予感的中
いい案がやっぱり思い浮かばない…
そんな状況のなか、学園祭目前となった。
オレは黙々と準備していた。
すると、ともだちが青ざめた顔でオレに
「さっき、艶元さんと水樹さんがさ…廊下で話してたんだけど、なんか水樹さん艶元さんにニコニコしながら学園祭楽しみだねぇって言ってたんだよ。学園祭で水樹さん何か企んでんじゃね⁈」
と教えてくれた。
…
水樹さんに強く言うと艶元さんが危ない。
オレはとにかく艶元さんの元に向かった。
「艶元さん!」
「あ、瀬野くん。」
何事もなかったかのような笑顔をしてくれた艶元さん。
そんな艶元さんをみてオレは、つい艶元さんを抱きしめた。
そして、
「艶元さん…迷惑かけてごめん。」
と謝った。
すると艶元さんは、
「わたし、意外と強いから大丈夫だよ」
と微笑んだ。
なんてけなげなんだよ…。
ますます好きになるじゃん。
「でもさ、ほんとに我慢しないで!なんかあったらすぐ言って!オレ艶元さんが心配で心配で」
と艶元さんに言うと艶元さんは、
「うん。でもね、わたしにも考えがあるの。だから、瀬野くんはいつも通りにしていてくれて大丈夫だから」
と背中を押されてしまった。
…艶元さん。
艶元さんの作戦がどんなものかわからないけど、でも艶元さんにも考えがあるんだろう。とにかくオレは水樹さんを刺激しないように心がけた。
そして、気をもたせる態度もしないように気をつけた。
そしてついに学園祭当日。
…何も起こらないといいけど。
でも、そんな嫌な予感は的中してしまったのだ。
もうすぐ学園祭のメインイベントのカップルでのオレたちの登場三十分前で、なんと艶元さんが全身びしょ濡れになってしまったのだ…。
トイレに行こうと外を歩いていたら、いきなり二階から大量の水がバシャっと降ってきたそうだ。
その話を聞いて慌てて艶元さんの元へ向かうと、
「へへ、うっかり濡れてしまいました」
と笑う艶元さん…。
…
誰がこんなこと…
あんまり人を疑うのは嫌だけど、二階から水を水樹さんがかけるところを目撃した人がいたらしい…。
やっぱり水樹さんが…。
「お二人さん、もうそろそろスタンバイしてもらわないと…」
と、生徒会の方が慌てた様子で声かけをしてきた。
「あ、でも…」
「彼女さん、もう時間ないのでこれ着てください。」
と生徒会の方がまさかのものを渡してきたのでありました。
続く。




