コンテストのお誘い
オレたちは、なぜかベストカップル扱いだ。
「違うよ〜」
と言おうもんなら、
「またまたぁ〜」
と言われてしまう。
…
まぁ、そんなこと言われるのは有難いけどもさ。
で…
いつも通り一緒に下校していたら生徒会のお方に二人して呼び止められた。
⁉︎
オレたち何かしました⁉︎
また違うドキドキが押し寄せてきた…
心臓さん…、大丈夫ですか?
と心臓さんをいたわっている場合では、ありません‼︎
「えと…生徒会のお方ですよね…?」
「あぁ、うん。実は知っての通り半年後に学園祭があるじゃない?」
なんて言われた。
…う、うん。
知らなかった…。
でも、一応
「あー…はい。」
と返事をしてみた。
すると、
「そこで、お二人にお願いがあります‼︎」
と生徒会のお方が頭を下げた。
⁉︎
お願い?
しかも、オレたち二人に⁉︎
艶元さん単体じゃなくて⁇
美人コンテストとかのお誘いではないのかな?
「わたしたちにお願いってなんですか?」
…なんだか艶元さんワクワクしていないか?
「美男美女仲良しベストカップルにぜひ参加してもらいたいんだ」
と勧誘を受けた。
…そもそもオレたちカップルじゃないのになぁ…と困っていると艶元さんは、
「えっ、面白そう!瀬野くんでようよ‼︎」
と艶元さんは、ノリノリだった。
え?
それ…カップルが出るやつだよね⁉︎
オレたち…カップルじゃなくない⁉︎
バンド仲間っすよね⁇
出汁が出ない昆布みたいなものですよ?
いいの?
オレが彼氏だとみんなに思われてしまうんですよ?
コンテストに参加したら、艶元さんの彼氏としてオレ認識されますよ?
いいの?
オレだよ⁇
このコンテストに出れば艶元さん、瀬野は、カップルだとあっという間に浸透するだろう。もう、テーブルに水滴垂らしてティッシュをおいたら一瞬で水滴がティッシュに浸透するくらいのあっという間であろう。
…オレはいいけど、艶元さん…いいのかな⁇
「艶元さん、これに出たらオレたちカップル認証されちゃうよ?」
「うん、いや?」
⁉︎
えっ⁉︎
嫌なわけあるまい‼︎
「ううん、オレは嬉しいけど…」
「じゃ、いいよね?でよ⁉︎ね?」
やたらと積極的な艶元さん。
ま、艶元さんが出たいならいっか。
「じゃあ、参加ということでよろしいお願いします。」
と生徒会の方にお願いした。
続く。