ショウ・ジュニアス・平川の場合
一部表現を修正致しました。
俺の名前は、ショウ・ジュニアス・平川。黒子派遣No:889。今回俺は、仲間2人と、とあるMMORPGに黒子兼モブとして派遣されている。
ここは、ネットゲーム『英雄物語~導かれし仲間達』という王道のダークファンタジー内。魔王復活を阻止し、世界平和へと導くというストーリーだ。
このMMORPGは、【よりリアル】が売りで、味や匂いも感じることが出来る。血や肉片の焼ける匂いもだ。だからかR指定が付いている。まぁ~そのほうが教育にいいよな・・・情操教育とか最近はうるさいから・・・。
今、俺たちは【はじまりの村】にいる。その名の通り、物語のはじまり。その村は、魔王軍に攻め込まれ、壊滅寸前まで追いやられるが、勇者とその仲間達は生き残る。そして魔王軍を殲滅するために旅を始める大切なシーン。それが無難なく終わるように俺が村人Aとして、ミナトがB、レイがCとして潜入中だ。
B『リーダー、リーダー聞こえますか?』
A『どうした?』
C『この村おかしいです』
A『何がおかしいんだ』
B『昨日まで無かったはずの戦車とか、重火器とかめちゃくちゃあるんですよ!』
A『はぁ~??ここは、剣と魔法メインの話だろ!?』
C『でも、確かにあるんですよ!』
A『いまから確認しに行く!』
イレギュラー発生か、転生者か移転者かがいるパターンか?めんどくさいな・・・。
A「確かに戦車とか重火器が、めちゃくちゃあるな・・・」
B「でしょ!これ移転者ですかね?」
A「所長に確認だな・・・。」
『所長、こちら黒子No:889です。イレギュラー発生です。シナリオから逸脱しています。
【はじまりの村】で戦車や大量の重火器があります。どうしますか?』
『あ~・・・、ショウ君ごめん。連絡が遅れた・・・・・・。今すぐ撤収してくれるかな?』
『えっ!?撤収ですか?理由はなんですか?』
『この物語は、クローズドだ』
『クローズド!・・・わかりました・・・。これから本部に帰還します・・・』
~天の声真相~
「ところで、住野先生、結城先生が言ってた新しくキャラデザしたネットゲームなんでしたっけ?」
「うんとね『英雄物語~導かれし仲間達』だよアリスちゃん♪」
「あぁそうそう、その『英雄物語~導かれし仲間達』の制作会社が潰れたんですって!」
「ふぇっそなの!?」
「で、そのゲーム自体は、別会社が買い取ったらしいんです。アバターは、そのまま使えるようにするらしいんですけど、ストーリーとかが大掛りに変更されるらしくって、結城先生が『キャラとストーリーが全く合ってない』って憤慨してました」
「そなんだね~。大人の事情ってやつかぁ~、世知辛いね~」
「そですね~」