スイッチオン
艶元さんの安心のためにも早く水樹さんとのことをどうにかしないと。
「あの、水樹さん」
「あ、瀬野くんっ。傷どう?」
水樹さんがオレのオデコを触ろうとしたのでオレは、手を払おうとたら…
手を捕まれた。
ん?
「いま、振り払うつもりだったでしょ?」
「あー…」
「もう、照れ屋さんっ」
なんて言われた。
…あの、それより手を離してもらいたい。
「あのさ、手」
「うん、ゴツゴツしてるねー。」
なんてオレの手をナデナデしながら、マジマジと見出した。
「もう、離してもらっていい?」
「うーん、だーめ」
…え?
じゃあ、どうすれば…
無理矢理離すとまた泣かれる可能性大だからなー…。
うーん…。
困ったなー。
もう、アメ持ってないし…
こんなところ艶元さんに見られたらヤバいだろうよ…。
…
「あ、オレトイレ行きたかったんだ」
「ふぅ〜ん、ならあたしも行くー」
…えーーっ。
あー…、なんでこんなことになってしまったんだよーー…
「あのさ、トイレ一緒に行くのはいいんだけどさ、もう少し離れてくれる?」
「えー、どうしようかなー。あんまりわたしに冷たくすると後悔するよ?」
なんて言いながら水樹さんは、ニヤリとした。
…
こわいよ。
どうしていいかわからなくていつもモテモテの男子ともだちに相談してみた。
すると、そういう子はもしかしたら裏で彼女の方に攻撃してることがあるから気をつけないといけないとアドバイスいただいた。
…たしかにオレの知らないあいだに水樹さんは、艶元さんと接触していた。
あー、どうすりゃあいい⁉︎
冷たくあしらうと危険ってアドバイスも、もらったんだよなー…。
艶元さんが心配だ。
一日中見張ってるわけにもいかないし。
どーすんだよー‼︎
オレーー‼︎
水樹さんは、休み時間とにかくよくオレの席に遊びに来る。
同じクラスなだけあって色々接点が多すぎなんだよなー…。
学園祭も近いしクラスで協力するのは、ぜったいだもんなー…。
揉め事起こしたくないし…。
でも、どうしたら水樹さんは諦めてくれるんだろう。
なんか変なスイッチ入っちゃってるんだろうな…。
スイッチ押したのって…やっぱりオレなんだろうな…。
でも、あの時助けてなかったら水樹さん大怪我してただろうし…助けて後悔してるわけじゃないんだよなぁ。
でも、困ったなー。
いい解決法が見つからないまま時間だけが過ぎていく…。
続く。




