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カミソリと俺と心の調和  作者: 立花 馨
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カミソリと俺と心の調和2

 手首の手当てをしながら、ふとあの人の姿が頭をよぎった。

 俺の主治医で兄でもある斗真の白衣姿が...。

 家族の中で最も俺のことを理解し支えてくれている。


「メール...いつの間に...」


 いつものストレス発散に夢中で、全然気が付かなかった。

 透明のガラステーブルに置いていた携帯に手を伸ばし、その内容を確認する。送り主は、兄の斗真だった。

『もう少しで仕事終わるから、この後二人で遊びに行くぞ。着いたらすぐ出れるように用意しといて♪』とのことだ。急いで手当てを済ませ、包帯などを救急箱に戻し出掛ける準備を始めた。


 兄は普段、顔文字や絵文字を使わない。こうしたメールを寄越すのは、大事な弟であり、患者のミチルだけ。

 二人で居る時に際しても、極力ワガママは言わないようにしてきたつもりだ。自分の為に色々としてくれている分、せめて誰かと一緒に居る時にはその相手を困らせないように...目立たないように努めようとしている。

 兄・斗真もそれには気付いているらしく、『俺の前ではもっとワガママを言って良いんだぞ』と言ってくれるが、どうにも気が引けて...その場に居ることに息苦しさや軽い眩暈を感じる時すらある始末...。


 本当にこの対人恐怖症を治せるのか、不安でしかない。

 斗真の到着メールを確認したのち、ミチルは部屋から飛び出して行った。

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