表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/10

その4、隠された手記

真相へのヒントその1

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は可愛かった。


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は頼もしかった。


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下はお疲れだった。


(中略)


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は男前だった。


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下はより一層素敵でした。


(別の人の筆跡)

 どんな所が素敵なの?


(元の筆跡へ戻る)

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は恰好よかった。


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は綺麗だった。


(中略)


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は輝いてました。


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は美しかった。


(ひどく寂しそうな筆跡)

 殿下に会えなかった。


(普段の筆跡に戻る)


(中略)


 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日も殿下は素敵でした。

 今日の殿下は知らない女の人と一緒にいた。


(以下、ひどく荒れた筆跡)


 他の手帳を使いきってしまった。仕方ないけどこれを使おう。

 精霊さんがとても怒ってる。話を聞きに行かなければ。


 約束に遅れてしまった。ごめんなさい。

 公務に遅刻した。気を付けなければ。

 精霊さんに拘束時間を短くできないか頼んでみよう。


 間違えてしまった。次はもっとうまくやらなれば。

 間違えた間違えた間違えた! もう嫌われてしまったかもしれない。


(以下、とても弱々しい文字)


 痛いのが収まらない。みんなの目が怖い。

 精霊さん。お願いだから怒りを鎮めて。お願いだから。

 殿下は最近より一層光を纏うになった。きっとあの子に恋をしたのだろう。


 ダメだ。ちゃんと休まないと。

 殿下にも怒られてしまった。あの子を見ているのは良いけど、嫌われたくはない。

 意識が途切れることが多くなった気がする。でも、耐えなければ。


 明日、あの子を呼んでお話をしよう。秘密のお茶会だ。


(普段の筆跡に戻る)


 アネスさんはとてもいい子だった。守らなれば。


 私が悪い。それでいい。それであの二人が幸せになれるのならば。

 婚約破棄を殿下は真剣に検討しているとか。ならば私も少しばかり協力しよう。


 ミィルたちに迷惑はかけたくない。これでお別れ。本当にごめんなさい。

 ちゃんと聞き届けるまで倒れるわけにはいかない。さあ、殿下の願いを叶えに行こう。


(再び荒れた筆跡)


 どういうこと? 何があったの? こんなのもう、私が死ぬしかない。ああ、行かなければ。


(以下、空白が続いている)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