その荷物持ちたい
入り口に少し遅れてやってきた艶元さんは制服姿とは違って、なんか…なんかめっちゃオシャレじゃん‼︎
高校生とは思えない大人な服装。
そしてあまからミックスな服装。
で、なんか…大きいものかついでおりますよ⁈
えと…それはー…。
何⁉︎
普通に考えればギターとかが入ってるんだよね⁉︎
それ、ギターでいいんだよね⁉︎
ね⁉︎
「ごめん、お待たせ!」
「あっ、ううん。そんなに待ってないから大丈夫だよ。」
「そっか。なら行こうか」
…
はい。
行きます。
でも、そのお荷物気になります。
「あのさ、重そうだね。オレ持つよ」
「ううん、大丈夫!体力つけたいし」
「そっか。わかった。」
…持ちたかった。
そして、なにが入っているのか知りたかった。
…でも、ほんとに宇宙人じゃなかったら申し訳ないよな。
普通に考えて宇宙人なわけがないんだ。
ただ、なぜオレと毎日一緒に帰ってくれるのか…謎だ。
謎を残したまま着いた場所は…
えっ⁉︎
ここ?
ここにゆいとよく来てたの⁉︎
…
その場所は、カラオケボックスだった。
えっ⁉︎
艶元さん歌うのかな?
だとしたらぜひ美少女が歌うところを見てみたいな。
でも、大きいバックに何か入っているかまだわからないからな…。
あの大きさからするとひとつしかないけどな。
「さ、着いたよ」
「あー、うん。どこかと思ったらカラオケボックスだったんだね。」
「うん。」
艶元さんは、慣れた感じで受け付けを済ませてくれた。
「部屋一番奥だね」
「あ、そうなんだ」
部屋に向かうまでの間に、各個室から歌声がきこえてくる。
みんな気持ち良さそうに歌っている。
やっぱり歌っていいよなー。
オレはしみじみと思った。
部屋に入ると艶元さんにせっかくだし何か歌う?って聞かれたけど、オレは今日付き合いできてるからな。
とりあえずお断りして、艶元さんのメインの付き合いをすることとなった。
大きなバックのチャックを開ける艶元さん。
‼︎
やっぱり思ったとおりだ。
ギターが入っていた。
でも、あんなに細い艶元さんが大きなギターを弾くなんて想像できないな。
どんな曲弾くんだろう。
続く。