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たとえここが敵しかいない世界だとしても  作者: 勇者王ああああ
クローン、エルフと交流する
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おまけ 未公開シーンその1


 シローは座りながら足をヒラヒラと動かしているアスハのある一点を見つめていた。

 その視線に気が付いたアスハは顔をしかめながらシローを睨み付ける。


「な、何よ」

「……一つ、質問がある」


 シローはアスハの胸を凝視しながら、難しい顔で口を開く。それは、彼にとっては死活問題なのだ。


「なぜ、お前の胸はキャスリンよりも小さいんだ?」

「殺されたいのかしら?」


 アスハは右拳に魔力を纏わせ、眉をひくつかせてシローを威嚇する。キャスリンはシローからの質問に最初は目を丸くしたが、続いてクスクスと笑い始めた。


「あははは。シローなんてこと聞くんですか?」

「いや、お前たちが『女』であるということは理解した。だがそれなのに胸筋の発達具合に差があるのは理解しがたい。話を聞く限りではアスハの方がより鍛練を積んでいるはずだろう。ならばアスハの方が大きくなるのでは……」

「ほーいい度胸ね歯を食い縛りなさい」

「な、何をする! やめろ!」

「あはははははは!」


 キャスリンが豊満なのであって、別にアスハも胸が乏しいというわけではないのだが、シローにはそれが理解できなかった。彼にとっては肉体美こそ唯一のステータス。すなわち筋トレには目がないのだ。

 すなわち彼は生粋の巨乳好き。クローンの癖に胸にこだわりが強い。


「……いや待て。と言うことはキャスリンは俺が想像している以上に逞しいのか? ……はっ! そういえばお前はあれほどの荷物を運びたがっていたが、あれは自分自身の鍛練の為に……」

「ち、違います違います! だれが鍛えたいからわざわざ荷物を運びますか!」

「そうよ。その子は定期的に鍛えてるの。脱ぐと凄いんだから。力こぶとかすごいよ?」

「な、ほ、本当か!?」

「もーっ! アスハも何余計なこと言ってるんですか!」


 キャスリンの体に視線を走らせて、尊敬の念を浮かべるシロー。だが、アスハはクスクスと笑いながら畳み掛けるように口を開く。


「あはははは! ……でも確かにシローもなかなかいい体してるわよね。鍛えてるの?」

「無論だ。日々の筋肉トレーニングは欠かさない。完全な肉体を手に入れるために鍛練に加えて食事管理も行っている。だからこそお前たちのような立派な胸筋を手に入れる方法を知りたかったのだが……」

「……バカじゃない?」

「なぜだ?」


 胸を張り、張り付いたバトルスーツに彼の鍛え上げられた肉体が浮かび上がる。余談だが彼は筋肉を上手く浮かび上がらせるポーズすら研究している。シローは浮かび上がる腹筋は見るもの全てを魅了させる、と考えているのだから。


「おーすごーい」

「ふっ……。大したことはない。なっ……」

「ちょっとキャス何してるのよ……」


 誇らしげに肉体美を披露していた彼だったが、彼の横でキャスリンも自慢気に胸を張っていた。それにより彼女の胸は服を押し上げ、シローの数倍は膨れ上がっていた。


「な、なんたる胸筋だ……」

「だから違うっての。キャスもやめなさいっての」


 キャスリンはニヤニヤ笑いながらシローを見る。シローは既に尊敬の念を抱きつつあった。


「さ、触ってもいいか……?」

「いいわけないでしょこのバカ!」


 恐れながらも近付いていくシローを見て、キャスリンは驚いたように胸を隠したが、それよりも早くアスハの手刀が彼の脳天を直撃したのだった。



  

 









読んでくれてありがとうございます。

ちょっと今加筆修正してて、時間がかかってます。

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