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≫罰ゲーム≪  作者: 饗彌
5/12

第4ゲーム ≫愉楽≪

 AM7:00

 食堂に全員が集まり朝食の準備をする。

「では皆さん。今後の事は朝食を食べたあとに話し合いましょう」

「いただきまぁーす」


→→→→→→→→→


「ではまずリーダー的な人を決めましょう」

 夜月が言う。

「僕は兄さんに1票」

「私も夜月くんに1票」

「私も」

「私もかな~」

「賛成の人は手を挙げてください」

 上杉が話を進めていく。

 全員賛成。

「ちょっと待ってください! 俺ひとりじゃさすがに……」

「じゃあ私が手伝うことにしよう。ふたりいれば安心だからね」

 上杉がどんどん進めていく。

「皆さんもそれで良いですか?」

 全員賛成。

「じゃ今後どうするかなんですが出来そうな事がないので、とりあえず相手の言うことを聞いてましょう」

「それから何かわかり次第、行動すると?」

「はい」

「良いんじゃないかな」

「じゃ決定で良いですか?」

 全員賛成。

「さっすが兄さん」

「煩い」

「むう」

 その時、液晶画面に何か映し出された。

「なになに? ……これから皆さんにはゲームをしてもらいます? 詳しくはまた後程。だって」

「とりあえず指示に従おう」


→→→→→→→→→→


 その後、指示があったがただゲームをしろというだけだった。

 成績が半分をこえていたらご褒美があると。

 だから皆ゲームをした。

 トランプ、ダーツ、テレビゲーム、人〇ゲーム。

 ただゲームをした。

 何もなかった。

「おかしいよな。これ」

「何もないなんて」

「しかも罰ゲームじゃなくてご褒美だなんて」

「怪しいよな」

 だんだん騒ぎ始める。

「皆さん落ち着いて。冷静になりましょう」

「兄さんの言うとおり。あまり慌てると相手の思うつぼだよ」

「そうだけど」

「折角なんで楽しめるときは楽しみましょう」


→→→→→→→→→


 夕食の時間。

 どうやら全員、セーフでご褒美が貰えるらしい。

「なんかお風呂に入れるようになったよ?」

「わーいお風呂だー!」

「月夜煩い」

「兄さん、一緒に入る?」

「入らない。んでもって煩い」

「むう。昔は一緒に入ったのに」

「いつの話してるんだ……」

 夜月は心底あきれていた。

「にしてもちょっとおかしいよな。急に豪華になるなんて」

 長野が言う。

「ちょっと何かあるんじゃないかと思うよな」

「そうですね。ちょっと怖いですね」

 しばらくの沈黙のあと月夜が言った。

「よくわからないけど今を楽しもう? 悩んでても進まないよ」

「そうだね」

「おじさん、その意見に賛成。折角豪華になったんだしな」

「んじゃ、兄さん。一緒にお風呂……」

「入らない」

「本当に仲が良いね」


 その後は個人で自由行動になった。

 何もかもが豪華になっていた。

 風呂、ベッド、食糧 などが。全部。


 それぞれ、恐怖から解き放たれこの貴重な時間を優雅に過ごした。

 全員が悦びを感じていた。


→→→→→→→→→


『いやあああああ!!?』

『やっやめっ! ……ぐ、ああ!?』

『……ーーまず1匹目』

『……ーーお前らはモルモットだ』


「いやあ!?」

 葉は悪夢にうなされ目が覚めてしまった。

「なんなの今の……不吉……このままじゃ皆が」

 殺される。

 そう思ったのだった。

「一体、誰がこんなことを」

 葉は眠くなってしまったのであまり気にせす寝ることにした。


→→→→→→→→→


 上杉は玄関ホールにいる。

 ひとりでタバコを吸いながら考え事をしていた。

 月夜の言葉を思い出す。

『よくわからないけど今を楽しもう? 悩んでても進まないよ』

「……今を楽しもう、ねぇ……」


→→→→→→→→→


『初めまして』

『君がおれの妹?』

『そうだよ。これからよろしくね! 兄さん!』

『うん! 仲良くしようね!』


「夢か……」

 夜月は随分懐かしい夢をみたなと思った。

 隣では月夜が徹を抱き締めて気持ち良さそうに寝ている。

「ったく。離してやれよ」

 ひとり、そんなことを呟く。

 そこでいきなり葉の言っていたしみのことを思い出す。

「しみ……か……」


→→→→→→→→→


 朝、食堂へ行くと騒がしかった。

「なんだよ、いきなり」

「何するつもりなんだろう」

「皆さんどうしたんですか?」

 夜月と月夜が駆け寄る。

「あっ! 夜月くん! これ見て!」

 目を向けた先には液晶画面が。そこにはこう、書いてあった。


 コレカラ 皆サンニハ ゲームヲシテモライマス。

 指示ニ シッカリ 従ッテ クダサイ。

 ソシテ、今回ハ 何ラカノ

 罰ゲーム ガ アリマス。


「罰、ゲーム……?」



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