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≫罰ゲーム≪  作者: 饗彌
7/12

第6ゲーム ≫不安≪

 立て続けに2人の死者が出て全員が恐れ不安になっていた。

 そして全員が落ち着いてから問題の答え合わせをする事になった。


 七穂の遺体の側にあった紙にはこう書いてあった。



  英数字の数の分だけ左から数えた所の文字を並べる。


   Ⅲ Ⅶ Ⅴ Ⅵ Ⅳ

  花畑〔に〕真っ白なお花が咲いている。

  男がナイフ掲〔げ〕笑ってる。

  少女は恐〔れ〕泣いている。

  鋭いナイフ〔な〕にもかも終わらせた。

  お花 儚〔い〕お花 後には真っ赤に咲いている。


  〔〕の部分を並べると、


   にげれない


   さらにⅢⅦⅤⅥⅣは語呂合わせで


   ⅢⅦⅤⅥⅣ→37564→ミナゴロシ


   皆殺し



「はっ全員死ぬから逃げれねぇて事か」

 昭太が吐き捨てるように呟く。

「やだ……死にたくないよぉ……」

 横田が泣きそうな声で言う。

「兄さんこの紙どうする? しっかり者の上杉さんに預かってもらう?」

「ああ。そうだな。上杉さん、この紙預かってもらっていいですか?」

「わかった」

「にしても……ちょっと不自然だね」

「何がですか?」

 葉が何かに気づく。

「なんでこれだけ手書きなのかな?」

「確かに」

「ホントだ! スッゴク字、キレイ」

「いや、そこじゃないだろ」

 月夜は相変わらずマイペースのままだ。

「そんなこと考えていても意味無いのでは?……」

 上杉が言う。

「とにかく今日は早めに休みましょう」

「そうですね」

「…………」


 長野は何か違和感を感じているようだった。




「おかしいよな……」

 長野は七穂がまだ生きていた頃の事を思い出す。


→→→→→→→→→


(ん? あれは……月夜ちゃん?)

(なにしてるんだろ)

 すると月夜は七穂の夕食に白い粉のようなものを入れた。

(あれって、クスリ? でもなんで?)

 その後すぐに月夜はその場を去った。


→→→→→→→→→


 長野はその事が気になっていた。

(もし、月夜ちゃんと上杉が共犯だったら……)

「……これは、まずいだろ……」




「兄さん、先お風呂入ってきていい?」

「あ? 徹に聞いてみろ」

「な、なんで怒ってんの?」

「いや怒ってないけど?」

「そう? 徹、先お風呂入ってきていい?」

「あ、うん。いいよ」

 その時、扉をノックする音が聞こえた。

「はい。どうぞ」

「ちょっと月夜ちゃん、いいかな?」

「長野、さん? どうしたんですか?」

「ちょっと……」

「わかりました」

 月夜が面倒くさそうに頷く。

「月夜」

「大丈夫。多分」

 月夜は部屋を出ていった。


「何ですかぁ?」

「まぁ、そう怒らないで。ちょーっと聞きたいことあって」

「だから何ですか!?」

「七穂ちゃんの夕食に何か白い粉入れてたよね?」

「は?」

「俺、見ちゃったんだけど」

「……ッ!」

「あれ?図星かな? あれってクスリだよね?」

「…………」

「どんな効果あるの? 2人を殺したのって君?」

「…………」

「お兄さんは知ってるのかな? 上杉と共犯?」

「…………」

「黙ってないでさぁ、教えてよ」

「ちょ……」

 月夜は壁に追い込まれてしまう。

「別に犯人とかはどうでもいいからさ」

「やだ……」

「俺だけでも逃がしてくれないかなぁ?」

「やめて」

「じゃないと……」

「やあ!!」

 その瞬間、長野は階段から……



「うああああ!!」

「夜月兄さん、今のは……」

「長野の声だ! 月夜が……」

 長野の声を聞き付けて夜月は駆け出して行った。

「あ! 待って!!」

 徹が叫ぶ。


 そこには泣き崩れて座り込んだ月夜がいた。

「おい! どうした?」

「に、にい、さん……あ、あの、あのね……」

 月夜が指差した方には階段から転げ落ちた長野がいた。

「どうしたんですか?」

 上杉や他の人も集まってくる。

「長野さん!?」

 上杉が長野に駆け寄る。

「……意識を失っているだけみたいです」

「え……」

「月夜、どうしてこうなったんだ?」

「……ッ! あ、あの」

「……落ち着いてから話そう。部屋に戻ろう?」

「うん……」

「誰か長野さんを運ぶの手伝ってくれませんか?」

「あ、俺手伝います。徹、月夜を頼んでいいか?」

「うん」

「じゃあ、夜月くんは足の方を」

「わかりました」



「……意外と重かった」

「ですね……ついでに私物とかチェックします?」

「勝手にいいのか?」

「多分」

「まあ、わりと長野さん怪しいしな」

「じゃあ上杉さんは向こうの方お願いします」

「わかった」


「……無いですね」

「至って普通の私物」

「部屋に戻りましょうか?」

「そうだな」



「戻ったぞ」

「兄さん!」

 部屋に戻ると月夜は布団の中に潜り込んでいた。

「あ、あのね!」

「落ち着け。徹、ちょっと部屋から出てってもらえるか?」

「あ! う、うん!」

「すぐ終わるから」

「わかった」



 夕食の時間。

「月夜ちゃん、大丈夫?」

 葉が夜月に聞く。

「ええ、本人が言うには今後の事で少しもめただけだとか」

「そう、ならいいけど」

「ちょっと長野さんの様子、見に行きましょうか」

「そうだね」



「長野さん? 入りますよ」

 返事がなかった。

「開けてみましょう」

 扉を開けると長野はひどく怯えていた。

「どうしました?」

 長野は何かを必死で伝えようとする。

「……もしかして声、だせないの?」

 長野が頷く。

「なんで……」

「とりあえず、今日は休みましょう」

 上杉が割り込んでくる。

「長野さんは私が見てるので」

 全員、賛成した。


 これから何が起こるのか知っているのは、


 ーーーーだけ。

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