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ドストラ・アーデ

今気が付きました

この小説のコード


5874(オハナシ)


だから?・・・と言う話ですが

 早速このクソギルドマスターが無様を晒した日の夜、人事権をフルに活用して、ギルドには俺しかいないようにした。


 何故か夜勤担当であった職員には泣く程喜ばれたのだが、理由は良く分からない。


 そして、受付業務に関しては、非常に申し訳ないが重大な事案発生と言う事で、今日だけは停止させてもらっている。

 だが、魔獣の素材持ち込みだけは、隣の建屋で受け付ける。


 腐ってしまう可能性があるからだ。


 こちらの職員には期待を裏切られたような目で見られたので、管理職として自分の少ないお小遣いから差し入れを持って行く事により、事なきを得た。

 間違いないように伝えるが、事なきを得たのは俺の財布ではない。


 くっそ、また俺の財布にかなりのダメージを負ってしまった。

 すまないな、財布君。俺の元に来たばかりに、いつもダメージを負わせてしまって。

 その内レベルが上がる事に期待しよう


 こうして、人気の無いギルドの中。

 その地下にある牢獄に、クソギルドマスターがいる。


 俺はジトロとしてではなく、No.0(ヌル)としてこいつを尋問する事にした。

 いかんせんジトロでは、こいつに舐められる可能性が極めて高いからな。


 当然覆面をしており、演出の意味でも他のメンバー、今任務についていない中でNo.1(アインス)を連れてきている。


「おい、起きろ!」


 面倒くさいので鍵を開けずに転移で中に入り、クソに軽く蹴りを入れて起こす。


「うっ、ここは……そうか。私は任務を達成できなかったか」


 ふむ、動揺か、絶望か、状況を完全に把握しきれていない状況なので、思わず情報を漏らしてしまったのか?


「そうか、お前は任務であのような暴挙に出たのだな」


 ハッとして俺達を見るクソ。


「貴様ら、あの覆面の仲間か!」


 お、良く気が付いたな。いや、当たり前か。似たような覆面だしな。


「そんな事はどうでも良いだろう。お前にはいくつか聞きたい事がある。何故バイチ帝国の面々を襲撃しようとした?それと、あの新種の魔獣。どのようにして生み出した?」

「ハハハハ、俺をバカにしているのか?情報を漏らすくらいなら、死を選ぶ」


 偉そうに。


「いや、お前、偉そうにしているが、既に組織の命令で行動したと言う情報を喋っただろ?組織名はバリッジだったかな?」

「い、いや、あれは嘘。そう、ウソだ。貴様らのかく乱を狙ったんだ」


 グダグダだな。


「はいはい、わかった。それで?俺の質問には答えてくれないのか?」


 少しだけ魔力をクソに向かってぶつける。

 俺の感覚では魔力レベル40位のつもりだが、細かい所の制御は、今尚制御しきれていない。修行不足だな。


「ひ、ぐっ……くっ、わかった。わかりました。話します!」


 なんだ、こいつ?あっさり前言撤回しやがった。折れるの早すぎ。

 あのギルドでの薄っぺらいプライドの塊の時の行動と、何ら変わりがない。


 しかし、話してくれると言うなら、少し魔力を抑えてやろう。


「化け物め……確かに、貴様らの想像通り組織の命令でバイチ帝国の宰相を狙った。宰相ともなれば、国家の中枢。そうすれば、ハンネル王国とバイチ帝国で混乱が起き、その隙に奴隷を確保する事ができると言う作戦だ。そもそも、バイチ帝国の宰相。貴様らも知っているだろう。あいつは、薄汚い奴隷の出身だ。そんな平民以下の物体がこのハンネル王国に足を踏み入れる事自体が罪だ。そう、私は、その罪を償わせてやるために行動をおこしたのだ。平民共も、高貴な血を持つ我らの為に身命を賭して奉仕するべきなのだ。自ら奴隷になるくらいの気概が必要なのだ!!」


