔は明かさずに着ぐるみデビューしては、どうでしょう?」
との提案だった。
ホッ。
その一言をきいてやっと普通の呼吸ができた。
結局ジャムさんも賛成してくださるのか。と安心した。
うん。 たしかにその方が安全かもしれない。
でもさ、もうこの学校では顔バレしてますよね?と思ったがそこは全く問題なかった。
なぜなら、生徒会の方々がオレたちを守ってくれたのだ。
どのような守り方かというと、全校集会でデビュー決定のお知らせと、顔バレの画像は流出しないように、学校生徒みなさんで二人を全力で応援しましょう‼︎と言ってくださったのだ。
そして、その通りに全校生徒みなさんがオレたちに全力で協力してくれたのである。
なので検索してもオレたちの顔バレは、していない。
素晴らしい団結力だと鳥肌がたった。
でも、無事みなさんの協力もあってオレと艶元さんは、契約を結び来週ついにデビューするのでありました。
…ついにデビューかー…。
深夜のカーテンの隙間から月明かりがさしていた。
そのカーテンの隙間をボーっとみながら思う。
まだ高校一年生。
オレは、髪を切って艶元さんと出会い、互いの秘密の趣味から意気投合してオレは歌い艶元さんは、ギターをひいた。
学園祭のカップル企画からのまさかのデビュー。
これから一発屋で終わるのか?それともこのままいい感じで進んでいくのか。
…大学。
艶元さんは、大学どうするのだろう。
オレはまだ一年生だったこともあり、ただこのまま大学に行き、やりたいことを見つけていけたらいいな。くらいにしかビジョンがなかった。
それが、いきなりのデビューだからな。
そんなことを考えていたらいつのまにかうとうとしていた。
続く。




