ミセリアと花屋敷
これが初の投稿となりますので、言葉の綴方や言い回しなど間違いや違和感を感じることが多々あると思いますが、暖かい目で見守って頂けると幸いです。
それでは、是非とも宜しくお願い致します。
暖かな日差しが窓にかかるカーテンの隙間から優しく差し、外からは小鳥たちのさえずりや草木の揺れる音が静かに聴こえてくる。
「お姉ちゃん、どこいっちゃったんだろ?」
今日もまた、昨日のように姉のことをひとり考えていた。
私は数日前に出掛けてから帰ってこない姉が心配で仕方がない。母も父も亡くしていて、私の心の唯一の支えであって大好きな姉がもう三日も帰ってこないのだから。
円形の食卓テーブルに置かれた姉の置き手紙があり、手紙には
「いい子でお留守番しててね。日暮れまでには戻るから。」
と書いてあるだけで、姉が何をしに何処へ行ったのかがまるでわからないのだ。
今まで姉のそばを離れた事が無かった私は、初めて「ひとりぼっち」になったのかもしれない。
耐えられない。今すぐにでも姉に会いたい。そばにいて欲しい。ひとりにしないで欲しい。そんなことばかり考えていたからか、さらに寂しさと心細さが増してしまっている。
私の家は街から少しだけ離れた所にひっそりと建っている。何故かは分からないが今までは大して気にしていなかったが、ひとりぼっちになって姉の帰りをただ待っている今になってようやく疑問に思った。
「ちょっとまちまで降りてみようかな。」
そう思い、私は身支度を軽く済ませて姉を探しに街まで行くことにした。
「見つかるかなぁ·····」
と不安を抱えながらも姉を探しに行くために暫く自分からは開けなかった玄関のドアを開け、家の戸締りをしっかりとして街の方へ向かい始めた。
その道中にY字の分かれ道があるのだがその分かれ道にたどり着いて本来進む方向とは違う左側の道に、何か転がっている物を見つけた。
「これは··········お姉ちゃんのかみかざり?」
確かにこれは姉の髪飾りで間違えがない。青色の細長いフレーレという花の花びらを模した装飾が4方向に付いていて、中央には尖晶石という紅色の宝石があしらわれた美しい髪飾り。
·····フレーレの花はあまり知られてない花らしく、栄養素の吸収が遅く、非常に脆いので大体は花を咲かせる前に枯れてしまうのだとか。
私の姉の名前はこの花の名前と一緒。姉は決して強くなくて、だからこそとても優しい人。私は見たことはないが姉は心が弱くてすぐに泣いてしまう人だったそうだ。
·····また姉のことを考えていたせいで、姉のことばかり頭に浮かんで来てとても辛くなって来てしまい、早く姉を見つけなければと思い私は姉の髪飾りをスカートのポケットにしまい込んで街に向かって歩きだそうとした時だった。
「そういえば、こっちに行ったことないような·····
お姉ちゃんのかみかざりが落ちていたしこっちに行ったのかな?」
疑問に思った。姉の髪飾りが落ちていたほうの道、森の奥へ続く道へは行ったことが無かった。いや、家族の誰かに危ないから近付いては行けないと昔言われていたような気がする。しかし、姉の髪飾りが落ちていてた方の道となると行くしかない。もしかすると姉がいるかもしれないからだ。
ミセリアはきっとそうだと、そう思いその道の奥へと進んでいくのだった。
「ミセリアの花屋敷」をお読み下さった方、大変嬉しく思う限りです。
主人公、ミセリアの容姿が分からないのは仕様です。
この小説は不定期連載(近感覚)致しますので、世界観など気に入って頂けましたら、本当に嬉しい限りです。
今後とも、宜しくお願い致します。