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カミソリと俺と心の調和  作者: 立花 馨
12/14

カミソリと俺と心の調和11

 時刻は午前八時二十分。


 朝食を済ませた二人は、お互いに荷物を持って家を出る。車に乗りシートベルトを着け出発する際、ミチルはまだ頭の中で考え込んでいた。ここまで考えが纏まらないのは初めてで、表情に出るのを必死に隠そうと平然を装おうとしたが、さすがは心療内科医と云ったところ、当然の如く気付かないハズはない。


「...まだ考え事してんのか?」

「...簡単に弟の心、読まないでよ...」

「分かっちゃうんだから仕方ない。というか、顔に出過ぎなんだよ」


 エンジンを掛けガレージから車道に出る。


「というか、何か言いたげだな。...試しに言ってみ?」

「言って...良いの?」

「あぁ。兄弟なんだし、弟一人に背負わせるわけにもいかんだろ」


 少し考え、モノの試しに言ってみようと決起し、ミチルは座席に体育座りをしつつ口を開いた。


「じゃあ言うけど...小さめのカミソリ、一本だけ持ち歩いて良い?」

「......」

「切らないから...持ってるだけにするから」

「...分かったよ。でも、もし切ったら...一日携帯禁止・没収な」


 ミチルは大きく頷き前を向いた。すると、目の前の通りに花屋が見えてきた。

 近くの駐車場に車を停め、「すぐ戻ってくるから、中で待ってて」とシートベルトを外しながら言う斗真にミチルは引き続き頷き答えた。

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