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カミソリと俺と心の調和10
〔次の日の朝〕
「おーい、もうそろそろ七時半になるから起きろー」
ミチルの体を揺らして起こそうとする斗真に「あと五分...」と起きようとしない。
「朝飯食いっぱぐれるぞー?」
「それはヤダ!」
飛び起きたミチルの頭を撫でて、寝室からリビングに向かって行った。
「俺もとっとと支度しちゃうから、先に食べてて」
「はーい。((...ホントに死んじゃうなんて、有理沙さん...何があったんだろ...))」
「...これで良しっと。...なにか考え事か?」と問う斗真に「ううん、なんでもない」と返す。
「そっか。あ、墓参りしてから診療所行くからな」
「分かった。行きに花屋とか寄る?」
「花屋とコンビニは寄るよ。なんか買いたいのあったら言えな♪」
「うん♪ 久しぶりに葉瑠さんに会える~♪」
「お前、ホント葉瑠好きなー(笑)」
ごく普通の日常的な会話。それがこの後、ミチルの心境に多大な影響を与える事が待ち構えているとは、この時の二人はまだ知る由も無かった...。