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ジトロの目標(1)

 そんな訳で、俺は父さんと母さんの庇護から外れて独立し、冒険者として活動する事になった。


 そして、そんな俺の目標は!聞いて驚け!!!ギルドの職員、そして最終的には副ギルドマスターになる事だ。


 だって、安全な場所で色々画策?いや、冒険者達を上手く使って、安定した生活を送れる。

 素晴らしいじゃない?


 だが俺の知る限り、ギルドマスターは貴族しかなれないらしい。

 実力は関係なく、身分が関係する職業なんだってさ。けっ!転生しても世知辛い部分は有るな。


 だが、そうなると副ギルドマスターと言う手が残る。

 もちろん、ギルドマスターとして十分な能力を持っている貴族が配置される事もあるが、今まで調査した結果によると大概はクズばかり。

 とすると、実質切り盛りするのは副ギルドマスターとなる。実質的に、ギルドを掌握する事になるのだ。


 フフフ、良し。目標に向かって邁進するか。

 だが、俺の本当の能力を開示するわけにはいかない。


 前世では、妬みやら何やらで酷い目にあった記憶があるからな。

 目立つと碌な事にならないのは、この世界でも最早間違いがないのだ。


 俺は、父さんと母さんの住んでいる同じ町のギルドで冒険者登録をした。

 魔力レベルは2で登録されている。もちろん偽装を使っている。


 この魔力レベルが直接冒険者レベルとなり、今の所俺の知る限りでは神様の言っていた通り最大レベルは10だった。


 レベルの高い魔獣を討伐する事によってその力を自分の物として溜める事によりレベルが上がるのだが、この辺りにいる魔獣のレベルは低すぎるので、父さんでもレベル4以上にはなっていない。


 この町だけではなく、他の町や王都周辺でも同じような状況だ。


 無事登録も済んだ俺は、とりあえずこの町の人だけではなく他の町から来る商人や冒険者も含めて、決して人が踏み入る事のない森の奥に転移した。


 転移後、俺の目の前には壁に囲われたかなりの広さの家がある。


「ただいま~」

「「「「「「「「「「おかえりなさい~」」」」」」」」」」


 十人の美少女が俺を出迎えてくれる。

 その中には、あの木の下で保護した娘も当然いる。


 なぜ全員女の子かと言うと、どうやら男は多少危険な状態においても生き残る可能性が少々高く、そうすると魔力レベルが上がるので、将来的に売却するにしてもそのまま奴隷として魔獣と戦闘させるにしても、奴隷の主としては有益なのだそうなんだ。

 逆に、女の子の奴隷は、囮にされるケースが多いらしく、こんな状況になっている。


 ホントにクズだな、この世界。


 この娘達は、俺、そして初めの方に俺が救った娘が、その理不尽な奴隷と言う立場から解放した。

 もちろん、誰かから強制的に奪ったりはしていない。捨てられたり、囮として放置されたりしている所を救ったのだ。

 とは言え彼女達が人目にさらされると、過去に自分の奴隷だった者が無事にいる所を発見した元所有者が騒ぎ出す可能性が高いので、このような場所で生活してもらっていた。


 しかし、最近は既に自分の身は自分で守れるくらいの強さになっているので、特段町に行った時には隠れたり、変装したりする事はしていない。

 それに、最後のメンバーを救ってからはかなりの時間が経過しているので、向こうもわからないだろう。


 全員、俺に対して最大の恩義を感じているらしく、とても良くしてくれている。と共に、俺の指示には絶対に従ってくれる。

 もちろんヘンテコな指示はしていないし、するつもりもない。


 実は、最初の方に救い出した面々がいつの間にか同じような状況の娘達を救っていたので、ここまで人数が増えてしまった。

 だが、その救い方は、近くにいたであろう主従契約を行っていた者を徹底的に痛めつけるという手段をとっていたため、この人数を開放した頃にはさすがに噂になっており、同じ状況の人を、この周辺で見かける事はなくなっていた。


 良きかな、良きかな。


 奴隷を囮にするようなクズ共がどうなろうと知った事じゃないからな。

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