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頑張りすぎて疲れ切ったあなたへ  〜あなたは頑張っています〜

作者: 大和田大和

突然ですが、あなたの努力は報われましたか?


日本人は小中高と、あと人によっては大学も入れて十四年間ずっと努力し続けます。(当たり前のように!)

ずっと過酷なレースで走り続け、見えないゴールテープを目指します。


そしたら次は休むまもなく就職して、また努力しなければなりません。


努力しても努力しても努力しても、また次のミッションが現れます。


休憩も一度ももらってないし、一度も頑張りに見合った報酬はもらえない。


子供の時から周囲の人と比べられ続け、ずっと至らない点や完璧でない箇所を指摘されます。



顔が悪い。

成績が悪い。

金がない。

モテない。

性格が悪い。

肩書きがない。


本人にはどうしようもない点も、容赦も遠慮もなく指摘されます。


達成不可能なほどの理想を押し付けられ、そこに向かって走るように指示されます。


もっとがんばれ!(もうこれ以上がんばれないよ……)

ベストを尽くせ!(これがベストなんだよ……)


難関大学を出て、

大企業か公務員に就職して、

美人または美男子と結婚して、

優秀で完璧な子供を何人も作って、

馬鹿でかい豪邸を建てて、

高級車に乗って、

親孝行して、社会貢献しなさい。


それができたら次は、あなたの子供が難関大学に行けるように--以下繰り返し



親子代々、永久に終わりのない負の無限地獄に閉じ込められているみたい。

冷静に考えれば、庶民の出身からこのうちの一個でもできれば相当すごいです。


子供の頃自分ならなんでもできると信じて、キラキラした目をしていたのに、結局できないことの方が多かった。


すると、理想と現実のギャップが、まるで見えない重りのように脳を圧迫する。

親や先生がもう周囲にいないのに、自分で自分の嫌なところを数え上げる。


エスエヌエスを見るたびに、自分が小さく見える。

ユーチューバーを見るたびに、自分がショボく見える。


辛くて辛くて仕方がないのに、泣き言を言ったり、逃げようとすると、

「みんな辛い!」「甘えるな!」

と、論理性の欠いた一言。


みんな辛いからと言われても、辛いものは辛いです。



人生の過程や、中身なんて誰も見てくれない。

見るのは、淡白な数字だけ。



数字で全部決まる。


どれだけ中身が腐っていても、金さえ持っていれば勝ち。

どれだけ中身がいい人間でも、金がないなら負け。


大人たちは、過酷な競争社会を作り出して、子供の尻に火を付ける。

子供は敵だらけの社会で、ずっと比較しながら休むまもなくかけっこ。


神経をすり減らし、健康を捨てて、涙を流しながら大人になる。



冷静に落ち着いて考えれば、もう誰も得していないんですよね……


まず、金持ちになれるのはごく一部の人間だけ。すると、なれなかった人間はずっと負い目を感じて生きて行く。

そして、溜まりに溜まった鬱憤と嫉妬は、金持ちを攻撃する。


うまくいって金持ちになった人は、何も悪いことをしていなくても嫌われる。



結局これは誰が得しているのでしょうか………………?


全員が全員の足を引っ張って潰し合っているだけのような気がします。

まるでみんなで一斉に、「不幸になろう!」と言ってヨーイドンで不幸に向かっているみたい。


金持ちになれなかった人は、不幸のどん底に落ちます。

そして、金持ちになれた人も、嫌われ者になって不幸になります。


国民全員で比べ合って、攻撃し合っているみたいに見える。


生まれた瞬間から、「誰が一番金持ちになれるのかな」全国大会に強制参加させられます。

参加したいとも、金持ちになりたいとも、何も言っていないのに、それが幸せだと押し付けられる。


努力に努力を続け、苦労に苦労を重ね、嫌なことをたくさん我慢して、

理不尽に耐えて、もうボロボロになって、もう耐えられないのに、耐えられるフリをしないといけない。


あなたは幸せになれましたか? 今、幸せですか?



何もかも我慢して、金を求めてきた。

だけど、金を求めても、求めても、近寄ってくる気配がない。

むしろ遠ざかっているようにも感じてしまう……




もしこれを読んでいるあなたが苦しんでいるなら、あなたの気持ちがよくわかります。

あなたは本当によく頑張っています。


「俺(または私)のことなんて知らないくせに!」


と思うかもしれません。確かに僕はあなたが誰かわかりません。

でも同じ苦しみを知っています。


日本に生まれたら、宝くじに当たるか金持ちの親がいないと、頑張らないという選択肢がないはずです。

何をどういう風に生きても、絶対に努力しています。


具体的な辛さはわからないけど、辛いのだけは自分のことのようによくわかります。



今日からこう考えてみませんか?


周囲にいるのはあなたを蹴落とそうとする敵じゃなくて、違う方向に歩く味方。



あなたが自分の完璧ではない箇所を見つけてしまったら、

「私が悪い」じゃなくて「私の○○という一部分が悪い。私自体は悪くない」



あなた自体はなんの罪も犯していません。何一つ悪いことなんてしていません。

何も悪くないです。何にも悪くないです。


論理性を欠いて自分を虐めないでください。あなたは悪くないのですから。


日本人はみんーーーーな超のつくほどの真面目です。


勉強して当たり前、就職して当たり前、仕事ができて当たり前、結婚して当たり前、子供を作って当たり前。


普通の基準が世界一高い気がする。こんなの全員が達成できるわけがないのに。



金持ちになれていなくても大丈夫です。

目標が達成できていなくても大丈夫です。


もうあり得たかもしれない別の人生を夢見続けなくていいんですよ?

今の人生を見ないフリして、余計辛くならなくていいです。


あなたの人生が、予定通りに行かなくて、完璧じゃなくても大丈夫です。

あなたは今も昔も努力家で、一生懸命頑張ったんですから。


あなたは素晴らしい人間です。




このエッセイを読んで一億分の一くらいでも心の重荷が軽くなれば、それより嬉しいことはないです。


上から目線に聞こえるような箇所があったかもしれませんが、全然そんなこと思っていません。(もし上から目線に聞こえていたらごめんなさい)



今すぐには無理でも、五年後か十年後か、

この殺し合いのサバイバルゲームが、少しでもマシになっていたらなと思います。


読んでくれてありがとうございました!








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