不安
オレは家に帰り、一応親に相談した。
すると、自分の人生だしもう子供じゃないのだから好きなようにしなさい。わたし達は、どんな未来を選んだとしてもあなたを応援するから。
なんて言われた。
そっかー。
…もう高校生は、たしかに焼肉行ったとき、大人料金だったもんなー…。
バイキングも大人料金だったっけなー。
と改めて大人料金を通して認識した。
艶元さんは、親にどう言われたのだろう。
あんなに喜んでたのだから、反対されてないといいけど…。
その日の夜は、コーヒー飲んだわけでもなく、水風呂に一時間浸かったわけでもないのに、なかなか寝付けなかった。
嬉しい反面…不安がとめどなく押し寄せてきていたのである。
人気者になったらお金持ちには、なれるかもしれない…。
でもさ、お金あるからって誰かに狙われるかもよ?
それに、人前で歌って歌詞間違えて消えろとか叩かれたりしない?
消えろ消えろって、毎日消しゴム送ってこられたらどうする?
…
で、
なにより一番の心配は…
艶元さんが有名になって、どんどん素敵になって…オレから離れちゃうんじゃないかってことが一番の気がかりだ。
有名になるってことは、それだけだれかに見られているんだ。
艶元さんは、美人だから…
…
だから、ザニーズとかに…
ザニーズに…
…
あぁ…
ザニー…ズ…
イケメン勢揃いのザニーズに囲まれて艶元さんが嬉しそうに笑って…る。
待って‼︎
艶元さん‼︎
行かないで‼︎
置いてかないでーー‼︎
ドサッ
…
え?
あぁ…夢か。
「行かないでじゃないわよー、遅刻するわよ‼︎早く行きなさい‼︎」
と頭を軽くペシんと母親に叩かれた…
…うん。
行きます。
ドアをあけると清々しい晴天が広がっていた。
…
こんなに晴天なのに、オレの心は今にも雨が降り出しそうなどんよりとした曇り…。
…
あ‼︎
わかった‼︎
雨が降り出しそうなら傘があればいいんだよ‼︎
そっかぁ。
傘だよ!
かーさ‼︎
はい?
傘?
何言ってんだよって⁇
何って、モヤモヤして前に進めないでいるよりも、安心というなの傘を持っていれば大丈夫なのさ。
つまり、自信を持てばいいのさ‼︎
安心というマントを羽織ろう‼︎
そう!
オレは、艶元さんが離れることだけを恐れるのじゃなく心から艶元さんを大切に、そして心から愛して悔いが残らないようにしよう‼︎
と心に誓った。
もし、それでも艶元さんが離れていってまったのなら、それはそれで仕方ない。
でも、オレは精一杯頑張ってのそれなら悔いはない‼︎
うん‼︎
青空の下、清々しい気持ちで学校へと向かった。
続く。




