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俺の異世界転生生活、開始!  作者: 黒猫丸
異世界転生
3/10

これが本当の異世界特典!?

久しぶりの投稿となりました!

よろしくお願いします!

王都の西門で商人に馬車に乗らせてもらい、馬車に揺られて20分ほどで、フリー高原に着いた。そして、レオはあることに気がついてしまった。それは——

 「俺、武器とか持ってなくね?」

 異世界転生直後に確認した通り、レオは今、無一文である。

 それに加え、冒険者になったにもかかわらず武器も持っていない。

 「う、うぅ〜。また詰んだ!」

 考えるより先に行動する悪い癖が出てしまった。

 そんな時、頭を抱えていたレオはあることを閃いた。

 「俺、異世界転生者なんだから特典で剣召喚とかあるかもじゃん?」

 考えるより先に行動。またもレオの悪癖が出ているが、本人は気づいていない。

 「うーん、とりまこんな感じか?」

 レオは右足を1歩半ぐらい下げ、腰を落とす。そのまま右手を背中のほうへ伸ばした。

 あるアニメの主人公が背中の剣を抜くポーズを真似してみたのだ。

 「まぁ、なんもねぇわな。」

 予想通りの結果にレオは苦笑し、ポーズを崩そうとした時、背中のほうに伸ばしていた右手に硬い物が触れた。

 「——っ!」

 レオは考えるより先に右手に触れたあるものを引っ張り出した。

 レオが引っ張り出したそれは、黒い棒のような物で、先端には禍々しい刃が付いている。

 「これが、召喚魔法?でもなんか違う感じがした気がするな。」

 レオが黒い棒から手を離すと、棒は薄くなりながら静かに消えた。

 「うーん、ファンタジーな感じはするんだけど、魔法って感じはしないな。」

 モヤモヤとした気持ちになりながらも、これからの冒険者としての武器は、あの黒い棒になるだろう。

 「あ、そうだ!武器に名前をつけるのは定番だよな!そうだなー。」

 武器の名前で有名なものといえば、エクスカリバーとかそんなところだろう。

 「でもエクスカリバーって剣じゃなかったっけ?」

 レオが取り出した黒い棒のような武器は、剣というよりも鎌のような見た目をしていた。

 「鎌、鎌かぁ・・・」

 鎌と聞いて最初に思い浮かぶのは、死神とかだろう。

 「死神、死神、グリムリーパー?あ、意外といけんじゃね?」

 レオはこの鎌をこれからは『グリムリーパー』と言う名前で呼ぶことにした。

 いろいろ遠回りをしてしまったが、今のレオの目的はスライム20匹の討伐だ。

 これから愛用する武器の名前も決まったことで、気も引き締まった。

 あとはスライムを見つけるだけ。 

 レオはキョロキョロと辺りを見回した。

 すると、18メートルほど先の草に何かがいることがわかった。

 レオは、足音を立てないようゆっくり近づいた。

15メートル、13メートル、10メートル、8メートル、5メートル、3メートル。 

 そこでレオは足を止めた。

 草に隠れているものの正体は、お目当てのスライムだった。

 凹凸のない滑らかな薄水色の表面で、太陽の光を反射している。

 レオはそっと右手を背中に回した。

 すると、右手に硬い感触があり、ゆっくりと鎌を引き抜く。 

 引き抜いた『グリムリーパー』の先端についている刃をスライムに向け、ゆっくりと振り上げて、勢いよく振り下ろす。

 刃がスライムを貫通した時、グシャッと不快な音が響き、スライムが音もなく光を散らして消滅した。 

 「なんか、RPGでモンスターを倒した時みたいだな。」

 スライムは雑魚モンスターとして有名だが、ここまで弱すぎるとつまらない。

 「やっぱり、他のクエストにするべきだったか?」

 しかし、やると宣言してしまったからにはやり切るしかない。

 残り19匹を討伐する。そのために他のスライム探さなくてはならない。

 レオは再び辺りを見回した。今度は後ろの19メートルほど先に3匹ほどのスライムを見つけた。

 「このまま一気に片付けてやる!」

 レオは気配を消すことなく、スライムを討伐するべく、颯爽と走っていった。


         ✳︎

 「ふー、とりま全部討伐完了!そして、報酬ゲット!」

 スライムの討伐をしたレオは『王都下町ギルド』に来ていた。

 今は、カウンターにいた女性にスライム討伐の報告をし、クエスト報酬を受け取った後だ。

 討伐した記録は冒険者手帳にいつの間にか記録されていた。倒した魔物の記録などが勝手に浮かんでくるシステムらしい。

 レオは受け取った報酬を使って晩御飯を食べることにした。場所はギルド内にある食堂だ。ちなみに、ギルドにはクエストの受付をしているが、夜になると向こうの世界でいう居酒屋として賑わうらしい。

 メニューはキャベツの炒め物に鹿肉を使ったクリームシチューだ。こう見えても、レオは健康には気を使うタイプである。

 スプーンですくったクリームシチューを口に入れる。

 「んー!これ、思ったより美味しいな。」

 クリームシチューの具はあまりないが、シチューの味がとても濃厚で美味しかった。

 キャベツの炒め物は塩味がいい具合にかかっていて、いくら食べても飽きない味だった。

 「ごちそうさまでした!」

 あっという間に完食したレオは手を合わせ、食事後の挨拶をし、食器を片してくれた店員にお礼を言い、食堂を後にした。

 今晩泊まるための宿をとりに行き、その後に今日の疲れを風呂で流した。

 「銭湯があるのはすごい嬉しいし、楽だからいいな。」

 食事、宿代、銭湯で今日のクエスト報酬を全て使ってしまったが、また明日クエストに行けば良い。

 レオは宿に戻り、早めの休息を取ることにした。

 「いろいろ急スピードで進んだけど、異世界っていいな!冒険者になって魔物を狩って、ランク上げをすれば強くなれるとかマジでRPGみたいだよなー!」

 布団に入り込み、今日のことを思い出す。

 向こうの世界で死んで、転生して、異世界に来てしまったレオだったが、また今世を有意義に過ごせるかもしれないと、心を浮かせるのであった。

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