間接キス
次の日の放課後…
…
生徒会のみなさんがグランドのめっちゃ隅の方でシートを敷いて会議らしきものをしていた。
…
生徒会室ありますよね?
と思いながら思わずガン見し、艶元さんと歩いて下校。
しばらく歩いた後、艶元さんが
「生徒会の人たち明日は、雨予報だから会議室の前の廊下で会議いたしますってホームページに載ってたの。毎日会議すごいよね」
と、毎日の会議に感心する艶元さん。
…えと、そこ⁉︎
まず、会議の前に場所じゃね⁉︎
「なんでさー、生徒会室で会議しないんだろう」
というと艶元さんが、
「えっ、だって会長演説のとき言ってたじゃない。秘密のない学校にしたいって。あと、いつでも生徒のみなさんが話しかけてくれるようにいつもあちこちに出現いたしますのでご安心くださいって」
と教えてくださった。
あー、だから秘密と思われないように外で会議とかしてるんだ…で、話しかけやすいように壁を作らないように外とかでやっていたのか…。
うん…。
間違っては、いない…のかな?
とりあえず生徒会の疑問も解けてオレは艶元さんと学園祭に向けての練習に励んだ。
カラオケボックスは、ドリンクバー付きだ。
毎日楽しいし、これってほとんどデートっすよね。
ありがたい。
と思いながらジュースをジュルジュル。
はぁ。
久々のリンゴジュース。
美味しい。
…
‼︎
待って‼︎
リンゴジュース⁉︎
待て待て…
オレリンゴジュースなんて汲んできてないっす…。
だってオレは、メロンソーダの炭酸割りを汲んだ…はず…。
てことは…こちらのジュースは…つ、艶元さんのだよね……。
そっとリンゴジュースを置いた。
で、バッチリ艶元さんと目が合いました。
…
「あ、ごめん…間違えて飲んじゃった…店員さんにお願いして新しいコップにリンゴジュース汲んでくるね」
慌てて立ち上がると艶元さんが、
「え、いいよー。そんなわざわざ…それにさ、わたし達…付き合ってるんだし…さ」
と、顔を赤らめました。
…あ、そうですよね?
間接キスくらい…ねっ⁉︎
キス…間接だけどキス…
ドキドキ ドキドキ
変な間が…
…
えと…、これはオレのせいですよね…
気を取り直して冗談でも言ってみましょうかね。
「あ、飲んじゃったお詫びにオレのどうぞ」
とオレの飲みかけのメロンソーダの炭酸水割りを艶元さんに差し出した。
すると…まさかの…
続く。




