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嘆きの巫女

作者: えきゅ

ここ、ホンニャラ国では、今日も嘆きの巫女が人々の憂いを嘆いています。



「なんですって!」

今日の嘆きの対象は、婚約者を後輩に寝とられてしまった女性です。


「おお…なんという…」

相談を受けていた巫女は概要を聞いただけで耐えられず、思わず席から立ち上がり、よろめき蹲ると、その場で嘆きはじめました。

「なんということでしょう!婚約者を可愛がっていた後輩に寝とられてしまった?!信頼していた人に裏切られてしまうなんて!しかも同時に二人も!」


突然のことにビックリしている女性を置き去りに、更に巫女の嘆きは深まります。


「幸せな婚約生活から一転してドン底!「もうすぐ結婚するんです」なんて浮かれてたあなたを生暖かい目で見守っていた周囲も腫れ物をさわる態度になり、居辛さに職場を辞めれば収入も減りとたんに食べるものにも困る生活に!しかもパートナーを失ったあなたに「早く新しい人連れてきたら」と追い討ちをかける故郷の親!友達に愚痴ろうにも「だからあいつはやめときなって言ったじゃん」と説教される始末!なかには「婚約者を奪われたのに賠償を求めないなんて、彼女にもどこか悪いところがあったんじゃないの?」と陰口をたたく人間も…誰も…誰もわかってくれない!」


いや、まだ寝とられてしまっただけなんだけど…

ドン引きする女性を置き去りに、更に更に巫女の嘆きは深まります。


「理解者と安住の地を求めて旅に出れば、女の1人旅に目をつけられ、盗賊に身ぐるみ剥がれ、売春宿に売られ、「きっとここが私に似合いの場所だったのね」と絶望が襲い!常連客の商人に淡い恋を抱くも彼は妻帯者!しかも売春婦と客!絶対に叶うはずもない、と慣れきった絶望に身を任せ…」


どこまで続くの…これ

段々と疲れてきた女性を置き去りに、更に更に更に巫女の嘆きは深まります。


「そして…あら?司祭様?」

「相談の女性なら、もう帰ったよ」

嘆きの巫女が気づいた時には、既に女性はいませんでした。

「んもう、これからがいいところでしたのに」

巫女が憤慨している頃。


仕事とパートナー探し、頑張ろう。

とりあえずは、賠償請求からだな。


元悲劇のヒロインは神殿の前で現実的な決意をかためるのでした。






「ところで、巫女。王宮から「国庫の憂慮を一緒に嘆いて欲しい」と要求がきているんだが」

「お断りですわ!私は民衆に近い嘆きの巫女ですの!あ、でも後宮の方々の憂いなら一緒にお嘆きしたいですわ!」

「………」



今日も、ここ、ホンニャラ国は、平和です。

嘆きの巫女…

平民だが嘆き(ネガティブ妄想力)を見込まれて、嘆きの神殿に。

主に恋愛に関して嘆きが特化する。国の憂慮は妄想ができないので却下。庶民派を自負する。あ、後宮は別腹です!


相談者の女性

寝とられて悲劇のヒロインになり一週間部屋にこもって泣いた。でも巫女のネガティブ妄想にドン引きし、現実的になった。ちなみに、予約を入れたのは今後を憂いた両親。


司祭さま

嘆きの神殿を切り盛りする人。巫女のパートナー



…って設定があったんですが筆力がなくてかききれませんでした。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 発想、着眼点が花丸。 [一言] ぜひ一緒に嘆いてほしい……! きっと作家デビューできるよ、巫女さま。
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