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第4話 異世界に転生した僕は早々に窒息死する模様です

 いま僕たちは馬車の中にいます。


 ちなみに、前側に座って馬車を動かしているのは金髪のイケメン君で、後ろ側には僕とレーラさんが並んで座っています。

 スキルがないレーラさんは馬車を動かすことができないらしいです。 

 もちろん僕もできません。


 あれだけ僕が同行するのを嫌がっていた金髪君だけど、雨が降り始めてしまって、濡れると風邪を引いてしまうと、レーラさんの好意で、この馬車に乗せてもらっています。


 やはりというか、それとなく車とかがないのか聞いてみたけど主な交通手段は馬車らしくて、クルマなんてものはないと言われてしまいました。


 おんぼろな見た目通りにこの馬車はガタゴトと大きく揺れながら進んでいくので、揺れる度にお尻が痛くなってしまいます。


 ここが異世界なら転移魔法でもないんですかね?


 

「でさ、結局何のカップだと思う?」


「えぇ......そうですね」


 

 さっきからレーラさんは僕に色々と話しかけてくれてるけど、適当に相づちを打っているだけになってしまっています。

 彼女の言葉は僕の耳を左から右へと通過していってしまうからです。


 ガタンと馬車が揺れる度に、僕の隣にある2つの圧倒的質量を誇るものが揺れる。

 効果音を付けるなら......ボイン、ですかね。

 残念なことに僕の体には揺れるようなものはいっさい付いていません。

 


「ねぇ、聞いてる?」


「えっ? あ、はい!」


「そう? じゃあさ、話の続きなんだけどね。結局何のカップだと思う?」


「カ、カップ······ですか?(チラッ)」


 

 F······いや、Gかな?

 たわわに育ったレーラさんのお胸は僕の視線を釘付けにするには十分すぎて......。



「あれっ? そんなに見つめちゃって......触りたいの?」


「なっ......!?」



 い、いいのですか?

 僕が触ってしまっても?

 法律的に......いや、今僕は女の子です!



    これは合法だ!!



 何も問題はない。

 No problem!


 僕は意を決して、そっと手を伸ばす。

 後ちょっと、後ちょっとで僕はエベレストの頂にたどり着くことができるんだ!



「あっ、すまん。ちょっと揺れるよ」


「えっ?」



 突然の金髪からの警告に対処できるはずもなく......



「きゃっ!?」



 急に馬車は左へ大きく傾いた。

 僕は馬車の右側に、レーラさんは左側にいたから、僕がおもいっきりレーラさんに突っ込む形となる。


 でも、衝撃はほとんどなかった。

 むしろ柔らかくて気持ちいい。


 レーラさんの天然の二つのエアクッションによって受け止められていたからだ。


 あぁ、ここは天国なのか?


 あまりの気持ち良さにそんなことを考えていたけど、すぐに天国は地獄へと変化した。


 うっ、い······息が······これ、や······ば······


 意識がだんだんと遠退いていく。

 レーラさんが何か言っている気がしなくもないけど、もう·········無理。




 なんとも最後は悲しいものですね。

 いきなり転生したと思ったら、知り合ったばかりの女の子の大きな胸に挟まれて、窒息。

 

 男としては最高の死に方じゃないでしょうか?

 いや、今の僕の体は女の子なんですけど。


 あれですよ、体は女、頭脳は男、その名も......ってやつ。


 今度こそ、もう·········無理。

 かろうじて残っていた僕の意識は完全に消滅した。

 

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