 言っていることが無茶苦茶だ。

 内容もふざけているが、命令されただの、自分から行動しただの。

 何が言いたいのかさっぱりわからん。


「とりあえず、お前が救いようの無いクズだと言う事は良く分かった。で、お前に命令をしてきたのは誰だ?ハンネル国王か?」

「ハハハハ、あんな豚の命令など受けるわけがないだろう。そのお方は、本当に高貴な血を大切にするお方。私などがお目通りをする事は叶わない程高みにいらっしゃるのだ。このハンネル王国のギルドにいたのも、そのお方の命令でこの国の情報をより効率的につかむためだ。我ら高貴な者達の楽園を造ると言う崇高な目的の為に、平民共の相手をしていたに過ぎない」


 いや~、クズはやっぱりクズだったと言う事だな。


「お前らの言う崇高な目的とは、お前達薄汚い貴族連中の食い扶持を生み出してくれている一般市民を無下にする行動なのだがな。わかるわけないな」


 見下すような目で、薄ら笑いを浮かべるクソ。

 一応ハンネル王国で貴族の地位を持つこいつでさえ、下っ端と言う事か。


「それで、あの魔獣はどうした?それに、お前の魔力レベル、雑魚の中ではそこそこだったと聞いているが……」

「ハハ、それもあのお方が授けて下さったのだ。あれと同じような新種の魔獣が目の前に眠っている状態でいる。それを一突きする事を繰り返すだけでここまで強くなれた。素晴らしいだろう?」

 

 なるほどね、俺達が魔力レベルを上げたのと同じような事をした…と。そして、その新種の魔獣も、こいつらが人的に作っていると言う事だな。


 魔力レベル20程度であれば、急激な上昇でも魔力回路は壊れないのか?

 認めたくはないが、こいつに才能があったのかもしれない。本当はどうなのかは、わからないが。


 コイツとの話の中で唯一の安心材料は、この件に関して、ハンネル国王は感知していない事だ。


 こいつと話をしても、俺ではこれ以上の情報を得る事はできないな。

 そもそもこいつは、大した情報を持っていない下っ端であると言う事がわかったからな。


 後は、王都に連行された後・・・・・・宰相であるトロンプ様が上手く動いてくれるだろう。

 トロンプ様はこのクソの前任のギルドマスターで、俺を副ギルドマスターに推してくれた方だ。


 国家運営を担う立場になるために、色々な所をその目で見て知識とするために、一時期ギルドマスターをしていたと聞いている。

 あのお方であれば、俺よりも有益な情報を引き出す事ができるかもしれない。


「お前がとてつもない雑魚である事は良く分かった。話はこれで終わりだ。これ以上お前と話しても雑魚故に有益な情報は持っていないだろうからな。しかし、本当にお前は残念な奴だ。もし、お前の言うあのお方とやらにお前が本当に信頼されていれば、もう少し情報を与えられていただろうからな」


 とりあえず、最後に煽っておくのは忘れない。


「そ、それで私を不安にさせたつもりか?その程度で、あのお方への忠誠は変わらんぞ」


 しっかり動揺しているくせに、何を言っているのだ?


 俺達は、最早用はないと言わんばかりに踵を返し、軽く手を振りその場を後にする。

 もちろん出る時も、超短距離の転移を使って檻から出た。


 そうそう、こいつは魔力を使えないように錬金術を得意とするド天然のNo.10(ツェーン)作成、特性魔力封じの針をしっかりと体の中に埋め込んでいる。


 つまり、今のこいつは魔力レベル0のただの人、と言う事だ。


 牢獄を後にすると、同行してくれたNo.1(アインス)の勧めで俺は休憩を取らせてもらう事にした。心が疲れたからね。


 No.1(アインス)は、あのクソを襲いに来るかもしれない面々の警戒に当たってくれている。

 彼女は天然でもないし、攻撃・防御・補助等、全てそつなくこなせる万能型なので、任せて問題ないだろう。


 あ~、疲れた。

お読み頂きありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言] 確かにやってくれたな屑宰相 刺客を手配して始末させやがったよ。
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