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第一章 『毒舌な美人』

「きゃぁ!」

「あ…ごめん。気づかなかった。…ん?君…中等部の子?」

「は、はい。中等部3年、部活無所属、世々羅城依織と申します!」

少し怯えた声で依織と名乗ったのは、部活無所属でありながら中等部の生徒会長である学園の中では名の知れた有名人であった。

「そんなに怯えなくて大丈夫。俺は高等部2年、今は無所属。涼宮県。県でいいよ。」

怯えるのも無理はない。県は目つきが悪く、背が高い。それに不良だとか悪いうわさが耐えない。

「あ、県先輩…。今はという事は以前はどこの部活に所属していたんですか…?」

「あー。歌唱部。幽霊部員だったし、合唱部、創ってみたくてさ。でも、誰も入部しないから、創れるかどうかもわかんないんだけどね。」

「あ、あのっ!だったら私━」


♢♢♢♢♢


「えぇぇ!!依織、合唱部なんかに入るの!?」

「う、うん。そんなに驚くことなの…?てか、声大きいよ。」

「あーごめんごめん。で、本気なの?」

「本気本気ー!本気と書いてーマジと読むー!」

「………」

「…蓮くん?」

「…ん?あぁ。依織。キミには才能があるんだ。合唱部なんかよりいい部活は山ほどある。だから、な?合唱部だけは辞めろ。」

真剣な目つきで依織を見つめている蓮。

「もう決めたことだもーん!今更合唱部は友達が辞めろって言ったんで入りませーんなんて言ったら、先輩に迷惑かけちゃうしー。」

「でも…」

「あーはいはい。私は私。蓮くんは蓮くん。人の意見には流されませーん。」

キーンコーンカーンコーン

チャイムが響いた。

「じゃ、またね。蓮くん!」

「はぁ…全く。人の話を聞かないのは相変わらずだな…」


♢♢♢♢♢


「あがたせーんぱいっ!」

「あぁ、依織か。」

依織は合唱部の部室(仮)と言う名の県の部屋にいていた。この学園は全寮制。女子は申請し、許可を貰えば男子寮に入れるが、男子は女子寮に入ったらフルボッコ。とにかくかなり怒られる。

「県先輩、合唱部って合唱をするんですよね?私が伴奏、県先輩が男声…。指揮と女声はどうするんですか…?」

「あー考えてなかった。てか、お前…さっきとキャラ違くね?」

「はぁ…考えてないのに部活、創ろうとしたんですかー?」

「俺の質問には答えてくれないのかよ。」

県はジト目で依織を見た。その後、笑い合った。依織はその時初めて県の笑顔が見れたことに喜びを感じていた。


♢♢♢♢♢


「えっとぉ、今日ゎ転校生を紹介するねぇー」

そう言ったのは県のクラスの先生・藍羽ねね(偽名)。クラスの人達からはぶりっ子とか豚とかとにかく嫌われてるらしい。

「転校生のぉ歌鐘聖愛さんでぇす。」

「…………」

「ちょっとぉなにか言ってょ。」

「先生が変な喋り方してるから話したくないんじゃないですかー!?」

「そうよ。それに、こんな気持ち悪い偽名使ってるんですもの。正直、この先生とは話したくないです。」

「あっははー。先生、嫌われてやんのー!」

「むぅ…」

ぶりっ子先生は顔を膨らませたが可愛くない。例えるならそう、ゴリラね。

「ゴリラ先生。席はどうしたらいいんです?」

教室が一気に賑やかになった。転校生が初日からゴリラ先生なんて言えばそうなるだろう。

「あ、何も答えなくていいです。声、聞きたくないんで。どうせ、開いてる席とか言い出しそうですし。」

「う…」

開いてる席…は…………ん?寝て…る?

「お前…美人と隣とか羨ましいなー」

「んぁ?あぁ、お前誰?」

「歌鐘聖愛よ。」

「え、転校生かなんか?」

「お前ぇ…」

「美人と隣のくせに……」

「畜生……」

「はぁ?コイツそんな美人なのかよ」

「「燃やすぞ!!」」

「あ…なんかごめんよ」

「県…歌鐘さんみたいな人を美人じゃないとか…眼科行け!」

ふーん…この人が涼宮県…ね


面白くなりそうじゃない

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