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感動

 そのお願いは、まさかの…

 

「一緒にバント組まない⁈」

 だった。

 

 …え?

 

 艶元さんとバンドを組む⁉︎

 

 オレが⁇

 

 待て待て…。

 オレいまさ…、い、いまさ…即席歌詞に黒魔術を使ってあのことキスとかふざけて歌ったから…夕暮れのスラム街で毒りんごの間接キスとかいったから…まさか…艶元さん…なんか魔法にかけられた⁉︎

 …なわけないか。

 

 でも、なんでいきなりギター練習の付き添いからのバンド組むまで話が飛んだ⁉︎

 

 

 でも…艶元さんのギターには、正直感動した。

 全身で曲を感じたのは、間違いない。

 

 てかさ…もう即席コラボしたとき…正直…艶元さんと一体化した感覚に陥ってしまった。

 

 もうなんだろ…

 以心伝心みたいな…

 

 熟年夫婦くらい長くお互い寄り添って生き抜いたみたいな達成感…みたいな?

 

 

 ‼︎

 ならばもうこれは…

 

「艶元さん‼︎よろしく‼︎」

 オレが握手を求めると艶元さんは、オレの手をぐいっと引いてオレを抱きしめた。

 

 ⁉︎

 え…?

 

 オレに抱きついた艶元さんは、

「嬉しい」

 と言った。

 なのでオレも、

「うん。オレも」

 といい艶元さんを優しく抱きしめた。

 

 座りながら艶元さんを抱きしめたのは初めてだった。

 

 高さがちょうど良くてなぜかオレは無意識に艶元さんの髪を撫でていた。

 

 これからオレたちは、まさかあんなことになるなんて想像もしていなかった。

 

 

 熱い抱擁ほうようから一転、なんだかまだこころのホクホクは治らないまま、オレは艶元さんに聞いた。

 

「なんでさっき、オレの歌きいてやっぱりって言ったの?」

 と。

 すると、

「実は…とある日の放課後偶然きいたの。あなたの歌声を。」

「…え、それって放課後の河原のところ…」

「うん…。ちょうど靴ひも結ぼうとしゃがんだらね、歌声がきこえてきて…なんか気持ちよさそうに歌ってたから立ち上がるに立ち上がれなくて…あと、なんかずっときいていたいって思っちゃって…それでききいってしまいました。ごめんなさい」

 と謝られた。

 

「あ、いや…謝らなくても。オレが勝手に歌い出したのが悪いんだし……そっかー。きかれてたかー」

「うん…でね、それからずっと気になってね…。だからあの雨の日話せたときはすっごく嬉しかった」

 

 ⁉︎

 マジか。

 

 艶元さん…

 オレも嬉しかったよ。

 って言いたかったけど、あんまり調子に乗るのは良くないなと思いお口チャックした。

 

 続く。

 

 

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