ゲーム世界5
カスガイが連れて行ってくれたところは、街の外に出ていくという門だ。
「ここから街の外へと出ることができるんだ。自分が属している世界以外に出る時には、進入許可状というのが必要になる。まあ、レベルが30を超すと、宿屋かギルドで手続きをすると自動的にもらえるから、心配しなくていいさ」
カスガイが言いながら、その許可状を見せてくる。
手の上に浮かんだ桃色のキューブがそれだという。
「今回は全員が持っているから大丈夫だけど、他の世界に行く時に持っていない場合は、始まりの町、つまりこの街から外に出ることができないんだ。レベル31以上のクエストには、世界をまたいでのクエストもよくあるから、その点は注意だな」
門をくぐると、道がずっと伸びていた。
草原が、かなりの範囲にわたって広がっている。
「ここが、街のすぐ外の草原。初めの草原とか普通に言われているけど、その世界の名前+草原ってのが正式名称。だからここでは、ウォーター草原ってのが正式だな」
カスガイが、引き続いて説明をしてくれる。
「さて、では、もう一度クエスト画面を見てくれないか」
カスガイの指示で、俺は先ほどと同じようにしてクエスト画面をつける。
「そこに、今回の目的が書かれているはずだ。初めのクエストでは、キノコを探すことになる」
「確かに、キノコを探せって書いてあるな」
「何個だ」
「14個だと」
「今回は、キノコを種類問わずに14個集める必要がある。一定の式で、乱数のパーセント調整が入った結果の答えなんだ。レベル3では10~15個にできるだけ納まるように計算される。では行こう」
カスガイの説明を聞きながら、どんなキノコがあるのかと気になってしまう。
「草原のあちこちに、キノコは生えてるから」
かなり密集して生えている手首ぐらいまでしかない草をかき分けながら、俺はキノコを探し続けた。