間違い⁉︎
無事、作業再開してみんなで黙々と作業…していたんだけどー、なんか水樹さんとやたら目が合う…。
もう、そんな気にしてくれなくても大丈夫なんだけどな…。
出血もとまったし。
水樹さんは、よっぽど責任を感じてしまったのだろう。
だから、あんなにオレをチラチラと…
そして、日も暮れて解散時間。
艶元さんのクラスも、もう解散するとのことだったので、昇降口で艶元さんを待っていると…
まさかのいきなり後ろからギュッとハグされた。
んも〜、艶元さんったらぁ。
と思い、
「びっくりしたじゃーん、仕返しに濃厚なキスしちゃうぞ〜」
なんてキスしようとしたら…
えっ⁉︎
艶元さんじゃない‼︎
えぇええーーっ⁉︎
なぜ水樹さん…
なぜオレに抱きついた⁉︎
彼氏とオレ間違えたのーーっ⁉︎
水樹さん、オレ瀬野です‼︎
人違いですよーーっ⁉︎
「あっ…ごめん。オレ艶元さんと間違えて…水樹さんもオレのこと彼氏と間違えたんだ…よね⁈」
「うん…、間違え…てない。艶元さんとやっぱり付き合ってるんだね。」
「えっ、うん」
てか、間違えてないんだ…。
「あっ、あのね、さっきは…ありがとう。」
「あぁ、うん。でも全然気にしなくていいよ。オレが勝手にやったことだからさ」
というと水樹さんは、
「うん。あの…それでね、ずっと前からほんとは…わたし瀬野くんのこと好きだったの。だから…だから助けてもらったときすごく嬉しくて。」
えっ⁉︎
オレを好き⁉︎
…
「あの…でも、オレ…」
「待って‼︎返事はまだ聞きたくないの。」
「えっ、でも…」
そこにちょうど艶元さんがやってきた。
あ…
何も状況を知らない艶元さんは、
「あ、お話中ならわたし先帰った方がいいかな?」
なんて気を利かせてくれた。
「えと…」
「ううん。もう話終わりましたので。じゃあ瀬野くん、今日はわたしを守ってくれてありがとう。大好き」
と言った後水樹さんは、艶元さんの顔をチラリとみてクスッと微笑んで行ってしまった。
…
えっとぉー…
「あの、艶元さん」
「うん…」
「さっきの水樹さんなんだけど…」
「うん、好きなんでしょ?瀬野くんが」
「えっ⁉︎」
「わたし、水樹さんには負けないからって前から言われてるから知ってたよ」
なんて言われてしまった…。
えーーっ⁉︎
水樹さん艶元さんにそんなこと言ってたんだ⁉︎
続く。