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夢のうたの中

作者: 秋葉竹


  


まだ若いころ、


青葉の丘陵に登り、


朝から晩までなにもせずに、


ただ蒼空を眺め、


風の音に耳を澄ませ、


たまぁに遠くから聴こえてくる、


自動車のクラクションに、


人の気配を感じたりしたんだ。


そぉいえば、


最近この国では、


クラクションの音を聴かないなぁ、


きっとみんなが、


やさしくなったからなんだ、


泣いて、泣いて、泣きつづけている、


日々はもう終わった


頑張って、笑って、


そうやって


すこしづつでもいい


しあわせだと想える日々を


待っている。


止まってしまった時間は、


けれどいつだってすぐに動き出すよ。


暮らしという名の切なさに


すこし震えてしまう日もあったりしても、


いつだって忘れられないやさしい笑顔も、


ちゃんと憶えているからね。


あの頃も、いまも、


青葉の丘陵に登れば、


朝から晩までなにもしなくても、


ただ蒼空を眺め、


流れゆく白い雲を眺め、


そういう過ごしかたをしてもいい、


時間はあるのだから。


耳もとを通りすぎる風の神が、


心をそっと、


清く、綺麗に、青白くなるまで、


洗い流してくれることだって、


あったりしたのは、


けっして夢のうたの中の出来事なわけ、


ないんだから。


だから、


生きて、


来れた。


だから、


生きて、


ゆける。


ありったけの、


希望を、手放さず、


胸に、抱きながら。










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