第4ゲーム ≫愉楽≪
AM7:00
食堂に全員が集まり朝食の準備をする。
「では皆さん。今後の事は朝食を食べたあとに話し合いましょう」
「いただきまぁーす」
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「ではまずリーダー的な人を決めましょう」
夜月が言う。
「僕は兄さんに1票」
「私も夜月くんに1票」
「私も」
「私もかな~」
「賛成の人は手を挙げてください」
上杉が話を進めていく。
全員賛成。
「ちょっと待ってください! 俺ひとりじゃさすがに……」
「じゃあ私が手伝うことにしよう。ふたりいれば安心だからね」
上杉がどんどん進めていく。
「皆さんもそれで良いですか?」
全員賛成。
「じゃ今後どうするかなんですが出来そうな事がないので、とりあえず相手の言うことを聞いてましょう」
「それから何かわかり次第、行動すると?」
「はい」
「良いんじゃないかな」
「じゃ決定で良いですか?」
全員賛成。
「さっすが兄さん」
「煩い」
「むう」
その時、液晶画面に何か映し出された。
「なになに? ……これから皆さんにはゲームをしてもらいます? 詳しくはまた後程。だって」
「とりあえず指示に従おう」
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その後、指示があったがただゲームをしろというだけだった。
成績が半分をこえていたらご褒美があると。
だから皆ゲームをした。
トランプ、ダーツ、テレビゲーム、人〇ゲーム。
ただゲームをした。
何もなかった。
「おかしいよな。これ」
「何もないなんて」
「しかも罰ゲームじゃなくてご褒美だなんて」
「怪しいよな」
だんだん騒ぎ始める。
「皆さん落ち着いて。冷静になりましょう」
「兄さんの言うとおり。あまり慌てると相手の思うつぼだよ」
「そうだけど」
「折角なんで楽しめるときは楽しみましょう」
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夕食の時間。
どうやら全員、セーフでご褒美が貰えるらしい。
「なんかお風呂に入れるようになったよ?」
「わーいお風呂だー!」
「月夜煩い」
「兄さん、一緒に入る?」
「入らない。んでもって煩い」
「むう。昔は一緒に入ったのに」
「いつの話してるんだ……」
夜月は心底あきれていた。
「にしてもちょっとおかしいよな。急に豪華になるなんて」
長野が言う。
「ちょっと何かあるんじゃないかと思うよな」
「そうですね。ちょっと怖いですね」
しばらくの沈黙のあと月夜が言った。
「よくわからないけど今を楽しもう? 悩んでても進まないよ」
「そうだね」
「おじさん、その意見に賛成。折角豪華になったんだしな」
「んじゃ、兄さん。一緒にお風呂……」
「入らない」
「本当に仲が良いね」
その後は個人で自由行動になった。
何もかもが豪華になっていた。
風呂、ベッド、食糧 などが。全部。
それぞれ、恐怖から解き放たれこの貴重な時間を優雅に過ごした。
全員が悦びを感じていた。
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『いやあああああ!!?』
『やっやめっ! ……ぐ、ああ!?』
『……ーーまず1匹目』
『……ーーお前らはモルモットだ』
「いやあ!?」
葉は悪夢にうなされ目が覚めてしまった。
「なんなの今の……不吉……このままじゃ皆が」
殺される。
そう思ったのだった。
「一体、誰がこんなことを」
葉は眠くなってしまったのであまり気にせす寝ることにした。
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上杉は玄関ホールにいる。
ひとりでタバコを吸いながら考え事をしていた。
月夜の言葉を思い出す。
『よくわからないけど今を楽しもう? 悩んでても進まないよ』
「……今を楽しもう、ねぇ……」
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『初めまして』
『君がおれの妹?』
『そうだよ。これからよろしくね! 兄さん!』
『うん! 仲良くしようね!』
「夢か……」
夜月は随分懐かしい夢をみたなと思った。
隣では月夜が徹を抱き締めて気持ち良さそうに寝ている。
「ったく。離してやれよ」
ひとり、そんなことを呟く。
そこでいきなり葉の言っていたしみのことを思い出す。
「しみ……か……」
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朝、食堂へ行くと騒がしかった。
「なんだよ、いきなり」
「何するつもりなんだろう」
「皆さんどうしたんですか?」
夜月と月夜が駆け寄る。
「あっ! 夜月くん! これ見て!」
目を向けた先には液晶画面が。そこにはこう、書いてあった。
コレカラ 皆サンニハ ゲームヲシテモライマス。
指示ニ シッカリ 従ッテ クダサイ。
ソシテ、今回ハ 何ラカノ
罰ゲーム ガ アリマス。
「罰、ゲーム……?」




