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SF  作者: helios
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QUESTION

 花子が去って一週間がたった。僕は彼女に会う以前の生活を繰り返している。しかし疑問が尽きない。彼女は何者だったのか。本当に秘密組織の美少女エージェントだったのか。それとも彼女は、ひょっとしたら存在していなくて、あれは僕の夢だったのか? そんな気すらしてくる。こんなことなら何か証拠品でも貰っておくのだった。彼女のことを知っている人は、僕のほかにかいなくなっていた。なぜ僕だけが記憶をけされていないのか。

 尽きない疑問を解決するべく、ネットを使ってオカルトのサイトを見て回った。どこかに自分と同じような経験をした人間がいるはずだ。

 「周りの人が全員僕の長年の友人のことを忘れてしまっているんです……。いったいどうしたんでしょうか?」「UFOが降ってきたんです。ちゃんと動画を撮ったんですが、みんな信じてくれません。それはそうですよね、これだけCGが発展してるんですから。」「私の記憶だけ皆と食い違うんです。今は薬を毎日服用しています。私は本当に頭がおかしくなったんでしょうか。」……

 調べてみると一定数の人々が記憶の齟齬とUFOの目撃をしている。そしてこれらの二つは多くの場合セットになっていた。僕の場合と同様に。これは何を意味しているのか。

「もう12時よ」

部屋の扉が開き、母が入ってくる。うん、もう寝るよ。そう答えて僕は布団にもぐった。

 布団の中でしばらく考えて、僕は複数の仮説を立てた。まず一つ目。僕は精神病である。夢の現実の区別がつかない状態にある。二つ目。彼女は存在し、未来か宇宙か秘密の組織か分からないがそこの成員であり僕に自分のことを覚えていてもらうことで何かを達成しようとした。一つ目の方が平和である。あまり嬉しくはけれど、二つ目よりはマシな気がする。しかしこれら二つをどうやって見極めることができようか。病院にでもいけばいいのか。なんか嫌だ。どうするべきか。とりあえず、ネットでここまで調べてきたのでもう少しネットに頼ってみようかと思う。今日見つけたサイトの中に書き込みでもしてみれば、何か進歩があるかもしれない。


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